
LPWAとは?注目される理由やメリット・デメリット、活用方法をご紹介
2025.05.09
LPWAとは通信技術の1つで、省電力で長距離通信できる点が特徴です。IoT機器をビジネス活用する場合にLPWAが役立ちます。LPWAのメリット・デメリットや種類、ビジネス活用の方法などを紹介しますので、ぜひ記事をお読みください。
「IoT機器をビジネスに活用したいけれど、通信コストや管理の手間を懸念している」
「効率的に複数のIoT機器からデータを収集する方法はないだろうか?」
このような悩みをお持ちの企業担当者の方もいるのではないでしょうか。近年はLPWA(Low Power Wide Area)という、省電力で広範囲のデータ通信を行える技術が注目されています。
そこで本記事では、LPWAの概要や導入するメリット・デメリット、活用事例などを紹介します。記事を読めば、LPWAの詳細やビジネスに活用するイメージが湧くはずです。ぜひ最後までお読みください。
なおIoT機器のビジネス活用を検討しているのであれば、HISモバイルの法人向けIoTサービス(https://his-mobile.com/business/iot )もあわせてご検討ください。お客様のIoT機器の導入〜運用を、お手頃価格でサポートいたします。
Contents
LPWAとは?

LPWA(Low Power Wide Area-network)とは、省電力で広範囲の通信を実現できる通信技術のことです。IoT機器にもLPWAの技術が役立っています。どういうことか、特徴の紹介とあわせて解説します。
LPWAの特徴
LPWAには以下の特徴があります。
- 省電力
- 長距離通信
- 複数端末接続
LPWAは通信に必要な消費電力が少ないため、バッテリー駆動型でも長時間稼働できます。これにより、通信にかかる電気代の節約にも役立ちます。また遠い場所にある端末にも通信電波が届くため、広範囲に点在するIoT機器との接続・連携を実現しやすいです。
もちろん複数台のIoT機器との接続も同時に行えるため、多数のIoTセンサーを同時に運用・制御する、といった使い方も実現しやすくなります。
LPWAが注目される背景
LPWAが注目を集めている背景には、以下のようなIoTへのニーズ増加が挙げられます。
- 多くの業界でIoTの活用が進んできている
- 広範囲をカバーできる通信技術への必要性が高まっている
- 少ないコストで複数のIoT端末を運用するニーズが高まっている
IoT機器は、IT業界に限らず製造業や防災、インフラなど幅広い業界で活躍している技術です。たとえば大規模な工場でIoTを活用する場合、IoT端末ごとに通信機能を持たせるのは、通信コストの増加や消費電力の増加といった問題があるため、現実的ではありません。
そこでLPWAを活用すれば、低コストで複数台かつ広範囲に点在するIoT機器を、低コストで接続できます。このようなニーズに対応するため、LPWAが注目されているのです。
LPWAのメリット

LPWAを導入すれば、企業は下記のようなメリットを享受できます。
- 電源を確保しにくい環境でもIoTを活用しやすくなる
- 広いエリアに点在するIoT機器を活用しやすくなる
- 通信・管理にかかるコストを削減できる
LPWAは省電力で稼働するため、外部電源がない環境でも長時間稼働できます。製品によっては、市販の乾電池1個だけでも数年間稼働したり、太陽光発電だけで稼働したりするほど省電力です。
数キロ〜数十キロまで通信できるため、広大なエリアに点在するIoT機器を活用しやすくなるのも魅力です。またIoT端末ごとに通信回線を契約する必要もないため、通信費や通信プランの管理コストの低減にも貢献します。
LPWAのデメリット

LPWAはメリットもある一方で、下記のようなデメリットも存在します。
- 通信速度が遅い
- 通信容量に制限がある
LPWAは長距離通信・省電力であることを優先しているため、スマホや光回線のような高速通信は行えません。
通信速度はLPWAの種類(規格)によっても左右されますが、遅い規格だと最大数kbps〜速いサービスでも最大1Mbpsです。一方でスマホ回線の場合は最大で数百Mbps、光回線だと1Gbpsを超える速度で通信できる場合もあります。
またLPWAは、サービスによっては通信容量に制限があります。そのため大量のデータ通信を必要とするIoT機器の場合、LPWAは不向きです。
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プランについて詳しく見るLPWAの種類

LPWAは使用する周波数帯域ごとに「セルラー系」と「非セルラー系」の2種類に分けられます。どのような違いがあるのか見ていきましょう。
セルラー系
携帯電話の通信網(LTE基地局)を活用して通信を行うのが「セルラー系」と呼ばれるLPWAの規格です。
既存の通信インフラを利用するため、比較的幅広いエリアをカバーできます。ただしセルラー系のLPWAを利用するには、総務省が発行する無線局免許が必要です。
セルラー系には、下記のような通信規格があります。
- 通信速度が比較的速い「LTE-M」
- 消費電力が比較的少ない「NB-IoT」
非セルラー系
携帯電話の通信網とは独立したネットワークを利用するものを「非セルラー系」と呼びます。免許不要で利用でき、山間部や離島でも通信しやすい点が魅力です。
非セルラー系には下記のような通信規格があります。
- 屋外での使用に長けている「LoRaWAN」
- 国際ローミングに対応している「Sigfox」
LPWAやIoTの主なビジネス活用方法

ここからはLPWAやIoTのビジネス活用事例についてご紹介します。自社でどのように活用できるのか分からず悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
工場での活用
工場でIoTを活用する場合、たとえば各種センサーと組み合わせて、工場の稼働状況をリアルタイムで監視するための通信に使われている場合があります。
たとえばIoTセンサーが温度や振動などを検知し、そのデータをクラウドで処理し、異常なデータの場合は警告を行う、といった活用が可能です。これにより、異常の発生を早期に発見しやすくなり、迅速なトラブル対応を行いやすくなります。
大規模工場にてLPWAを活用することで、工場全体にIoT端末を設置・活用しやすくなるでしょう。
【関連記事:異常検知におけるIoTの役割と効果的な活用事例】
【関連記事:製造業のIoT導入で生産性向上!成功事例とメリットを解説】
防災分野での活用
LPWAやIoTは、防災分野でも活用されています。
たとえば河川の水位センサーをIoT化することで、遠隔で現地の状況をリアルタイムに監視できます。異常な推移になれば警告が発せられるため、早期の避難誘導を実現しやすくなるはずです。
またLPWAを活用すれば、広範囲に点在するIoT端末をまとめてインターネットにつなげることが可能です。これにより、通信コストを削減しつつ各地点にある端末のデータを効率的に収集できます。
インフラ分野での活用
電力やガス、水道に利用されるスマートメーターの通信手段としてもLPWAは利用されています。たとえばガスの検針作業をスマートメーターに置き換えることで、訪問検針が不要になり、遠隔地にいながら自動でデータを収集できます。
住宅が密集しているエリアなら、LPWAを活用することで通信費を低減しつつ多くの家庭のデータを効率的に収集可能です。
IoTを活用した業務効率化を検討している方はHISモバイルまでご相談ください

「LPWAの導入は難しそう」
「まずは少しだけIoT機器をビジネス活用してみたい」
「LPWAを利用するほどIoT機器が多くない」
このようにお悩みの方は、LPWAの利用に固執せず、IoT機器ごとにモバイル通信を利用して、データの送受信を行うことをおすすめします。ただしIoT端末ごとに通信回線を契約するため、どうしても通信費が高くなりがちです。
そこでおすすめなのが、IoT向けに安価なデータ通信プランを提供している「HISモバイル(https://his-mobile.com/business/iot )」です。月額料金を抑えつつデータ通信を利用できるため、コストを抑えながらIoT端末ごとに通信を行えます。
【関連記事:IoT向けのSIMはどこがいい?選び方やおすすめサービスを紹介】
【関連記事:IoTセンサーとは?基本から活用事例まで徹底解説】
続いて、HISモバイルが提供している、IoT機器向けの通信プラン(https://his-mobile.com/business/iot )をご紹介します。
IoT基本プラン
まずは「IoT基本プラン」についてご紹介します。IoT基本プランには、下記4つのプランがあります。
- 定額プラン(ドコモ回線)
- 定額プラン(au・ソフトバンク回線)
- シェアプラン
- 従量プラン
全プラン共通ですが、事務手数料は初月のみ3,000円発生します。また記載している金額はすべて税抜表示です。
【定額プラン(ドコモ回線)】
<IoTデータプラン>
- 1GB:364円
- 3GB:528円
- 7GB:800円
- 10GB:1,000円
- 20GB:1,682円
- 30GB:2,473円
<上り特化大容量プラン>
- 50GB:2,200円
<低容量プラン>
- 30MB:別途資料を請求のうえご確認ください
【定額プラン(au・ソフトバンク回線)】
<IoTデータプラン>
- 1GB:364円
- 3GB:528円
- 7GB:800円
- 10GB:1,000円
- 20GB:2,000円
- 30GB:3,000円
【シェアプラン】
複数回線のデータ容量を分け合うことで、データ容量を有効活用できるプランです。たとえば月15GBプランを契約して3枚のSIMを共有している場合、1枚目は月1GB、2枚目は月10GB、3枚目は月4GB、といった使い方ができます。
ただし、たとえば「3枚ともそれぞれ月1GBずつ(合計3GB)しか使わない」といった場合や、月15GBプランより低容量プランがない場合は割高になる場合もあるためご注意ください。
利用料金は「別途お見積り」となるため、お気軽にお問い合わせ(https://his-mobile.com/business/business_contact_iot )ください。
【従量プラン】
使用したデータ量だけ費用を請求されるプランです。下記6段階の上限設定ができるため、使いすぎを防止しやすいです。
- 100MBまで:180円
- 2GBまで:700円
- 5GBまで:1,200円
- 10GBまで:2,100円
- 15GBまで:3,000円
- 30GBまで:5,250円
グローバルアレンジプラン
グローバルアレンジプランは、利用する国にあわせてアレンジできる通信プランです。利用するキャリアは現地にあわせて選択できます。また利用する国も選択可能です。
低容量特化型であれば、日本のほかに海外で利用した場合も、追加のローミング不要は不要です。詳しくはこちら(https://his-mobile.com/business/iot/global )をご確認ください。
プリペイドSIMプラン
プリペイドSIMプランは、データ容量や使用期間があらかじめ決まっている、使い切り型のSIMプランとなります。農業など、特定の季節のみIoT端末を稼働させたい場合に利用していただくことが多いプランです。
プリペイドSIMプランの料金は別途お見積りとなるため、こちらからお問い合わせ(https://his-mobile.com/business/business_contact_iot )ください。
本記事以外のデータ容量のプランはこちらの資料でご確認ください
プランについて詳しく見るHISモバイルのIoT通信プランの導入事例

最後に、HISモバイルのIoT通信プランを導入していただいた企業様の事例を一部ご紹介します。
HISモバイルのIoT通信プランをどのようにビジネス活用できるのかイメージするうえで、参考にしていただけると幸いです。
太陽光発電のデータ収集に活用した事例
産業用太陽光発電の発電量モニタリングや装置の遠隔監視を行うために、HISモバイルのIoT通信プランをご契約いただきました。
- 月2GB以内の通信量を賄えるプランとしては、HISモバイルの費用対効果が高かった
- 1件ずつ追加で必要になった場合、都度対応していただけること
上記の点が評価された結果、HISモバイルのIoT通信プランを契約していただきました。
【関連記事:株式会社グッド・エナジー様 | 産業用太陽光発電 発電量モニタリング遠隔監視装置 】
防犯カメラによる遠隔監視に活用した事例
「インターネット環境がない場所でも、SIMカード内蔵のカメラを活用して、遠隔地のライブ映像を監視したい」といった需要から、HISモバイルのIoT通信プランをご契約いただいた事例です。
1ヵ月あたりの通信量が一定でないため、「データ使用量に応じて料金が変わる、HISモバイルの従量課金プランが適している」といった理由からご契約いただきました。
【関連記事:株式会社KCセキュリティ様 |「SIM内蔵カメラ」で、どこでも遠隔監視】
自治体のキャッシュレス決済端末に活用した事例
広島県の府中町が導入しているキャッシュレス決済端末「Airレジ」の通信回線としてHISモバイルが選ばれました。府中町は町公式アプリ「ふちゅうポータル」を配信するなど、自治体のDXを推進しています。
【関連記事:府中町様|自治体窓口でのキャッシュレス決済端末(Airレジ)に利用】
LPWAを活用して生産性を向上させよう

本記事ではLPWAについて、概要や導入するメリット・デメリットなどをご紹介しました。
LPWAは工場の効率化をはじめとしたビジネス活用はもちろん、防災分野にも活用されている技術です。広範囲で複数のIoT端末が点在するなら、LPWAの活用がおすすめです。コストを抑えて複数端末を同時接続して通信できるため、効率的に運用できます。
ただし通信速度が遅いこと、通信容量が比較的少ないことがLPWAの弱点です。必要に応じて、特定のIoT端末は単体で通信できるようにするなど、工夫しましょう。
端末単体でのインターネット通信やIoTのビジネス活用を考えている方は、この機会にHISモバイルへ相談してみませんか?IoT端末向けの通信プランを、お手頃価格で提供しています。詳しくはこちら(https://his-mobile.com/business/iot )をご確認ください。
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