格安スマホに乗り換えて大丈夫?格安スマホのメリットとデメリット

今回のテーマは「格安スマホ」です。
スマートフォンを使う際に、ユーザーによって考え方や好みは様々で、高額なハイスペックモデルを使用する人もいますし、基本性能を押さえた低価格のエントリーモデルを好む方もいます。
格安SIMへの乗り換えを検討されている方は、乗り換え時に新たなスマホ端末の購入も併せて検討されているかもしれません。その際に格安スマホも候補になると思いますが、
「格安スマホって大丈夫?」
「ちゃんと使えるの?」
「短期間で壊れない?」
そんな心配をされている方もいることと思います。
今回は、格安スマホに不安をお持ちの方向けに格安スマホについて徹底解説します。

そもそも格安スマホってどういうスマホ?

「安かろう、悪かろう」という言葉に当てはめて考えれば、格安スマホは、「ただ安いばかりか、格別に安いスマホ」なのですから不安に思われるのも無理からぬことです。

ただ格安スマホのことをちゃんと知れば、そうした不安も拭うことができるはずです。

格安スマホには2つの意味がある

格安スマホには2つの意味があります。

1. 端末価格が安いスマホ
製造メーカーがスマホを企画開発・製造する段階で、性能・機能、材質などを抑えて販売価格を割安に設定したモデルという意味です。

2. 格安SIMサービスで販売している
MVNOなどの格安通信サービス(格安SIM)を提供する通信会社が販売し、自社の格安SIMとセットで利用する事を前提としているという意味もあります。

格安スマホは、決して「粗悪品」「バッタもん」といった類ではありませんので安心してください。

格安スマホとは、「基本性能をきちんと押さえ、日常的に使う基本的な機能を備えた高コスパのスマートフォンで、販売する格安SIMとセットで利用されることが多い端末」と考えるとよいでしょう。

格安スマホが人気を得ている理由

これまで大手キャリア各社は、一定期間継続契約すること(2年縛り)を前提に、端末価格を大幅に値引きし、その分を割高な料金で回収するという手法をとってきました。

日本国内のiPhoneのシェアがグローバルベースと比べると非常に高いことは、この大手キャリアの端末販売方法に負うところ大です。

世界的に見ると、iPhoneは高級機、Androidは普及機という区分けがされていますが、日本国内では、キャリアの施策によってほぼ同等の価格で購入できたため、本来高価なはずのiPhoneのシェアが伸びたと言われています。

しかしここへきて、国や総務省の方針として「通信契約を前提とした端末の大幅値引きの禁止」を打ち出したことから、大手キャリアでのスマホ端末の価格が軒並み高額となりました。

これに対してMVNO各社では通信料金が割安な上、海外製を中心に廉価なスマホ端末をセット販売しているため、大手キャリアの端末が高額になったことで、より割安な端末を求めるユーザーがMVNOの格安スマホに注目するようになりました。

また、単純に海外製格安スマホの性能が向上したことも、格安スマホが人気となった理由といえるでしょう。日々の使用に支障ない「普通に使える割安なスマホ」が支持されても不思議はありません。

MVNOで販売される格安スマホは海外製が多い


MVNOで販売されるスマホ端末の多くは、海外製(特に中国・韓国)のAndroidスマホが中心(いまやSHARPも台湾のメーカー)で、海外メーカーの割安な高コスパモデルを選んでラインナップしています。

格安スマホの製造メーカーは、必ずしも価格の安いモデルばかりを製造・販売しているわけではなく、販売する側(格安通信会社)が価格の安いモデルを選んでいるにすぎません。

なかには、自社のフラッグシップモデルとして、10万円を超えるハイスペックの高額端末を製造・販売しているメーカーも少なくなく、MVNOでも高級機を求めるユーザーのために、少量ですがハイスペックモデルをラインナップしているケースもあります。

格安スマホはSIMフリー

MVNOで販売されるアジア圏の海外製スマホは、メーカー出荷時の「SIMフリー」のまま販売されています。

MVNOは、自社内で複数の通信回線サービスを提供する「マルチキャリア」であることが多く、SIMフリーとして仕入れた海外製スマホをあえてSIMロックするメリットがないためです。

なお、SIMロックは2021年10月1日以降、原則禁止となっています。

格安スマホに機種変更という概念はない

MVNOの場合には、使用する端末を変更しても特に届け出る必要はありません。

もともと機種変更という言葉は、端末にSIMカードを挿して利用するようになる前(※)に、大手キャリアが自社で販売する端末を交換する際に用いた言葉です。

※ 携帯電話に直接「電話番号」や「契約情報」を記録していたため、端末自体を変更する必要がありました。

現在は、便宜上「スマホ端末の買い換え」をこう呼んでいるに過ぎず、「古い端末を新しい端末に交換してSIMを差換えて利用する」ことは、厳密には端末追加購入になります(古い端末は手元に残る)。

つまり、格安スマホは通信会社への届け出の必要はなく、自由に購入してSIMを差換えて使用して構いません。本人確認書類等の提出も不要です。

格安スマホの購入先は以下があります。

● MVNO(通信会社)が販売する端末
● メーカー直販(Apple StoreやGoogle Storeなど)
● ネットショッピング(Amazonや楽天市場など)
● 家電量販店やディスカウントストアなど
● 中古スマホ専門店
● 個人売買(家族・知人からの譲渡、フリマ、オークションなど)

格安スマホの選び方~注意点やできないこと

ここでは、格安スマホを購入・利用する際の注意点や、一般に格安スマホではできないとされていることなどを解説します。

注意して欲しいのは、一般的に「格安スマホでできないこと」とされていることが、実際には端末のせいではなく、使用するSIM(つまり通信サービス)が原因であることが多い点です。その辺りも含め、分かりやすく解説します。

格安スマホはできないことが多い?

日本製の携帯電話を揶揄する「ガラパゴス携帯」という言葉は、グローバルに販売されているスマホにはない日本独特の機能が搭載され、独自に進化した携帯電話を指す言葉です。

スマホの時代になっても同様の傾向は続いており、以下のような機能は、海外製の格安スマホには搭載されていないケースがほとんどです。

また、価格を抑えるためにあえて外されているケースもあります。

● おサイフケータイ
● ワンセグ、フルセグ(TV)
● 防水・防塵
● テザリング

これらの機能はグローバルでは標準的な機能ではないため、海外製スマホでは採用されないことがほとんどです。ただし、中には日本市場を意識してあえて搭載しているモデルもあります。

格安スマホはOSアップデートができない?



格安スマホはAndroidスマホです。

AndroidはGoogleが開発して無償で公開している「OS(オペレーションシステム)」で、スマホ製造メーカーは、ベースにAndroid-OSを使用しつつ、自社独自の機能や性能を盛り込んでオリジナリティを出しています。

Googleは、定期的にAndroid-OSのアップデートを行っていますが、それを販売済みの端末に配信するかどうかはメーカーに任されているため、アップデートに積極的でないメーカーの場合には、アップデートが少ない、あるいは、まったく配信されない…ということもあります。

ただし、これは格安スマホだから…というより、製造メーカーの考え方や姿勢によるもので、必ずしも格安スマホだからOSアップデートがない…という訳ではありません。

ちなみに、Apple iPhoneユーザーには、Apppleがアップデートを行うと必ず世界中のすべてのiPhoneに対して「iOSアップデート」の通知が入ります。iOSは毎年1回必ずバージョンアップがあり、バージョンアップの間の1年に数回のアップデートが行われ、そのすべてが全端末に配信されます。

格安スマホは通信速度が遅い?

スマホの機種によって搭載している「モデム」の性能に差がありますので、厳密にいえば格安スマホの通信速度はハイエンド機より遅いと言えますが、それを普段の利用の中で感知できるか…と言えば、そこまでの差はありません。

格安スマホの通信速度が遅いとされる主な理由は、使用するSIM(通信サービス)によるものです。

格安SIMサービスの通信速度は、大手キャリアほど速くないことは確かですし、回線混雑時の速度低下が著しいため、格安SIMを挿した格安スマホの通信速度が遅く感じてしまうのです。

格安スマホに大手キャリアのSIMを挿せば、常時高速通信が可能であるため、速度が遅い原因は端末よりもSIMの性能に原因があるとみるべきです。

格安スマホは通信制限がある?

通信制限についても、端末よりも利用しているSIM(通信サービス)によるものです。

格安SIM各社の多くは、3日間で使用できるデータ通信量の上限を定めており、これを超えると通信速度が制限され、いわゆる「低速」でしか通信できなくなります。

これは格安スマホだからではなく、格安SIMを使っているからであって、大手キャリアのSIMを挿入すれば、格安スマホであっても速度制限を受けることはありません。

格安スマホは通話料が高い?

いいえ、これも端末が原因ではなく、利用しているSIM(通信サービス)によるものです。

このことは少し前までよく言われた「格安SIM」のデメリットですが、今はあまり言われることはありません。

当時は、大手キャリアにはあった「通話定額(かけ放題)」サービスがMVNOにはなかったため、通話が多いユーザーは大手キャリアを使った方が料金が割安になると言われていました。

しかし、現在ではMVNOでも「かけ放題」オプションを当たり前に提供していますし、割安な通話回線を経由することで、通話料金を通常の半額にできる「料金半額通話(11円/30秒)」も提供しているため、MVNOの方が通話料は安くなる傾向にあります。

ただ、依然として時間制限のない「かけ放題」はMVNOでの提供は少ないため、1回の通話が規定時間(10分/5分)を超える通話が多い方は、「かけ放題」を提供している通信会社の方が料金が安いことはあり得ます(ただしかけ放題を提供しているのは大手キャリアだけではありません)。

格安スマホはすぐ壊れる?修理やサポートは?

もちろん使い方にもよりますし、落下や水没などがあれば端末の価格に関係なく故障や不具合を生じることに差はありません。

格安スマホは低価格であるがゆえに使用されている部品や素材も普及品ばかりですが、だからといって壊れやすいということはありません。

もし故障や不具合が生じた場合には、まずは購入先に相談するのが先決です。

特にMVNOで購入した端末であれば費用面は別にして、修理や改善について相談に乗ってくれるはずです。また万が一の費用面の負担を軽減するためには、各社で提供している「端末補償」に加入しておくことをおすすめします。

ただし、大手キャリアのような手厚いサポートは期待できません。MVNOが格安料金を実現するためには、様々なコスト削減を行う必要があり、サポート体制の簡略化もその一つであるためです。

店頭での手厚いサポートを期待するのであれば、それなりの料金を支払って大手キャリアを利用すべきです。

格安スマホはキャリアメールが使えない?

キャリアメールが使えないのは確かですが、格安スマホだからではありません。

利用しているSIM(通信サービス)が大手キャリアではないためです。例えばNTTドコモ回線を使った通信サービスであっても、提供しているのはドコモと別会社のMVNOですので、ドコモのキャリアメールが使えないのは当然です。

キャリアメールを使いたいのであれば、大手キャリアを利用するしかありません(※)。

※キャリアメールの持ち運び制度が2021年12月16日より開始

従来はドコモを解約(MNP転出含む)するとドコモのキャリアメールは使えなくなるのが当たり前でしたが、「持ち運び制度」の開始によって有料ながら、キャリアメールを他社に乗り換えたのちも使用できるようになりました。

しかし、現状、キャリアメールの需要はどんどん減少しており、パソコンなど他端末でも送受信できる「Gメール」等のフリーメールサービスや、LINE等のSNSをメインで使用するユーザーが増加しており、格安SIMでキャリアメールが使えないこと自体にさほど不便さを感じなくなっている現実もあります。

こんな人なら格安スマホを使っても大丈夫



格安スマホの特徴を考えると、誰にでもおすすめできるとは言えません。

以下は、格安スマホを購入しても大丈夫な人、後悔しないであろう人のタイプです。

最先端の機能や高性能を求めない人

新しい技術や性能は、高額なハイスペックモデルから採用されるため、エントリークラスやミドルクラスに採用されるのは、1~2世代後になることが一般的です。

格安スマホは、最先端の機能、高性能よりも、基本性能を押さえ、日常の使用に過不足ない機能・性能を備えているコスパの良い端末を求める方に向いています。

Androidスマホが好きな人

前述の通り、格安スマホはほぼ100%、Androidスマホです。

これはAppleがMVNOにはiPhoneを販売させないこともありますが、そもそもiPhoneにはエントリークラスのモデルが存在しないことも大きな理由です(キャンペーンなどの特別価格は除きます)。

MVNOでラインナップする1~4万円前後の普及機クラスのAndroidスマホで問題ないという方に向いています。

毎年新しい端末に買い替えたい人

スマホも故障したり不具合が発生することもあります。また、AndroidスマホはOSアップデートについてメーカーが消極的だったり、修理窓口がiPhoneほど明確でない側面があります。

そうした場合に、格安スマホの場合は、下手に修理するより新型機に買い替えてしまった方が割安になるケースも少なくありません。

また、1台ごとのコスト負担も軽いことから、ハイスペックモデル1台分のコストで何台も購入できるため、毎年買い替えることも無理ではありません。

ある程度のリテラシーを有する人

前述の通り、格安スマホに関しては大手キャリア並みの手厚いサポートは期待できません。

設定や操作、機能などについてよく分かっていないユーザーが使用する場合には、どうしてもサポートが必要になる場面が少なくありません。

もし、家族や友人など身近にスマホに詳しく助けてくれる人がいない場合には、「サポートが手厚くない」ということを念頭に格安スマホを選びましょう。

格安スマホは、スマホに生じた問題を人に助けてもらわなくても自力で解決できるリテラシーを持っている人に向いています。

肝心なのは使用するSIM

格安スマホだからといって「安かろう悪かろう」という訳ではなく、購入してすぐに壊れるとか、不具合が生じやすい等の心配は不要です。

最新機能や高性能は望めませんが、日常の利用においては過不足なく利用できるはずです。

よく格安スマホの問題として取り上げられている問題の多くは、スマホ自体の問題というより、使用する格安SIMの問題である場合が少なくありません。

● 通信速度が全体的に遅い
● 混雑時に速度低下して繋がらなくなってしまう
● 端末故障やトラブルなどの問題発生時のサポート体制が貧弱である

これらは代表的な格安SIMの問題です。

格安スマホに買い替えた後、どのようなSIM(通信サービス)を選ぶかにこそ注意を向けるべきだといえます。

HISモバイルで使用できる格安スマホ

HISモバイルで利用可能な格安スマホの入手先は以下の通りです。

● MVNO(通信会社)で購入した端末
● メーカー直販(Apple StoreやGoogle Storeなど)で購入した端末
● ネットショッピング(Amazonや楽天市場など)で購入した端末
● 家電量販店やディスカウントストアなどで購入した端末
● 中古スマホ専門店で購入した端末
● 個人売買(家族・知人からの譲渡、フリマ、オークションなど)で入手した端末

また、HISモバイルで使用できるスマホの条件は以下の通りです。

● 国内で正規販売された端末(※)
● SIMフリー端末またはSIMアンロック端末
● NTTドコモまたはソフトバンクのSIMロック端末

※国内で正規販売された端末でないと、通信の周波数帯が合わなかったり、「技適マーク(総務省の承認マーク)」がなく使用が法律違反になる場合があります。

HISモバイルは、NTTドコモ及びソフトバンク回線の通信サービスを提供しているため、SIMフリー端末や、SIMロック解除端末(SIMアンロック)はもちろん、NTTドコモとソフトバンクのSIMロックされたままの端末でも利用することが可能で、幅広い端末で利用可能です。

格安スマホまとめ

格安スマホは、基本的な機能・性能をしっかり押さえ、メールやSNS、WEB閲覧など日常の使用に必要十分なハイコスパのAndroidスマホがほとんどです。

価格が安いため、粗悪品や壊れやすいなどのイメージがありますが、普通に使用していれば壊れやすいなどということはありません。

品質的に見れば確かに「上質」とは言えませんが、価格が安いことは買い替えやすいということでもあり、常に新しいモデルを持てるという高性能モデルにはないメリットにもなっています。

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