Googleを使わない日はない!?格安SIMとGoogleの深い関係とは
2023.04.28
今回は「Google」(グーグル)についてピックアップします。
皆さんもよく耳にする「Google」は様々な顔を持っています。
真っ先に思い浮かぶのは「検索」でしょう。何かネット上で調べたいこと、分からないことがあった際に、最初の解決方法は多くの場合「検索」ではないでしょうか。
スマホOSの「Android」(アンドロイド)や、インターネットブラウザの「Chrome」(クローム)はGoogleが開発したものだとご存知の方も多いでしょう。
一方では、ネット上のありとあらゆる場所に「広告」を掲載しているのもGoogleで、邪魔だなあと感じた方はすくなくないはずです。
そんなインターネットの世界で頻繁に目にするGoogleとはどんな企業で、一体何をしているのか、そして格安SIMとどのように関わっているのかなどをチェックしてみましょう。
Googleとは何なのか
「Google」はいったい誰がどこでいつから始めたものなのか、そして「Google」の名前の由来は何なのか…などなど、Googleにまつわる「そもそも」の話しから始めましょう。
Googleの生い立ち
Googleは、スタンフォード大学内において、当時はまだ同大の博士課程だったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって株式非公開の会社として設立されました。
彼らは、大学の寮の一部屋を仕事場に、被リンク数などによってWEBページの重要度を判断する検索エンジンを作成し、これを「Backrub」と名付け、後に「Google」に変更しました。
ちなみに、この「Google」という言葉は、 1の後にゼロが 100 個並んだ値を表す「googol(ゴーゴル)」という数学用語をもじった造語です。
Googleの経営理念は『世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする』で、それは設立当時から変わりませんが、このことから、Googleの「根っこ」は検索エンジンだということが分かります。
このGoogleという検索エンジンは次第に認知が広まり、1998年、サンマイクロシステムズ社の共同創始者であるアンディ・ベクトルシャイム氏が10 万ドルを出資したことにより、正式な法人となり株式を公開しました。
この投資をきっかけにGoogleは大きく成長していきますが、まず手始めに実行したのがオフィスの移転でした。
それまでの大学の寮から出て、社員番号16番のスーザン・ウォジスキ所有のガレージに移転しました。ちなみにこのガレージを新オフィスに提供した人物は、その後YouTubeのCEOを務めました(2023年2月退任)。
2006年には、本社:Googleplex(グーグルプレックス~本社の愛称)をカリフォルニア州のマウンテンビューに移転しました。
2015年には「Alphabet Inc.」(アルファベット)の子会社となり現在に至ります。
Googleは、M&Aやパートナーシップ等によって検索エンジン以外の分野にも事業を拡大していきますが、Googleのサービスはユーザーに無料で提供され、広告によって収益を得るというスタイルを踏襲しています。
さらにGoogleはソフトウエアのみならず、ハードウエアにも進出します。
世界の端末メーカーと組んで、Android-OSを搭載したスマートフォンを「Nexus」(ネクサス)名義で展開しています。
Googleって何をしているの?代表的なサービス
Googleが提供するサービスやコンテンツは多岐にわたりネットユーザーに広く浸透しています。ここではGoogleが手がける代表的なサービスを俯瞰してみましょう。
検索エンジン
言わずと知れた世界最大の検索エンジンです。
他の名称で提供されている検索エンジンでも、実際の検索結果にはGoogleを採用しているケースが少なくありません。例えばYahoo!検索も、楽天検索も中身はGoogleの検索結果が表示されています。
アルゴリズムと呼ばれる独自の仕組みで、検索語にマッチする検索結果を表示します。
可能な限り利用者が求める検索結果を表示するために、アルゴリズムは日々改良改善を進めていると言われています。
例えば、少し前の検索結果では検索語そのものが含まれないと表示されませんでしたが、最近では検索語の意味を考えて、同義語やそれに類するものも含めた検索結果となっており、検索精度が向上していることがわかります。
Gメール
Googleが提供するフリーメールサービスです。
2004年7月9日に招待制のベータ版としてサービスを開始、日本では2006年8月23日から招待されなくても自由にアカウントを取得できるサインアップ制サービスとして利用開始となりました。
「Gメール」というと無料のフリーメールサービスだと思われがちですが、無料で利用できるのは15GBまで、1日の送受信の容量は2GB、1通のメールの容量上限は25MBの制限があります。
ストレージ容量15GBまでの無料分は、Google ドライブやGoogle フォトと共有となっています。
メールの送受信の際には、添付ファイルのウイルスチェックが実行されます。
受信メールにはメールの内容に関連したテキスト広告が表示されます(サーバーが自動的にメール内容を解析しています)。
WEBツール
Googleが無料で提供するWEBサービスとして、下記の各サービスがあります。WEB上で複数のユーザー間で共有して作成・編集等を行うことができます。
Googleドキュメント
Googleドキュメントは、Googleが無料で提供するWEB上のワープロサービスで、Microsoft Officeで言えばWord(ワード)に相当します。実際にWordとの互換性があります。
Googleスプレッドシート
Officeで言えば「Excel」に相当するスプレッドシートプログラムです。Excelと互換性があります。
Googleスライド
WEB上のプレゼンテーションプログラムで、Officeで言えば「PowerPoint」に相当します。
Google図形描画
Googleが無料で提供する作図ソフトウェアです。Google図形描画で作成した画像は、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドに挿入することができます。
Googleフォーム
Googleフォームはアンケート作成・管理ソフトです。自由に設問を設定してアンケートを収集可能です。収集した回答は自動的にスプレッドシートに集計されます。
このほか、「Googleサイト」「Google Keep」なども提供されています。
ブラウザ(Chrome)
「Chrome」(クローム)は、「Safari」「Edge」「FireFox」などと並ぶWEBブラウザで、他のGoogleのソフトウエア同様に無料で利用することができます。
直感的でシンプルな操作感と、サクサク動作する軽快感、さらに他のGoogleサービスとの連携のしやすさ等、非常に使い勝手のよいブラウザとなっており、現在ではシェア60%を超えるNo.1のブラウザです。
Chromeは当初、Microsoft Windows向けのWEBブラウザとして登場しましたが、のちに、Android向け、iOS向けなどもリリースされ、現在利用されている端末のほとんどでChromeを利用することが可能です。
WEBブラウザというと、パソコン向けのWEB閲覧ソフトという印象ですが、AndroidスマホではChromeが標準ブラウザとなっているため、それと知らずにChromeを使っているユーザーもいるかもしれません。
よく「Googleアプリ」と混同されますが、「Googleアプリ」はGoogle検索を利用するためのアプリであり、Chromeは検索も含めてもっと広義にインターネットを利用するためのブラウザです。
両方に「Google」と入るので分かりにくいですが、「Googleアプリ」のGoogleはGoogle検索のこと、「Google Chrome」のGoogleはソフトウエアの開発者としてのGoogleのこと…と考えると理解しやすいかもしれません。
Google Android
Android(アンドロイド)という言葉をご存知でしょうか。
『iPhoneじゃないスマホのこと』という答えは、限りなく正解に近い誤答です。
実は本来「Android」とは、スマートフォンやタブレットで様々なアプリを利用可能にする「オペレーティング・システム(OS)」です。
したがって、Android-OSを搭載したスマートフォンは「Android-OS搭載スマホ=Androidスマホ」と呼ぶのが正しい呼称といえます。
ただし実情では、Androidと言えば多くの場合スマホ端末を意味し、OSを表す場合にはあえて「Android-OS」と表記するケースが一般的となっています。
Androidスマホ
AndroidはGoogleが開発するスマホ向けOSで、いわゆるオープンソースとして無償公開されており、端末メーカーは、Android-OSをベースに独自の機能を盛り込んだスマホを製造・販売しています。
iPhone以外のほぼすべてのスマホがAndroidスマホであり、Sony・SHARP・京セラなどの国内勢はもとより、OPPO・Samsung・ASUS・Motorola・Xiaomiなどの海外製スマホ端末もAndroid-OSを搭載したAndroidスマホです。
iPhoneはAppleが開発・製造・販売・メンテナンスなどすべてを自社で手がけますが、Androidは、OSのみをGoogleが提供し、端末の開発・製造・販売は端末メーカー各社に委ねられています。
そのため、iPhoneは発売から5年以上にわたってアップデートが行われ、常に最新バージョンのOSがAppleから直接配信されるのに対し、AndroidスマホのOSアップデートはメーカーの一存で決まるため、中にはアップデートがほとんど行われない場合もあります。
Google Nexus
「Nexus」(ネクサス)は、Googleが販売するAndroidスマホです。
Nexusは、Googleが選定した端末メーカーに委託して製造された、いわゆる「OEMスマホ」です。
Google自身が仕様を決め製造を端末メーカーに委託しているため、Googleが考えるスマホの理想形という意味で『純粋なAndroidスマホ』と言えるかもしれません。
前項で述べたように、端末メーカー製のAndroidスマホはOSアップデートがメーカー一任となっており、その回数や頻度は決まっていませんが、Nexusは唯一OSアップデートが定められているAndroidスマホです。
Nexusにおけるセキュリティパッチ(OSやアプリの脆弱性を解消するための追加プログラム)は、端末の販売開始から3年間、あるいは販売終了から18か月間のいずれか長い方の期間は最低でも提供されます(それでもiOSに比べるとかなり短いですが)。
メーカーや販売キャリアの意向が入らずGoogoleの意向のみで製造されるNexusは、余計なアプリのプリインストールがなくシンプルなアプリ構成となっています。
Googleサービスは基本無料で使える
このほかにもGoogleが提供するサービスはたくさんあります。
例えば「Googleマップ」はお馴染みの地図アプリです。
・衛星写真
・航空写真
・ストリートマップ
・ストリートビュー
・リアルタイム交通状況
等、地図を使う上で便利な機能を搭載、さらに「徒歩」「自動車」「電車/バスなどの公共交通機関」など、それぞれによる移動のルート検索や所要時間など多機能に使用できるマップアプリです。
「Google翻訳」は、様々な国の言語を他の言語に変換してくれる翻訳サイトおよび翻訳アプリで、5000文字以内のテキストあるいはWEBページを一括で翻訳してくれます。
日本語は言語として難しいので、Google翻訳による外国語の日本語変換は少し違和感が残りますが、大まかな意味の把握には十分に役立つ翻訳サービスです。
この他にもGoogleが提供するサービスは多種多様ですが、そのほとんどが無料で提供されており、Google自身は掲載される広告によって収益を得ています。
この辺りは、基本的にサービスやコンテンツは有料提供とし、広告を排除しているAppleとは相反するスタンスと言えそうです。
格安SIMとGoogle
様々なサービスを提供しているGoogleは、格安SIMにとっても密接な関連にあり、切っても切れない関係と言えます。
格安SIMで販売される端末の多くはAndroidスマホで、当然、端末OSはAndroid、デフォルトのWEBブラウザはChorome、検索エンジンまでGoogleのサービスを利用しない日はないと言っても過言ではありません。
格安SIMが販売する端末はほとんどがAndroidスマホ
iPhoneを製造・販売するAppleは一定の販売数を求めることから、規模の小さな格安SIM各社では取り扱えないことが多く、格安SIMサービスで購入可能なスマホはほぼAndroidスマホのみとなっています(一部の事業者を除く)。
またAndroidスマホは、メーカー各社が他社との差別化を図るため、独自の性能・機能が盛り込まれており、スマホラインナップとしてバリエーションが豊富になる…といった利点もあります。
さらに、格安SIMでは、3万円以下のエントリークラスから10万円超のハイエンドクラスまで広範な価格帯の端末がラインナップされているため、ユーザーの好みや予算などで自分にあった端末を選びやすいといったメリットもあります。
Androidスマホの標準WEBブラウザはChrome
いわゆる「格安スマホ」として格安SIM各社で販売されるAndroidスマホのデフォルトWEBブラウザは「Chrome」です。
もちろん、他のブラウザをDL~インストールして使用することも可能ですが、操作がシンプルで軽快に動作するChromeをあえて使わない理由は希薄であるため、多くのユーザーはデフォルト設定のままChromeを利用しています。
標準ブラウザとしてのChromeは、検索窓にURLを入力するだけでなく、検索語を入力しても意図するWEBサイトを表示してくれるため、利便性の面でも満足度の高いブラウザと言えます。
iPhoneであっても検索エンジンはGoogleが主流
日本における検索エンジンのシェアを見ると、Googleが全体の75%を超える圧倒的なシェアを持っています。
パソコン、スマホ、タブレットいずれの端末でもダントツであり、2位のYahoo!の15%超をはるかにしのぐ圧倒的なトップシェアです。
しかも、2位のYahoo!の検索結果はGoogleが提供していることを勘案すれば、実に90%以上をGoogleの検索結果が占めています。
ちなみに3位の「bing」(Microsoft)は独自の検索結果ですがシェア7%弱、4位の「DuckDuckGo」も独自検索ですがシェアは1%以下に留まっており、いかにGoogle検索のシェアが大きいかがわかります。
Appleは検索エンジンを提供していないため、端末がiPhoneやiPadであっても、パスコンがMacであっても、検索エンジンはGoogleが圧倒的である点は同様です。
HISモバイルとGoogle
HISモバイルでもAndroidスマホは特に制限なく使用可能なため、Googleの様々なサービスも問題なく利用できます。
HISモバイルでは、NTTドコモ回線・Softbank回線による格安通信サービスを提供しているため、NTTドコモ・Softbankのネットワークが利用可能な端末(SIMロックやネットワーク利用制限を受けていない等)であれば、自由にプランを選んで利用可能です。
もちろん、端末がiPhoneであってもGoogleの各種サービスを利用することが可能です。
格安SIMとGoogle まとめ
今回は、Googleについて深堀してみました。
普段、毎日Googleサービスを使わない日はないほど我々の生活の中に浸透している「Google」ですが、こうしてあらためてチェックしてみると、そのシェアは圧倒的でネットのすべてがGoogleに依存していると言っても過言ではない印象です。
それは格安SIMサービスにおいても同様で、販売端末がAndroidであることから始まって、スマホOSやWEBブラウザ、検索エンジン、WEBサービス、メール、マップ等々、ありとあらゆる場面でGoogleの恩恵を受けていることがあらためて実感されました。
「自分はiPhone派」
「格安SIMではない大手キャリアユーザー」
といっても、検索エンジンのほぼすべてがGoogleのアルゴリズムによる検索結果であることを勘案すれば、端末がAndroid以外であろうと、通信会社が格安SIMであろうと、Googleと関わらずにスマホを使用することはほぼ不可能と言えそうです。
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