農業用ビニールハウス

【ユースケース】温室ハウスを24時間遠隔監視!格安SIMで挑む農業IoT

2026.05.29

【導入企業情報】

  • 業種: 農業
  • 企業規模: 10名未満
  • 導入サービス:温湿度センサー、IoTルーター(ミオ・コーポレーション TC700)、IoT向け低容量SIM

導入の課題

ビニールハウスやガラス温室を用いた施設園芸農業において、作物の品質管理と収量安定の要となるのが「温湿度の徹底した管理」です。しかし、限られた人員で運営しているので、以下のような深刻な課題を抱えていました。

    • 見回りによる莫大な労力と時間コスト:温湿度の変化を把握するため、広大な敷地内にある複数の温室ハウスを1日に何度も手作業で見回る必要がありました。これにより他の農作業や経営改善に割く時間が圧迫され、労働生産性の向上が阻害されていました。

    • 夜間や休日の異常気象・機器トラブルへの不安:夜間の急激な冷え込みや、換気装置の故障、停電などによる温度異常は、一晩で作物を全滅させるリスクがあります。自宅にいる間も常にハウスの状態が気にかかり、精神的な負担が非常に大きい状態でした。

    • IoT導入におけるコストと技術的ハードルの高さ:遠隔監視システムの必要性は感じていたものの、従来の産業用システムは初期費用・ランニングコスト共に高額で、投資対効果(ROI)が見合わないと諦めかけていました。また、IT専門の担当者がいないため、機器の選定や初期設定、通信契約の手続きを自社で行うのはハードルが高いという問題もありました。

対策

これらの課題を解決するため、低コストかつ専門知識不要で導入可能な「ワンストップIoT遠隔監視ソリューション」を構築し、ハウス内への設置をワンストップで実施しました。具体的には、以下の3つの要素を組み合わせたシステムを構築しています。

まず、ハウス内の環境データを正確に捉えるため、「温湿度センサー」を各ハウスに配置しました。このセンサーが24時間365日、絶えず計測します。

次に、センサーが取得したデータを安定してクラウドへ転送するため、過酷な農業環境(高温・多湿)にも耐えうる堅牢な産業用LTEルーター「ミオ・コーポレーション TC700」を採用しました。農業の現場では有線LANの敷設が困難なケースが多いため、モバイル回線を活用した無線化が必須となります。

そして、その通信の要となるSIMカードには、「HISモバイルの低容量プラン」を組み込みました。センサーデータはテキストベースの軽量なデータであるため、大容量の通信は必要ありません。用途に特化した低容量・低価格な通信プランを選択することで、月々のランニングコストを極限まで抑える対策を講じました。

システム構成図

農業用温室ハウスにおける温湿度遠隔監視の構成図

導入効果

システム導入後、温室ハウスの管理体制は劇的に変化しました。最大の効果は、現場へ足を運ばずとも「手のひらのスマートフォン」でいつでもハウスの状態を把握・管理できるようになった点です。具体的な効果は以下の通りです。

    • 見回り作業の9割削減と労働効率の圧倒的な向上:スマートフォンからリアルタイムで温湿度を確認できるようになったため、定期的な見回りの回数が激減。作業時間を大幅に削減でき、少数の組織でありながら、他の高付加価値な農作業へ人員を集中させることが可能になりました。

    • 異常検知時の即時通知による大規模損失リスク回避:あらかじめ設定した閾値(温度の上下限など)を超えた場合、即座に管理者のスマートフォンへアラートが通知される仕組みを確立。万が一の異常時にも即座に対応できるため、作物の全滅による莫大な経済的損失を防ぐ安心感が生まれました。精神的なストレスからも解放されています。

    • データに基づく精密農業への第一歩:感覚に頼っていた温湿度管理が「数値」として可視化され、蓄積されるようになりました。これにより、作物の品質バラつきを防ぎ、豊作・凶作の波を減らすためのデータ駆動型の農業への転換期を迎えています。

導入のポイント

本プロジェクトが短期間で、かつ高い投資対効果を上げて成功した背景には、3つの重要なポイントがあります。

1つ目は、「劇的なTCO(総所有コスト)の削減」です。高価な専用システムではなく、信頼性の高い産業用ルーター「TC700」と、格安SIMである「HISモバイル」の低容量プランを組み合わせたことで、初期の機器調達コストだけでなく、毎月の通信費も最小限に抑えることに成功しました。

2つ目は、「キッティングの手間を省くワンストップ提供」です。ルーターへのSIMカードの組み込みや初期設定(キッティング)を済ませた状態で納品したため、ITの専門知識がない農家様でも、現地で電源を入れて設置するだけですぐに稼働を開始できました。導入に関わる見えない人件費や時間コストを徹底的に排除しています。

3つ目は、「スモールスタート」が可能だった点です。まずは重要なハウス1棟からテスト導入し、効果を実感した上で他のハウスへ横展開するという柔軟なアプローチが取れたことが、限られた予算内で最大の成果を生む鍵となりました。

IT専門担当者が不在でも稼働できる、
農業向けIoT遠隔監視

初期設定済みの産業用ルーターと、データ通信量に特化したHISモバイルの
低容量SIMをワンストップで提供。専門知識不要で簡単に導入できます。

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