スマホ寿命と買い替え時期はいつ?バッテリーの寿命を延ばす充電方法

今回のテーマはスマホの寿命や買い替え時期の見極めについてです。
スマホは現代人にとってなくてはならないものですが、どんなにお気に入りのスマホでもいずれ買い替えなければならない時が来ます。
では、スマホがどのような状態になったら買い替えるべきなのでしょうか。
今回は、状況によって4種類の買い替えタイミングをご紹介しつつ、買い替え時期の見極めについて解説します。

スマホを買い替える4つの理由

ひとくちに「スマホを買い替える」といっても理由は様々ですが、以下の5つの理由に大別することができます。

(1)バッテリー劣化によるスマホの寿命
(2)故障・破損などによる使用不能
(3)水没(液体侵入)による故障・使用不能
(4)サポート終了~OSアップデート対象から外れる
(5)能力不足~性能が利用シーンに追いつかない

なお、以下の文章は概ねiPhoneを想定していますが、同じリチウムイオン電池を搭載する「huawei」「arrows(富士通)」「zenfone(ASUS)」などAndroid端末に置き換えても、スマホの寿命や買い替えタイミングなどについて知ることができます。

バッテリー劣化によるスマホの寿命

スマホの買い替え理由の1つ目は、搭載バッテリーの寿命です。

スマホのバッテリーは日々の充放電によって消耗し、最終的にはスマホが求める電力を供給できない状態まで劣化が進んだ状態、つまり『バッテリーの寿命』に至り、それによってスマホが正常に使用できなくなった状態を『スマホの寿命』といいます。

つまり、『スマホの寿命』とは、故障や破損、水没などのアクシデントに起因せず、通常通りに使用した結果、バッテリーの充電容量が徐々に減少しスマホが正常に動作するための電力を得られなくなることを指します。

例えば、AppleはiPhoneのバッテリーについて「充電サイクル500回で当初容量の80%の充電量となる」と見込んでいます。

当初の80%程度まで充電容量が減少=劣化が進むと、瞬間的にiPhoneが必要とする電力を賄えなくなり、本体のシャットダウンが増えるとしていますが、予期せぬシャットダウンにより正常な動作が維持できない以上、これをiPhoneの寿命と考えてよいでしょう。

iPhoneやAndroidのほとんどのスマホが採用しているリチウムイオン電池は、充放電を繰り返すことで充電容量が減少してゆく特性をもっており、最終的には、スマホが求める電力を供給できなくなることで寿命に至ります。

寿命に至ったバッテリーを交換することで、スマホ自体は当初の電力供給を受けられるようになり正常に動作できますが、端末価格が割安なAndroidのエントリーモデルなどでは本体を買い替えてしまったほうがコスト的に割安なケースもあります。

Androidのミドルレンジやハイエンドの機種やiPhoneは、端末価格が高額のため、バッテリー交換を行ったほうが割安に済むケースが少なくありません。

故障・破損などによる使用不能

スマホは、何らかの理由で故障したり破損・汚損する場合があり、症状がひどい場合にはスマホの買い替えが必要になるケースもあります。

故障や破損の最も多い理由は「落下」です。

デスクやポケットからスマホが落ちて強い衝撃が加わることにより、ディスプレイが破損したり、接触不良や動作不良を起こす場合があります。

故障や不具合は、端末購入先(通信キャリアや店舗、メーカーなど)での修理・メンテナンスで解消する場合もありますが、修復不可能な場合や、修理費用がかさむ場合には端末の買い替えを検討せざるを得ない場合があります。

水没(液体侵入)による故障・使用不能

いわゆる「水没」「水濡れ」と言われるもので、スマホ本体内に水をはじめとする液体が侵入し、スマホ内部で電流がショートしたり、時間が経過して基盤が腐食するなどで故障・不具合が起こる場合があります。

液体侵入の場合は、事後処理がうまくゆき幸運であればその後も何事もなかったように正常に使用できるケースもありますが、侵入した液体によって徐々に腐食が進み、かなり時間が経過してから不具合が生じるケースが多々あります。

基盤をはじめ、スマホ本体内部が腐食してしまうと、後から回復・復旧させることは難しく、スマホの買い替えを余儀なくされるケースも少なくありません。

【参考】液体侵入した際の応急的な対処法
(1)液体侵入時のNG行為
・スマホを振る
侵入した液体を充電口やSIMスロットから出そうと強く振るのはNGです。
まだ侵入していないエリアにまで液体を広げてしまう可能性があります。

・スマホを熱する
侵入した液体を蒸発させようとスマホを熱するのはNGです。
熱しても蒸発しませんし、蒸発するほどの熱はスマホ自体を壊します。
ましてスマホを電子レンジにかけるなど危険行為です。

(2)応急的対応
・電源を切る
侵入した液体によってショートしないよう、できるだけ早く電源を切りましょう。

・ 風通しの良い場所にぶら下げておく
直射日光が当たらない風通しの良い場所にぶら下げておくと、それ以上事態の悪化を防げる場合があります。

・乾燥剤と一緒に密閉容器に入れておく
シリカゲルなどの乾燥剤(有効性のあるもの)と一緒に密閉容器に入れておくことで、内部の液体が少量であれば乾燥させられる場合があります。

・専門家によるチェック、メンテナンスを受ける
液体侵入の場合には、その場は問題なくても時間経過とともに不具合が生じる場合が多いので、電源を切ったまま販売店やメーカー、街の修理店などで専門家によるチェックを受け、必要であれば適切なメンテナンスを受けるようにしましょう。

サポート終了~OSアップデート対象から外れる

OSのアップデート対象から外れた際も、スマホの買い替えタイミングとなります。

OS=オペレーティングシステムは、iPhoneやiPad向けのApple iOS、Androidスマホ向けのGoogle Androidが代表的なもので、スマホは発売時期によって様々なOSバージョンを採用しています。

スマホに常に最新のOSバージョンにアップデートすることで、最新のソフトウエアやセキュリティ対策が反映される仕組みになっています。

Androidスマホの場合には、買い替えタイミングが早いため、Android-OSのアップデートは短期間で終了してしまうことが多いですが、iPhoneでは旧型機にも4〜5年の長期間にわたって最新OSを提供し、常に最新の機能やセキュリティ対策を利用することができます。

iPhoneとAndroidスマホでは期間が異なりますが、端末が最新のセキュリティ対策にアップデートできなくなるタイミングでスマホを買い替えるケースも少なくありません。

能力不足~性能が利用シーンに追いつかない

昨今のコンテンツの進化・発展には目を見張るものがありますが、発売から数年経過している旧型機では最新コンテンツを利用できなかったり、アプリに対応していないといった状況が生じます。

高精細な動画を見られなかったり、オンラインゲームをスムーズにプレイできないなど、スマホ端末の性能がコンテンツに及ばないケースもスマホ買い替えのタイミングです。

【急激な能力低下はウイルスを疑ってみる】
同じコンテンツやアプリを使用しているのに、急に動作が緩慢になった、スムーズに動作しなくなった…という場合には、ウイルス感染を疑ってみましょう。

各社ウイルス対策ソフトをインストールして不正なプログラムが勝手にインストールされていないかを確認することをおすすめします。

充電容量の減少を最小限にしてバッテリー寿命を延ばす方法

故障や不具合、破損・汚損によらず、バッテリーの容量減少によるバッテリーの寿命は、充電方法や日頃の管理方法で消耗を減らし寿命を延ばすことが可能です。

事例などはiPhoneを取り上げていますが、リチウムイオン電池の特性に違いはないため、バッテリー寿命を延ばす方法はHuawei/arrows/ZENFONE/Xiaomi/OPPOなどのAndroid端末でも同じです。

継ぎ足し充電のすすめ

『スマホはバッテリーをすべて使い切ってから充電する。まだバッテリー残量があるうちに継ぎ足し充電するとメモリー効果によって充電できる容量が減ってしまう』
というスマホバッテリーの充電方法を聞いたことはありませんか?

実はこれ、とても古いスマホや携帯電話のバッテリーの話で、現在は、この充電方法は逆に『すべきではない充電方法』です。

上記は、リチウムイオン電池が登場する前の充電池として使われていた「ニカド(ニッケルカドミウム)電池」に対して有効な充電方法でした。

容量を使い切らず残量が残った状態で充電をすることを「継ぎ足し充電」といいますが、ニカド電池にこれを行うとメモリー効果によって使用できる電気量が減ってしまう減少が起こります。

継ぎ足し充電をすると、充電を開始した容量付近で『電力の低下』が起こるため、機器によっては正常な動作が出来なかったり、電池残量なしと見なされてしまうなどの不都合が起こります。

この継ぎ足し充電を開始した容量を覚えてしまうことを「メモリー効果」といい、古いタイプの携帯電話やスマホでは、継ぎ足し充電をしないことが推奨されました。

しかし現在主流のリチウムイオン電池はメモリー効果の影響をほとんど受けない上、容量を全て使い切ってしまうことによって受けるダメージの方が大きいため、昨今では「継ぎ足し充電こそ推奨される充電方法」とされています。

リチウムイオン電池を採用しているスマホは、残量が20~30%前後になったらできるだけ早めに充電することがバッテリーの劣化を最小限にして寿命を延ばす方法です。

充電サイクルとは


『充電500回でスマホバッテリーは寿命』
なんて話を聞いたことはありませんか?

これはAppleがバッテリーが正常な電力供給を行える目安を示した際に誤解されたもので、前述したように正しくは「充電サイクル500回でバッテリー容量が当初の80%に低下(劣化)する」という意味です。

図のように、今日75%、翌日25%を使って放電量の合計が100%となった次点で充電サイクル=1サイクルとなります。

充電器に置いた回数や充電コードを繋いだ回数ではありません。

言い換えると、充電サイクル500回とは充電量100%を500回使用した、つまり50,000%の充電容量を消費したことになります。

フル充電とフル放電・充電深度


リチウムイオン電池は、『フル放電』『フル充電』を嫌います。

前述の通り、バッテリー容量が減ってきたら完全に使い切る前にできるだけ早めに充電を行うことで「フル放電」によるダメージを回避できます。

充電においては、充電量80%はバッテリーを労わって小電力でゆっくり充電する「トリクル充電」が採用されていますが、できればトリクル充電の部分は充電せずに使用した方がバッテリーのダメージは抑えられます。

ただ、80%で充電をやめてしまっては実用性に欠けますので、90~95%程度で充電を終了するような配慮をすることで、バッテリーのダメージを軽くすることができます。

また、一度に充電する容量は一気に大量に充電するより少しずつ小分けにした方がダメージが少ないと言われます。

「充電深度」という言葉で表されますが、例えば1日40%使用する場合に、2日に1回80%を充電するのではなく、毎日40%ずつ充電した方がダメージを抑えられ、バッテリー寿命を延ばすことができるとされています。

2日に1回80%充電でも、毎日40%充電でも「充電サイクル」は同じですので、小まめに充電することによるサイクルの無駄遣いはありません。

大容量バッテリーの方が寿命が長い

同じスペックのスマホを比べる際には、より大容量バッテリーの製品を選んだ方が、バッテリーが寿命になる期間は長いと言えます。

充電サイクルは「放電100%」でカウントされますが、実際の利用は「%」ではなく、「mAh(ミリアンペア)」で消費されていきます。

例えば、1日に2,500mAhを消費するユーザーの場合、5000mAhバッテリーのスマホ(A)では50%の放電、10,000mAhバッテリーのスマホ(B)では25%の放電を行ったことになります。

充電サイクルは「100%」で1サイクルですので、(A)は2日で100%=サイクル1カウント、(B)は4日で100%=サイクル1カウントになるため、500サイクルを迎えるのは(A)は1000日後、(B)は2000日後となり、大容量バッテリーの方が寿命が長いことがわかります。

また、大容量バッテリーの方が同じ「%」分の電気を使用しても、取り出せる電気量が多くなるため、20~80%の間での充放電でも1日分の電気量を賄えるといったメリットもあります。

モバイルバッテリーの携行がバッテリー寿命を延ばす?

『フル放電やフル充電を避け』『1回の充電量を少なくする』ためには、外出時にモバイルバッテリーを携行することをおすすめします。

携行に邪魔にならない程度の容量の製品でスマホバッテリーを100%まで充電できなくても、容量の半分ほども出先で回復しておければ、フル放電やフル充電を避けられます。

ひいては、自宅に戻ってからの充電量も少なくて済むため、スマホバッテリーのダメージを減らし寿命を延ばせる可能性があるのです。

スマホを買い替える目安~何年使ったら買い替えるべき?

ここまで、『故障や破損(水没含む)』『OSサポートの対象外』『スペック不足』『バッテリー寿命』といった買い替え時期について見てきましたが、では実際に、使い始めてから何年で買い替えればいいのでしょうか。

この中で、『故障や破損(水没含む)』や『スペック不足』はいつ起こるか分からないため、買い替え時期の目安を想定することは不可能です。

故障や破損が発生して修復できなかった時、スペック不足を感じて快適に利用できないと思った時が買い替え時期になります。

残りの『OSサポートの対象外』『バッテリー寿命』についてみていきましょう。

OSアップデート対象から外れるまでの期間

iPhoneの現行OSは「iOS16」で、2022年9月にリリースになったばかりです。

1つ前のバージョン「iOS15」は、2021年のリリースから約1年経過した時点での最新バージョンは「15.6.1」で、何度もバージョンアップを繰り返しながら常に最新の機能とセキュリティ対策をすべてのiPhoneに供給してきました。

iOS15の最も古いアップデート対象機は2015年発売の「iPhone 6s/6sPlus」で、7年も前の端末にも最新OSを無償で提供していることになります。

これは一般的に考えて、OSのサポート対象から外れるより、故障・破損・スペック不足・バッテリー寿命による買い換えが検討される期間です。

iOSに関してはサポート対象外となることが買い替えの理由になることは稀と言えます。

これに対して、価格の安いAndroid端末では購入から1~2年に0~数回のアップデートが行われることが多く、OSアップデートに関してはあまり多くを期待できません。

元々端末価格が安い上、OSアップデートは端末製造メーカーに一任されていてGoogleに決定権がないため、iPhoneに比べると端末を長期間愛用するというよりも、早いサイクルでの端末の買い替えに偏りがちです。

Android端末は、OSアップデートはあまり期待せず、常に新しい端末に買い替えていくのがよいかもしれません。

バッテリー寿命が訪れるのはいつ


先に詳細に解説したように、リチウムイオンバッテリーは充放電の管理のしかたで寿命は大きく変わります。

画像は筆者のiPhone 12 Pro Maxの現在の充電容量で、2020年10月から約1年11ヵ月経過後で「94%」の容量を保っています。

Pro Maxは大容量バッテリーを搭載していることもありますが、
・フル放電、フル充電を避け
・1回の充電深度はできるだけ少なくし
・容量が80%を超えたら充電終了
といった使い方をしてきたこともあり、まずまずの劣化具合(容量減少)だと思います。

たまにはうっかり満充電してしまうこともありましたが、できるだけ3項目を守るように扱ってきました。

人によっては2年間の使用で充電容量80~85%程度まで劣化が進んでしまうケースも珍しくないため、『正しい充電』はスマホバッテリーの寿命に少なからず影響を及ぼすと言えそうです。

以上から、充放電に気を遣わずに使用した場合には約2年、大容量バッテリーを労わりながら使った場合には3~4年は充分に初期性能を維持できる可能性があります。

まとめ

今回の解説をまとめると以下になります。

・スマホの買い替えは以下の5つの原因によるケースが多い
(1)バッテリー劣化によるスマホの寿命
(2)故障・破損などによる使用不能
(3)水没(液体侵入)による故障・使用不能
(4)サポート終了~OSアップデート対象から外れる
(5)能力不足~性能が利用シーンに追いつかない

・スマホバッテリーは充電容量が減少するかたちで劣化が進む

・スマホバッテリーは充電容量が当初の80%を目安に買い替えが推奨される

・スマホバッテリーは充放電のしかたによって寿命が長くなる場合がある

・突発的に起こる落下や水没などによる故障や不具合ではスマホの利用可能期間は計れない

・スマホに液体が侵入した際には正しい対応法がある

・OSアップデートはiOSは頻繁に行われるが、Android各メーカーはあまり積極的ではない

・iPhoneはOSアップデートの対象期間が長く、それよりも前に故障やスペック不足などでの買い替えを検討するケースが多い

・スマホバッテリーの寿命を延ばす正しい充電方法がある

・「継ぎ足し充電」はリチウムイオン電池に最適な充電方法である

・リチウムイオン電池の寿命は「充電サイクル」のカウントによって想定されている

・同じスペックのスマホなら大容量バッテリー搭載モデルの方がバッテリー寿命が長い

・リチウムイオン電池は、フル放電やフル充電によって大きなダメージを受ける

・モバイルバッテリーを携行することでスマホバッテリーの劣化を防止することができる

・スマホバッテリーは充放電の管理方法によって劣化の進行が異なる

スマホはユーザーが便利に使えば使うほど、買い替えの時期が近づいてくる製品です。

充放電を繰り返すことで各種機能を利用できる反面、バッテリー寿命を刻々と減らしていることになりますが、充放電の管理方法次第では年単位での延命も可能なケースがあります。

また、スマホを便利に使えば使うほど、故障や不具合のリスクも増えるのは致し方のないことです。

一概に「○○年経ったら替え時」といった断定はできませんが、スマホは正しい理解で丁寧に取り扱うことで長期間愛用することができる可能性が高くなります。

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