世界第2位のOPPOのスマホは日本で使い勝手のよい日本専用仕様
2022.08.05
今回のテーマはスマホメーカーOPPOです。
OPPO(オッポ)は、「OnePlus」等の系列ブランドを合わせたスマートフォンの出荷台数において、2021年5月の時点でAppleを抜いて世界第2位となり、全体の約16%のシェアを獲得しているグローバルスマホメーカーです。
日本国内でも指原莉乃さんと木梨憲武さん出演のTVCMで広く認知されるようになり、最近になってOPPOの名前を耳にする機会が増え、実際に端末を使っている人を多く見かけるようになっています。
今回は、OPPOの概要や、OPPO製のスマートフォンの特徴や人気の理由などを深堀してみようと思います。
OPPOはどんなスマホメーカーなの?
OPPOは、中国広東省東莞市に本社と生産拠点を置く中国屈指のスマホメーカーで、東南アジア・欧州・米国・日本などでスマートフォン端末を販売しています。
日本では日本仕様のスマートフォンを販売
多くの海外ブランドのスマーフォンは、グローバル仕様の端末を日本に持ち込み、大手キャリアの通信帯域に合わせて(つまり日本の通信会社の周波数で使えるようにして)販売しています。
このため、日本のユーザーが好む機能については対応していないケースが多く、海外ブランドのスマホが日本国内で今一つ人気を得られない理由の1つとなっています。
これに対してOPPOは日本へのローカライズに積極的で、初めて日本へ進出した2018年の後半には、早くも「おサイフケータイ」機能を搭載したモデルを発売しています。
現行モデルでも「おサイフケータイ」の他にも、日本では要望の多い「防水機能」や「大容量バッテリー」などに対応したモデルをラインナップしています。
CMにおいてもローカライズをアピール
OPPOが日本進出を果たした翌年には、ハイコスパモデル「Reno A」を発売し、CMキャラクターに国民的アイドルとも言える指原莉乃さんを起用、OPPOというスマホメーカーに親しみを感じさせることに成功しています。
他の海外ブランドのスマホメーカーではイメージCMを制作することが多いですが、OPPOは老若男女に人気の高い日本人タレントを起用することで、企業認知を広げました。
「Reno A」の後継機「Reno3 A」でも指原莉乃さんを続投させ、さらに木梨憲武さんも加えて、より日本のお茶の間への浸透を図っています。
ちなみに、「Reno A」「Reno3 A」のCMに指原莉乃さんが起用されたのは名前が「リノ」だからと言うことは誰でも想像できますが、ではなぜ木梨憲武さんなのかについてはあまり語られませんが、筆者はおそらく「のりさん」の反対が「りの」だからではないかと想像しています。
Renoシリーズは完全日本オリジナル開発モデル
2019年10月に発売された「Reno A」は、日本向けにまったく新たに開発されたモデルで、これまでの海外ブランドのスマートフォンでは採用されにくかった「防水」「おサイフケータイ」といった日本のユーザー向けの機能を搭載していました。
前述の通り、CMキャラクターに指原莉乃さんを起用することで、それまで日本国内で無名に近かったOPPOを人気ブランドに押し上げることに成功し、日本進出から2年目にして国内シェア2位に躍進しました。
2020年発売のReno A後継モデルである「Reno3 A」では、おサイフケータイ、防水・防塵性能を継承しつつ、さらに品質をアップさせ、6.44インチの有機ELディスプレイ、4800万画素の高精細撮影が可能な4眼カメラ、急速充電等を装備しました。
Reno3 AのCMでは指原莉乃さんのほか、木梨憲武さんを起用するなどさらに日本での浸透を意識した体制となっています。
さらに、2021年にはシリーズ最新モデル「Reno5 A」を投入しています。
OPPO製スマートフォンの特徴
OPPOが日本で一躍人気ブランドとなり、OPPO製スマートフォンがシェア上位を占めるようになったのには、日本仕様に積極的だったこと、日本人をCMに起用したこともありますが、それだけではないはずです。
OPPO製スマートフォンが日本でシェアを伸ばしている理由を探ります。
人気のRenoシリーズを比較
以下は、Renoシリーズの比較表です。
モデル | Reno A | Reno3 A | Reno5 A |
発売日 | 2019/10 | 2020/06 | 2021/06 |
CPU | Snapdragon 710 | Snapdragon 665 | Snapdragon 765G |
OS | Android 9 | Android 10 | Android 11 |
UI(※1) | ColorOS 6 | ColorOS 7.1 | ColorOS 11 |
RAM | 6GB | 6GB | 6GB |
ストレージ | 64GB | 128GB | 128GB |
ディスプレイ | 6.4インチ 有機EL |
6.44インチ 有機EL |
6.5インチ 液晶 |
解像度 | 2,340×1,080 | 2,400×1,080 | 2,400×1,080 |
メインカメラ | 2眼 16MP+2MP |
4眼 48MP+8MP +2MP+2MP |
4眼 64MP+8MP +2MP+2MP |
インカメラ | 25MP | 16MP | 16MP |
急速充電 | × | ○ | ○ |
ワイヤレス充電 | × | × | × |
充電コネクタ | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
SIMスロット | nanoSIM×2 | nanoSIM×2 | nanoSIM×2 |
eSIM | × | × | ○ |
5G通信 | × | ×(※2) | ○ |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 | 5.1 |
防水・防塵 | IPX7・IP6X | IPX8・IP6X | IPX8・IP6X |
認証 | 顔・指紋 | 顔・指紋 | 顔・指紋 |
おサイフケータイ | ○ | ○ | ○ |
ワンセグ | × | × | × |
外部メディア | 256GB | 256GB | 1TB |
バッテリー | 3,600mAh | 4,025mAh | 4,000mAh |
外形寸法(mm) | 158.4×75.4×7.8 | 160.9×74.1×8.2 | 162.0×74.6×8.2 |
重量(g) | 169.5 | 175.0 | 182.0 |
初代Reno Aでも3万円台とは思えない高機能ぶりで、特にCPUにSnapdragonの700番台を採用するなどかなり凝っている部分が見受けられます。
日本仕様の代表格ともいうべき、「おサイフケータイ」「防水・防塵」機能に加え、デュアルSIM対応、顔・指紋認証など3万円台の普及機としては充実した機能を備えたモデルでした。
2代目となる「Reno3 A」も価格は3万円クラスで、「おサイフケータイ」「防水・防塵」「デュアルSIM」「顔・指紋認証」などは引き継ぐ一方、CPU(Snapdragon)やインカメラをダウングレードさせたり、ワイヤレス充電を採用しないなど、コスト削減も行っています。
現時点(2022/01)で新端末としてReno3 Aを購入しても、おそらく日常では何ら差しさわりなく利用できる性能・機能を備えています。
3代目の「Reno5 A」でも同様の傾向ですが、「5G通信」「eSIM」に対応、外部メモリーが1TBに拡大するなど、新しい世代のスマートフォンとしての機能を備えました。
その一方でディスプレイが有機ELから液晶パネルにダウングレードされている点は残念なところですが、価格上昇を抑えるための措置かもしれません。
「Reno5 A」の価格は若干の上昇は見られるものの、MVNOなどでの購入では未だ3万円台と普及機としてのポジションを維持しており、多くの大手キャリア、格安SIMサービスで採用されています。
※1:「ColorOS」とは、AndroidをベースにOPPOが独自に開発したOSです。
※2:「Reno 3A」には、5G通信に対応した「Reno3 A 5G」というモデルが存在します。
Renoシリーズの特徴
これらを見ても分かるように、OPPOのスマートフォンは非常にコストパフォーマンスに優れ、小さな支出で大きな性能・機能を得られる端末として人気を得ていることが分かります。
OPPOの主力スマートフォン「Reno」シリーズは以下のような特徴を持っています。
● 価格を上回る性能・機能を持っている
● 特にカメラ性能に特化している
● おサイフケータイ、防水・防塵など日本へのローカライズに積極的
● デュアルSIM、eSIMなど新機能にも対応
● 大手キャリアやMVNO、ネット通販、家電量販店など様々なチャンネルで購入可能
OPPOのフラッグシップモデル「Find X」とは
「Find X」の特徴を一言でいうと、最高性能・最高機能をOPPOの特徴である低価格で実現したモデルです。
Find X・FIND X2 Pro・FIND X3 Pro比較
モデル | Find X | Find X2 Pro | Find X3 Pro |
発売日 | 2018/11 | 2020/07 | 2021/06 |
CPU | Snapdragon 845 | Snapdragon 865 | Snapdragon 888 |
OS | Android 8.1 | Android 10 | Android 11 |
UI(※1) | ColorOS 5.1 | ColorOS 7.1 | ColorOS 11 |
RAM | 8GB | 12GB | 12GB |
ストレージ | 256GB | 256GB/512GB | 256GB |
ディスプレイ | 6.4インチ 有機EL |
6.7インチ 有機EL |
6.7インチ 有機EL |
解像度 | 2,340×1,080 | 3,168×1,440 | 3,216×1,440 |
メインカメラ | 2眼 20MP+16MP |
3眼 48MP+48MP +13MP |
4眼 50MP+50MP +13MP+3MP |
インカメラ | 25MP | 32MP | 32MP |
急速充電 | × | SuperVOOC | SuperVOOC |
ワイヤレス充電/td> | × | × | ○ |
充電コネクタ | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
SIMスロット | nanoSIM×2 | nanoSIM×1 | nanoSIM×2 |
eSIM | × | × | ○ |
5G通信 | × | ○ | ○ |
Bluetooth | 5.0 | 5.1 | 5.2 |
防水・防塵 | IPX7・IP6X | IPX8・IP6X | IPX8・IP6X |
認証 | 顔・指紋 | 顔・指紋 | 顔・指紋 |
おサイフケータイ | × | × | × |
バッテリー | 3,400mAh | 4,260mAh | 4,500mAh |
外形寸法(mm) | 156.7×74.2×9.6 | 165.2×74.4×8.8 | 163.6×74.0×8.26 |
重量(g) | 186.0 | 217.0 | 193.0 |
上記は歴代のFind Xシリーズモデルのスペック一覧ですが、CPUや、RAMを見れば、このシリーズが桁外れに高性能であることが分かります。
2022年1月現在、Snapdragonのハイエンドは「895」ですが、「Find X3 Pro」に搭載されているCPU:Snapdragon 888は発売当時の最高性能CPUであり、その性能はApple A14 Bionicに相当します。
一般的なAndroidスマートフォンのRAMが4~6GBであることを考えれば、12GBという数値がいかに桁外れかが分かります。
また、急速充電SuperVOOC搭載し、わずか10分で40%の充電が可能な急速充電に対応しています。
ただし、Find Xシリーズはグローバルモデルのため、日本の独自仕様である「おサイフケータイ」には対応していません。
OPPO Aシリーズ
OPPO Aシリーズは、OPPOのスマートフォンの中でもベーシックなエントリークラスを担うモデルです。
突出した高性能や高機能を持っているわけではありませんが、基本を押さえた堅実な作りで日常の利用であれば過不足なく使いこなせるモデルです。
ベーシックなエントリーモデルといえども要所は押さえており、顔認証、デュアルSIM(nano+eSIM)、5G通信など現在のスマホに求められる性能・機能にもきちんと対応しています。
多くの格安通信会社で採用されており、キャンペーン対象となることも多いため、割安に購入できるAndroidスマホとして人気を得ています。
OPPOスマートフォンまとめ
2017年に日本法人「OPPOジャパン」を設立(現在は社名変更で「オウガ・ジャパン㈱」)し、翌2018年に日本での最初のスマートフォンをリリースしてわずか2年で日本国内でのシェア第2位を獲得し、現在も数多くの通信会社で採用されているOPPO。
その特色は、ともすればガラパゴスと揶揄されがちな日本仕様へのローカライズと、割安な端末価格と、価格以上の性能・機能を有した高コスパの端末ラインナップです。
もう何年もiPhoneをメイン端末に使用している筆者ですが、実はサブ機にはOPPOを選んでおり、必要十分なスマホとして重宝しています。
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