VPNはテレワークで必須?導入費用やメリット・デメリットを紹介
2022.08.25
「テレワークにVPNは必要なのだろうか」
「VPNを導入したほうが良いのか悩んでいる」
このように悩んでいる方に向けて、本記事では以下の内容をご紹介します。
● VPNの概要やリモートアクセスとの違い
● VPNの導入費用
● VPNのメリット・デメリット
● VPNの導入方法
VPN導入を悩んでいる方は、ぜひご一読ください。
なお、HISモバイルではSIM用のVPNサービスを提供しております。モバイルでのVPN利用を検討している方は、ぜひこちらからお問い合わせください。
VPNとは?テレワークに必要なのか解説
VPN(Virtual Private Network:仮想専用線)とは、仮想の暗号化された専用回線のことです。通常の通信よりもセキュリティが高く、データ通信中にデータを盗み見されるリスクを下げることができます。
テレワークを実施するうえで重要なのが、通信の安全性です。セキュリティが甘いと通信内容を盗み見される恐れがあり、情報漏えいにつながりかねません。
VPN接続を利用すれば、内容が暗号化された専用回線で通信できるため、情報漏えいリスクが低くなります。
テレワークを実施するならVPNは必須?
テレワークを行うのであれば、VPNの導入をおすすめします。
テレワークの方式は主に以下の4つがあり、どのパターンでもVPN接続するのがおすすめです。
・会社PCを持ち帰って仕事をする
・社内のPCやサーバーへリモートアクセスを行い仕事をする
・社内のPCに対してリモートデスクトップを活用して仕事をする
・社内の仮想端末にリモートでアクセスして仕事をする
どのパターンでもインターネットを活用して仕事を行うため、VPN接続を活用することでより安全に通信を行えるようになります。
リモートアクセスとVPNの違い
リモートアクセスとVPNの違いは、以下の通りです。
・リモートアクセス:別の場所から端末を遠隔操作すること
・VPN:「仮想専用線」と呼ばれており、通信回線それ自体を指す
リモートアクセスとVPNは異なる言葉のため、混同しないようにしましょう。
VPNの接続方式
VPNの主な接続方法は、以下の4つが挙げられます。各接続方法の特徴とともに紹介します。
・インターネットVPN:インターネット回線を利用し、安価に利用できる通信方法
・IP-VPN:通信事業者の閉域ネットワークを利用し、セキュリティや通信品質が専用回線に近い通信方法
・エントリーVPN:ADSLやFTTHなど安価なベストエフォート型回線を利用し、高いセキュリティを確保した通信方法
・広域イーサネット:複数の離れた拠点のLAN同士を1つのLANのように接続し、通信速度が速くセキュリティも高い通信方法
次は、VPNの導入費用を紹介します。
テレワークでVPNを導入する場合の費用を紹介
VPNの導入に必要な費用について、大まかな相場をご紹介します。
・インターネットVPN:ルーターの購入費用+初回の設定費用に2~5万円
・IP-VPN:初期費用に3万円+月額料金に5,000~50,000円
上記費用は、あくまで相場です。導入する拠点数や端末数、通信方式によって料金は大きく変動する可能性があります。
詳細な費用感を把握する場合は、VPNを提供している事業者に問い合わせてみることをおすすめします。
テレワークでVPNを導入するメリット4つ
テレワークを行うときにVPNを導入するメリットは、主に以下の4つがあります。
1.情報漏えいしにくくなる
2.トラブルの原因究明を行いやすくなる
3.専用線を引くよりコストが安い
4.社内LANへ遠隔地からアクセスできる
どういうことか、さっそく見てみましょう。
【メリット1】情報漏えいしにくくなる
VPNを導入すると仮想の専用回線を利用できるため、第三者から盗み見や改ざんされにくくなり、情報漏えいが発生しにくくなります。
情報漏えいが発生すると信用問題や金銭トラブルに発展する恐れがあります。テレワーク時の情報漏えいリスクを減らすなら、VPN導入がおすすめです。
【メリット2】トラブルの原因究明を行いやすくなる
VPN接続時の通信ログを蓄積することで、万が一トラブルが発生したときに原因究明を行いやすくなります。
アクセスログを確認すれば、いつどのようなサイトにアクセスして何をしたのか確認しやすくなります。
【メリット3】専用線を引くよりコストが安い
一般的にVPNの導入コストは、専用線を引くよりも安いです。
専用線とは、会社と拠点をつなぐ完全専有の回線です。セキュリティは極めて高いですが、拠点間の距離によってコストが変動します。専用回線のため、VPNより利用料金も高いです。
安全な通信回線を確保するなら、VPNの方が導入・運用コストは安いです。
【メリット4】社内LANへ遠隔地からアクセスできる
VPNを導入することで、遠隔地から社内LANへ安全にアクセスできます。
・外出先や自宅から社内ネットワークにアクセスする必要がある
・情報を確認するためにオフィスへ行かなければならない
・営業先の空き時間で作業をすすめたい
このような時にVPNを活用すれば、オフィスの外から安全に社内システムにアクセスできます。
テレワークでVPNを導入するデメリット4つ
VPNを導入するデメリットは、以下の4つです。
1.通信速度が遅くなりがち
2.情報漏えいリスクがゼロになるわけではない
3.導入や管理にコストがかかる
4.活用しきれず投資が無駄になる恐れがある
デメリットの詳細について、詳しく解説します。
【デメリット1】通信速度が遅くなりがち
VPNサーバーに負荷がかかると、通信速度が遅くなります。サーバーに負荷がかかる理由としては以下のことが挙げられます。
・同じ回線を利用している人が多い
・大容量のデータ通信が行われている
たとえばソフトウェアアップデートが行われると通信量が多いためサーバーに負荷がかかり、通信速度が遅くなったりします。またファイアウォールなどウイルス対策ソフトを実行していると、通信速度が遅くなる可能性があります。
【デメリット2】情報漏えいリスクがゼロになるわけではない
VPNを導入したからといって、情報漏えいの発生リスクがゼロになるわけではありません。
たとえば接続しているネットワークやサーバーに問題があると、VPNを導入しても情報漏えいが発生するリスクはあります。
また機密データの入った外部記憶装置を社外に持ち出して紛失したりパソコンそのものを紛失したりするなど、ネットワーク回線以外のところで情報漏えいが発生する可能性もあるものです。
ネットワーク環境の安全性確保はもちろん、情報を適切に扱えるよう社内ルールの整備や従業員への教育が必要になります。
【デメリット3】導入や管理にコストがかかる
VPNの導入や管理には、サービスによってばらつきはあるものの、ある程度のコストが発生します。
たとえばインターネットVPNの場合は初期費用しか発生しませんが、IP-VPNなどは月額料金も発生します。またネットワーク管理担当者の人件費も加えると、VPNの活用にはそれなりのコストが必要です。
【デメリット4】活用しきれず投資が無駄になる恐れがある
せっかくVPNを導入しても、社内でうまく活用できず投資が無駄になる可能性があります。
VPNの導入から運用には、ある程度の知識が必要になります。また導入後もVPNを利用してもらうため、従業員に使い方を指導する必要があるものです。
インターネット関係の知識が十分でない場合、VPNを活用しきれず「導入したけれど利用しなくなった」となる恐れがあります。
テレワークでVPNを導入する方法を2つ紹介
VPNを導入する場合、以下の2つの方法があります。
1.VPNルーターを導入する
2.クラウドサービスを契約する
具体的にどのようなことを行うのか、さっそく見てみましょう。
【方法1】VPNルーターを導入する
テレワーク時にVPNを利用する方法の1つに、VPNルーターの導入があります。
VPNルーターとは通常のルーターにVPN機能が搭載された製品です。ただしVPNの種類によって必要になる機器も変わってくるため、まずはどの種類のVPNを導入するか決めることをおすすめします。
【方法2】クラウドサービスを契約する
VPNを利用する方法の2つ目に、クラウドサービスとの契約が挙げられます。
自社ネットワークをクラウドサービスに接続することで、VPN接続を実現します。自社でVPN環境を構築する手間が省けるため、おすすめの方法です。
一般的に従量課金方式のサービスとなっており、専用のアプリケーションを導入することでVPN接続できるようになります。
テレワークを実施するならVPNの導入がおすすめ
本記事では、テレワーク中にVPNを導入すべきかどうかご紹介しました。ここで、紹介した内容をまとめます。
・セキュリティの安全性を確保するため、テレワーク中のVPN導入がおすすめ
・VPNの接続方式によって特徴や導入費用が異なる
・VPN導入の主なメリットは、安価に通信の安全性を確保しやすいこと
・VPN導入の主なデメリットは、通信速度が遅くなりやすいこと
・VPNの導入方法は「VPNルーター導入」と「クラウドサービス契約」の2つがある
情報漏えいが発生すると、顧客からの信用を失ったり流出した情報が悪用されたりする恐れがあります。通信速度が遅くなる可能性はありますが、テレワークを実施するならVPNの導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
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