AQUOSとは~SHARPの液晶パネルの遺伝子を受け継ぐ国産スマホシリーズ
2023.03.31
今回は、国産スマホとして人気の高い「AQUOS」について深堀りします。
すべての通信キャリア及び格安SIMサービスで取り扱われていると言っても過言でないほど、AQUOSシリーズは国内のモバイル通信界において広く浸透しているブランドです。
国内出荷台数シェアで、Appleに次ぐ第2位を占めるSHARP AQUOSはどのような歴史があり、どのような特徴があるのでしょうか。さっそく見ていきましょう。
※画像出典:jp.sharp
AQUOSの歴史~はじまりは液晶テレビ
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AQUOSという製品名は、2001年1月に登場したSHARPの液晶テレビに初めて採用され世に出ました。
AQUOSは、ラテン語の「Aqua(水)」と英語の「Quality(品質)」から成る造語で、液晶パネル(Liquid Crystal Display=LCD)の「液体」のイメージにちなんだネーミングです。
従って、液晶パネルにしても、スマホやタブレットにしても原則として「液晶パネル」製品の名称に採用されてきました(昨今では「有機ELパネル」にも採用されています)。
同じSHARP製品として名高い「プラズマクラスター」搭載の空気清浄機に採用されるネーミングは「AQUOS」ではないというわけです。
モバイル端末としては、2011年に登場した「AQUOS Phone」に初めてAQUOSの名が冠され、2012年には「AQUOS Pad」(タブレット)も登場しています。
その後、2014年にスマホとタブレットの区別をなくし、液晶パネルを採用したモバイル端末に統一的に「AQUOS」の名を冠するようになっています。
現在は、夏にはハイエンドモデルとしての「AQUOS R」シリーズ、冬には普及クラスのスタンダードモデルとして「AQUOS Sense」シリーズを市場に投入しています。
AQUOS Rシリーズ~AQUOSの高性能バージョン
発売年 | 画面サイズ | バッテリーサイズ | |
AQUOS R | 2017年 | 5.3inch | 3,160mAh |
AQUOS R2 | 2018年 | 6.0inch | 3,130mAh |
AQUOS R3 | 2019年 | 6.2inch | 3,200mAh |
AQUOS R5G | 2020年 | 6.5inch | 3,730mAh |
AQUOS R6 | 2021年 | 6.6inch | 5,000mAh |
AQUOS R7 | 2022年 | 6.6inch | 5,000mAh |
初代「AQUOS R」が登場したのは2017年でした。以降、毎年新たな「R」シリーズが登場しており、現在の最新機種は2022年発売の「AQUOS R7」です。
毎年画面サイズと電池容量はじめスペックが拡大・進化しており、時代のニーズに合わせて進化し続けていることがわかります。
AQUOS Rの「R」には4つの意味がこめられています。
・Reality(リアリティ→映像のリアルな再現)
・Response(応答性の良い反応)
・Robotics(ロボット工学→機械あるいはAIによるサポート機能)
・Reliability(信頼性→機器として長期間安定的に使用できる)
AQUOS Sensesシリーズ~格安スマホの定番
発売年 | 画面サイズ | バッテリーサイズ | |
Sense | 2017年 | 5.0inch | 2,700 |
Sense2 | 2018年 | 5.5inch | 2,700 |
Sense3 | 2019年 | 5.5inch | 4,000 |
Sense4 | 2020年 | 5.8inch | 4,570mAh |
Sense5G | 2021年 | 5.8inch | 4,570mAh |
Sense6 | 2021年 | 6.1inch | 4,570mAh |
Sense7 | 2022年 | 6.1inch | 4,570mAh |
次第AQUOS Senseが発売されたのは2017年。以降、毎年新モデルを投入し現在は「AQUOS Sense7」が最新モデルとなっていますが、「R」シリーズに比べるとスペックの進化は緩やかです。
「スマートフォンに本当に必要なものだけを、磨き抜かれた形で提供すること」をコンセプトに掲げる「AQUOS Sense」というネーミングには、「(自分には)これがちょうどいい」といった思いで選んで欲しいというメーカーの願いが込められています。
参考:https://corporate.jp.sharp/eco/sgp/interview/vol20/page03.html
突出した性能や機能、個性はないけれど過不足のない「ちょうどいい性能機能」を持ち合わせたスタンダード端末として、若者から年配者まで広い年齢層のユーザーに人気を得ているのも頷けます。
また、いわゆる「格安SIM」「SIMフリースマホ」としてMVNO各社のラインナップに多く採用されているのも、AQUOS Senseが万人にとって過不足ない端末ゆえのことでしょう。
AQUOS Senseには≪lite≫≪basic≫≪Plus≫など数多くの派生モデルが存在します。それぞれに性能・機能・サイズ・特徴などに違いを持たせています。また、特定のキャリアや格安SIMでしか購入できないケースもあります。
AQUOSの国籍はどこ?国産?海外製?
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『AQUOSはSHARPのスマホでしょ?SHARPは台湾の企業に買収されたから外国製スマホってことになるの?それとも国産スマホでいいの?』
AQUOSに対してこんなことを思ったことはありませんか?
確かにSHARPは日本を代表する企業です。厳密にいうと「SHARP」はブランド名で、社名は「シャープ電機株式会社」で、カタカナが正しい表記となります。
シャープは多くの「発明」をし、多くの「日本初」を持っているのをご存知でしょうか。
創業者である早川徳治氏は、穴がなくても止められる「徳尾錠」というベルト・バックルを発明、さらに1915年には金属製繰出鉛筆(今で言うシャープペンシル)などを発明し「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」と命名、これが「シャーペン(シャープペンシル)」の源流であり、またシャープという社名の元となりました。
シャープペンは、尖ったペンシルではなくシャープが作ったペンシルだったのですね。
1962年には、早川電機として世界初のターンテーブル式の電子レンジを発売するなど、数々の偉大な業績を残してきたシャープですが、経営悪化により2016年には台湾の『鴻海精密工業』が約2/3の株式を取得し、海外企業の子会社となりました。
これをもってシャープは海外企業だから、スマホも海外製というか…というと、シャープ株式会社という企業は、現在でも大阪市堺市に本社を置く日本企業なので国内企業であり、シャープ製スマホは国産スマホです。
製造という観点では、買収前から中国工場で生産していたため海外生産スマホでしたし、現状は、鴻海が製造を請け負っているため、中国もしくはベトナム生産ということになるのかもしれません。
シャープ製スマホを評して、「海外製スマホは安かろう悪かろうで、特に中国製はダメ」そんなイメージがあるかもしれませんが、この考えは2つの点で間違っています。
1つは、現在の中国のスマホは「玉石混交」ではあるものの、優れた製品はたくさんあり「中国製はダメ」という一括りでは語れません。
もう1つは、シャープのスマホは日本企業であるシャープが日本クオリティで開発・設計しているため「中国製」ではありません。
国産スマホが減少する中で、海外資本となったとはいえ日本クオリティで開発・設計されたシャープ製スマホは、数少ない国産スマホと言えるのではないでしょうか。
AQUOSは国産スマホとして日本企業シャープが開発・設計しているため、日本国内で人気の機能がきちんと盛り込まれていることも大きな特徴です。
『防水防塵』『おさいふケータイ』などは、『ガラパゴス機能』と揶揄されるケースもありますが、日本国内で人気のある機能であることは間違いありません。
海外製のグローバルモデルでは、日本特有の機能が搭載されていない場合が少なくないため、日本国内での使用では不便や物足りなさを感じてしまうことがありますが、国産スマホAQUOSならそんな心配は必要ありません。
おすすめの格安SIMフリーのAQUOSスマホ
画像出典:jp.sharp ここでは、現在購入可能な「SIMフリーAQUOS」「格安スマホAQIOS」を3台ご紹介します。いずれもSense系の端末ですが、手堅くまとめられ過不足のない性能・機能と、手頃な価格が魅力です。
AQUOSのスマホがおすすめの理由
筆者はスマホ選びのアドバイスを求められた際には「迷ったらAQUOS」とおすすめしています。Apple iPhoneのような突出した特徴はないものの、誰がどういうシーンで使っても一定の満足感を得られるという意味で、AQUOSのスマホはオールダウンダーと言えます。
特にSenseシリーズは、メーカーが「使い勝手の良いスマホを作ろう」として作られているので、画面や筐体の大きさ・重さ、画面の見やすさ・美しさ、バッテリーの持ちや充電時間など、どれを取っても「ちょうどいい」スマホです。
初心者には優しく分かりやすく、中~上級者でも充分納得のゆくスペックを有しており、誰に進めてもソツがないスマホなのです。
IGZOディスプレイ
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シャープが開発したディスプレイ技術です。
スマホの進化に伴って、高精彩で美しい画面が求められる一方で、省電力という相反する要求も強くなる中で、シャープが開発したIGZOディスプレイは、この相反する2つの条件を高レベルで実現したディスプレイです。
シャープのスマホはバッテリーの持ちが良いとの評判は、このIGZOディスプレイに負うところが大きく、シャープのコア技術となっています。
ちなみに、IGZOとは、半導体に使用された「In(インジウム)」「Ga(ガリウム)」「Zn(亜鉛)」「O(酸素)」の頭文字を取ったものです。
また、シャープのスマホは概してカメラ性能に優れると言われています。
これは省電力なのに高精彩で美しいIGZOディスプレイを活かすために、レンズを含めたカメラ性能が引き上げられているのかもしれません。
Sense6で4,800万画素、Sense7では5,030万画素にまで引き上げられています。
ソフトウエア・アップデートを約束
Apple iPhoneは、OSやセキュリティなどのソフトウエアのアップデートを発売から5年以上に渡ってApple自身が直接ユーザーに配信し続けます。
そのため、発売からしばらく時間が経過したiPhoneであっても、常に最新のソフトウエアにアップデートして安心して利用できる点は大きなメリットです。
ちなみに2022年にリリースされた『iOS16』は、わずか5か月間にすでに9回ものアップデートを重ねています。
一方のAndroidは、OSアップデートが端末のメーカーに委ねられているため、手間とお金のかかるアップデートが少ない(あるいは1回も配信しないメーカーもある)傾向があります。
Androidスマホは安価なエントリーモデルも多いため、OSアップデートするより端末ごと買い替えやすいといった特有の事情もあります。
そんな中シャープでは、自社スマホに対して「2年間に最低2回のOSアップデート」と「3年間のセキュリティアップデート」を配信することを明言しています。
これはユーザーにとって大きな安心感に繋がるメリットと言えます。
おすすめAQUOSのスペック比較
Sense5G | Sense6 | Sense7 | |
発売 | 2021年 | 2021年 | 2022年 |
サイズ | 148×71×8.9mm | 152×70×7.9mm | 152×70×8.0mm |
重量 | 178g | 156g | 158g |
ボディカラー | 8カラー | 4カラー | 4カラー |
OS | Android 11 | Android 11 | Android 12 |
CPU | Snapdragon690 5G mobile platform |
Snapdragon690 5G Mobile Platform |
Snapdragon695 5G Mobile Platform |
ROM | 64GB | 128GB | 128GB |
RAM | 4GB | 6GB | 6GB |
バッテリー | 4,570mAh | 4,570mAh | 4,570mAh |
ディスプレイ | 5.8インチ IGZO液晶ディスプレイ |
6.1インチ IGZO OLED |
6.1インチ IGZO OLED |
認証 | 指紋/顔 | 指紋/顔 | 指紋/顔 マスク対応 |
カメラ | 3眼 | 3眼 | 2眼 1/1.55inchセンサー |
アウトカメラ | 1,200万画素 F値 2.0 |
4,800万画素 F値 1.8 |
5,030万画素 F値 1.9 |
インカメラ | 800万画素 F値 2.4 |
800万画素 F値 2.4 |
800万画素 F値 2.4 |
防水防塵 | IPX5/IPX8 (お風呂防水) IP6X |
IPX5/IPX8 (お風呂防水) ]IP6X |
IPX5/IPX8 (お風呂防水) IP6X |
参考Amazon価格 | 25,430円 | 39,500円 | 48,411円 |
※「OLED」は有機ELディスプレイ
ここでは、5G通信対応スマホを3機種ご紹介します。
3モデルとも「5G通信」「おさいふケータイ」に対応、Sense6とSense7は「eSIM」に対応しており、日本国内での使用に適したモデルです。
Sense5Gは、IGZOディスプレイながら「液晶」です。Sense6/Sense7は有機ELディスプレイとなっています。
カメラ性能はSense7で大きく進化していますが、他ではスペック的に大きな違いはありません。発売からの経過時間によって価格に違いがあり、予算に合わせていずれのモデルを選択しても充分に満足が得られるはずです。
SHARP AQUOS まとめ
シャープが開発・設計する国産スマホ「AQUOS」は、誰がどんな場所、状況で使っても満足度の高い高コスパスマホです。
どのモデルも過不足のない性能・機能・スペックを備えていますが、シャープの技術が生み出したIGZOディスプレイによって、高精彩高画質ながら省電力という相反する性能を両立させている点で他社と一線を画しています。
高性能ハイエンドな「R」シリーズと、リーズナブルで満足度の高い「Sense」シリーズは、いずれも高コスパなスマホとしておすすめです。
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