スマホ機種変更時のデータ移行方法を機種別に解説!移行時の注意点も
2024.07.31
今回はスマホ機種変更時のデータ移行について取り上げます。
スマホは日々の生活や仕事はもちろん、娯楽・暇つぶしなどにもなくてはならない存在ですが、早ければ2〜3年、長くても5年程度を目途に新端末への買い替えをする必要があります。
今回は、機種変更を行った際の旧端末から新端末へのデータ移行方法と、移行時の注意点について機種ごとに解説します。
(1)iPhone→iPhoneのデータ移行
(2)Android→Androidのデータ移行
(3)iPhone→Androidのデータ移行
(4)Android→iPhoneのデータ移行
iPhone→iPhoneのデータ移行方法
iPhoneは概ね3年〜5年ほどで買い替えるユーザーが多く、買い替えのたびに旧端末から新端末へのデータの移行が必要となります。
iPhoneから新しいiPhoneへのデータ移行には3通りの方法がありますが、移行方法それぞれにメリット・デメリットがあります。重視するポイントによって移行方法を選んでください。
iCloudを使ったデータ移行
iCloud(アイクラウド)は、Appleが提供するクラウドストレージサービスで、iCloudにiPhoneの様々なデータを保存しておくことが可能です。
「iCloudバックアップ」を「オン」にしておくことでiPhoneに蓄積したデータを随時バックアップしてくれます。
「このiPhoneをバックアップ」をONにしておくと、何も操作しなくても自動的にiPhoneデータをバックアップしてくれます。
また、「今すぐバックアップを作成」をタップすれば、その場ですぐにバックアップを作成してくれます(端末間のデータ移行の際はこの機能を利用します)。
バックアップしたデータを新しいiPhoneにデータを移行することが可能です。
機種変更以外でも、いつ発生するか分からない紛失や盗難、水没や故障などのトラブル時でも、最新のバックアップのデータを新しい端末に反映させることが可能です。
WiFi環境があれば、新旧のiPhoneを接続してデータを移行することができるので手軽で簡単な点がメリットです。ただしiCloudの無料容量は5GBまでなので、5GBを超えるデータのバックアップや移行には有料での容量追加が必要となる点はデメリットと言えます。
【iCloudを使ったデータ移行の手順】
1.移行先の新しいiPhoneを初期化しておく(新品は不要)
2.旧iPhoneのバックアップを実行する(最新データを移行するため)
3.「今すぐバックアップ」を実行する
4.初期設定の「Appとデータ」から[iCloudバックアップから復元]を実行する
5.持ち主のApple IDとパスワードを入力する
iTunesを使ったデータ移行
画像出典:iTunes
iTunesは、Appleの音楽・ビデオなどのパソコン向けメディアプレーヤーですが、iPhoneと接続することで、iPhoneのデータをバックアップして保存することが可能です。
バックアップは、iCloudよりも細密で完全なデータがバックアップされるのが特徴です。
画像出典:iTunes
iTunesでパソコンに完全なデータをバックアップしたり、そのバックアップを使用してiPhoneを復元することが可能です。
パソコンや有線ケーブルが必要な点で余り手軽なバックアップ×復元とは言えませんが、完全データのバックアップおよびiPhoneの復元には最適です。
【iTunesを使ったデータ移行の手順】
※旧端末のバックアップ
1.旧iPhoneをケーブルでPCと接続する
2.「このコンピューターを信頼しますか?」では≪信頼≫をタップ
3.iTunesの画面左上のiPhoneアイコンをクリック
4. [ローカルバックアップを暗号化]をクリックしパスワードを設定する
5. [今すぐバックアップ]をクリックする
※新iPhoneの復元
6.バックアップが完了後、ケーブルに接続しているiPhoneを新iPhoneに繋ぎ換える
7.[バックアップを復元]をクリック
8.(4)のパスワードを入力
クイックスタートを使ったデータ移行
画像出典:suport.apple.com
iOS12.4以降で使用可能な「クイックスタート」機能を使って、簡単にiPhoneデータを新端末に移行することができます。
クイックスタートを使うにはWi-Fi環境が必要になりますが、iCloud方式と違って無料で移行できるデータ量に制限はありませんし、iTunes方式のようにパソコンや有線ケーブルを必要とせず、手軽に簡単にデータ移行が可能です。
クイックスタート利用時の事前準備
クイックスタート機能を使用してデータ移行する際には、新旧端末双方に事前準備が必要です。
◆iOSバージョンを確認する
新旧両端末のiOSバージョンが「iOS12.4」以降であることが必要ですが、iPhone5s以降にはiOS12.4以降がインストールされています。iPhone5以前のiPhoneには「iOS12.4」を適用できないため、クイックスタート機能を利用したデータ移行はできません。
◆新iPhoneが初期化されている
クイックスタート機能を利用するためには、データ意向を受け入れるiPhoneが初期化されている必要があります。新品iPhoneは初期化状態です。
◆Bluetoothをオンにする
新旧両端末の「Bluetooth」をオンにします。新品のiPhoneはBluetoothはONの状態です。
クイックスタートを使ったデータ移行の手順
1.新iPhoneを、旧iPhoneの近くで電源を入れる
画像出典:Apple Japan
2.旧iPhoneに「クイックスタート」画面が現れたら「続ける」をタップ
画像出典:Apple Japan
3.新iPhoneに画像のようなアニメーションが表示されます。
画像出典:Apple Japan
4.アニメーションを旧端末の背面カメラでスキャンします。
画像出典:Apple Japan
5.新iPhoneに旧iPhoneのパスコードを入力します。
画像出典:Apple Japan
6.画面の案内に沿って「フェイスID(Face ID)」または「タッチID(Touch ID)」を設定します。
画像出典:Apple Japan
7.「iPhoneから転送」をタップして旧iPhoneからデータを新iPhoneに転送します。
データ転送中は以下の点に注意してください。
・新旧iPhoneを近くに置いておく
・電源に繋いだままにしておく
Android→Androidのデータ移行
Androidスマホは、iPhoneよりも買い替えサイクルが短めと言われており、特にエントリーモデルの場合にはその傾向が強いようです。
その分、データ移行の頻度も高くなりますが、Androidどうしのデータ移行は非常に簡単です。
Android→Androidのデータ移行を行う際の事前準備
Androidスマホどうしの間でのデータ移行を行う場合、事前に整えておくべき環境や事前準備が必要です。
(1)Googleアカウントにデータをバックアップする
(2)利用中のサービスのアカウント(ID)・パスワードを準備する
(3)新端末のOSバージョンの確認と必要な環境の準備
Googleアカウントに端末のデータをバックアップする
Androidスマホのバックアップ機能によって端末のデータをGoogleアカウントにバックアップしておきます。バックアップされるデータは以下の通りです。
①アプリデータ
②設定アプリの設定
③写真と動画
④連絡先
⑤通話履歴
⑥SMSMMSメッセージ
アプリや利用サービスのアカウント(ID)・パスワードを準備する
上記バックアップからデータ移行できないもの(LINEトーク履歴や電子マネー残高など)は、個別に移行させる必要がありますが、移行の際には多くの場合にID/パスワードの入力を求められます。
LINEアカウントや電子マネーID/パスなどを事前に確認しておく必要があります。ID/パスワードが分からない場合、履歴を復元できなかったり、電子マネー残高の移行に手間と時間を要する場合があります(消滅してしまうことはありません)。
新端末のOSバージョンの確認と必要な環境の準備
新端末のAndroid OSバージョンによって、ワイヤレスでの移行が可能な場合と、有線ケーブルでの移行が必要な場合があるので、新端末のOSバージョンを確認しておきましょう。
また、ワイヤレスでの移行が可能な場合にはWiFi環境、有線ケーブルでの移行の場合にはデータ移行用のケーブル(充電用とは異なります)が必要です。
Android→Androidのデータ移行の3つの方法
なお、Androidスマホどうしの間でのデータ移行には3つの選択肢があります。選択肢によって、移行できるデータの量や手間のかかり方が異なります。
(1)WiFi(ワイヤレス)で新旧端末を接続して移行する方法
(2)SDカードやパソコンなどにデータをバックアップする方法
(3)「データ移行アプリ」を使用する方法
WiFiで新旧端末を接続して移行する方法
Androidスマホどうしのデータ移行の選択肢のうち、もっともデータ量が多く(漏れがない)、なおかつもっとも手間がかからず簡単な方法としておすすめの移行方法です。
ただしワイヤレス接続によるデータ移行は、Android-OSバージョンが「12」以降の場合のみ利用可能で、Android 11以前の場合にはケーブル(有線)接続による移行となります。
Android 11以前であっても、Galaxy(Samsung)の場合には、メーカーがデータ移行アプリを提供しており、これを利用した場合はAndrodi-OSバージョンに関わらずワイヤレスでデータ移行が可能です→「Smart Switch Mobile」
SDカードやパソコンなどにデータをバックアップする方法
SDカードやパソコンなど、スマホ以外のアイテムや機器を使用するため選択肢の中でも最も手間のかかるデータ移行方法ですが、移行できるデータは漏れが少なく多くのデータを新端末に移行することができます。
「データ移行アプリ」を使用する方法
通信キャリアや端末メーカーが提供する「データ移行」の専用アプリを利用する方法で、移行できるデータにほとんど漏れがないのがメリットですが、通信キャリアやメーカー以外が発行・提供するアプリはデータ漏洩の危険性も伴うので発行元の確認が重要です。
以下の大手キャリアが提供する「データ移行アプリ」であれば安心して利用することが可能です。
▶NTTドコモ:ドコモデータコピー
▶au(KDDI):データお引っ越し
▶Softbank:かんたんデータコピー
iPhone→Androidのデータ移行
iPhoneからAndroidへのデータ移行は、異なるOSを跨いでのデータ移行となるため手間がかかって面倒な印象がありますが実はとても簡単です。iPhoneとAndroidスマホをケーブルまたはWiFiで接続するだけです。
(注意)
データ移行を実行する際には、iPhone/Androidスマホ双方が充分に充電されていることを確認します。
ケーブルで接続してデータ移行を行う
画像出典:android.com
(1)iPhone⇔Androidを接続できるケーブルを用意し直接接続します。
具体的には、Lightning⇔USB-C、USB-C⇔USB-Cなどです。
(2)移行するデータを選択する
移行先のAndroidスマホ画面の移行可能なデータ候補の中から、移行するデータを選択します。移行可能なデータは「連絡先・写真・メッセージ・WhatsApp」などです。
iPhone独自の機能に基づくデータの場合、移行できないものもあるので注意が必要です。
なお、これ以降のメッセージをAndroidで受け取るため、iPhoneの「iMessage」をOFFにします。
(3)データ移行を実行します。
WiFiに接続してデータ移行を行う
画像出典:android.com
iPhone→Androidスマホのデータ移行はケーブルなしのワイヤレスでも可能です。
(1)端末を同じWiFiに接続する
新しいAndroidスマホの電源を入れ画面の案内に従って操作し、ケーブルの有無の質問に「なし」と答えます。「Googleに移行」を使って、iPhone/Androidいずれも同じWiFiに接続します。
(2)データを移行する
これ以降はケーブル接続によるデータ移行と同じ手順となります。移行可能なデータの候補から移行するものを選びデータ移行を実行します。
Android→iPhoneのデータ移行
画像出典:support.apple.com
Android→iPhoneのデータ移行も専用アプリを使用して非常に簡単に実行可能です。事前にGoogle Play Storeから「iOSに移行」アプリをAndroid端末にインストールしておく必要があります。
また、データ移行を実行する前に確認事項があります。
① 新しいiPhoneと移行元のAndroidスマホの電源をONにしておく
② AndroidスマホのWi-Fiを有効にしておく
③ Androidは外付けSDカードを使用できるため、本体ストレージとSDカード両方のデータ量がiPhoneのストレージに収まるかを確認しておく(ある程度の余裕が必要)
④ Chromeブラウザのブックマークを移行する場合にはChromeを最新バージョンにアップデートしておく
iOSへ移行アプリを使ってデータ移行を行う
画像出典:support.apple.com
(1)新しいiPhoneの電源を入れてデータ移行元のAndroidスマホの近くに置く
(2)クイックスタートで「もう一方のデバイスなし」を選択する
(3)表示されるメニューから「Androidから(移行する)」を選択する
(4)Androidスマホの「iOSから移行」アプリを開いて手続きを進める
ⅰ「続ける」をタップ
ⅱ利用規約に「同意する」する
ⅲ「自動的に送信」をタップしてアプリデータをiPhoneと共有する
ⅳ「続ける」をタップし位置情報サービスへのアクセスを許可する
ⅴ「続ける」をタップし通知の配信を許可する
(5)iPhoneの「Androidから移行」画面で「続ける」をタップ
(6)iPhoneにコードが表示されたら、それをAndroidスマホの画面に入力する
(7)iPhoneが作成する一時的なWiFiネットワークにAndroidスマホを接続する
(8)転送するデータを選んで転送を実行する
※iPhoneに表示される読み込み状況を示すバーが最後まで進むまでそのまま待機する。
※連絡先・メッセージの履歴・写真やビデオ・フォトアルバム・ファイルやフォルダ・アクセシビリティ設定・ディスプレイ設定・Webのブックマーク・メールアカウント・WhatsAppメッセージとメディア・カレンダーなどが転送されます。
※サードパーティのアプリでも、Google PlayとApp Storeの両方で提供されているアプリであれば転送されます。
(9)電話番号・SIM(eSIM)を転送する
※Androidスマホからデータ移行する際に、iPhoneで電話番号とSIM(eSIM)をアクティベートできます。
(10)iPhoneを設定する
※読み込み状況のバーが最後まで進んだら、Androidスマホで「完了」をタップし、iPhoneの方で「続ける」をタップして画面の案内に従ってiPhoneを設定します。
(11)完了
機種変更時のスマホのデータ移行まとめ
今回はスマホの機種変更時のデータ移行方法を取り上げました。
数年前までは、データ移行の手間がかかり面倒だから機種変更したくないと考えるユーザーも少なくなく、機種変更の一つのハードルとなっていました。
しかし近年では、iPhoneどうし、Androidどうしはもちろん、iPhone→Android、Android→iPhoneといったOSの異なるスマホ間であってもデータ移行は非常に容易になりました。
データ移行専用アプリの画面の案内に従って進めるだけで、個別移行が必要な一部のサービスやアプリを除いて、ほとんどのデータを簡単に移行できるようになっています。
データ移行が面倒くさいから…と思わず、積極的に新しい端末への買い替えを検討してみてください。
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