思うより簡単!格安SIMの申し込みと事前準備・注意点まとめ

2023.07.03

今回は、格安SIMの申し込みの方法や事前準備、申し込み時の注意点などをまとめます。
この記事は
「格安SIMにしたいけど手続き難しそう」
「格安SIMってどこでどうやって申し込めばいいの?」
なんて思って、まだ高い料金を支払い続けているアナタに申し込み方法や事前にやっておくべき準備、注意点などを分かりやすく解説します。
これを読んでアナタも割安料金の格安SIMにサクッと乗換えませんか?

格安SIMってなんだっけ?簡単におさらい

格安SIMとは何か。
契約完了してから「こんなはずじゃなかった」ということにならないために、格安SIMの基本についておさらいしておきましょう。

格安SIMは大手キャリアの通信回線を使っている

時々、格安SIMってどこの通信回線使ってるか分からないから信頼性がないよね…なんて話を耳にすることがありますが、これは大きな誤解です。
日本には現在、大手キャリア4社が提供する以外にスマホ向けの通信回線は存在しません。

格安SIMは大手キャリア4社から通信回線をまとめて借り受け、小分けにして利用者に提供しているので、格安SIMであっても必ずキャリア4社のいずれかの回線を使っています。

ただし、借り受ける回線の量(トラフィック量=通信量)によって、通信速度の速い・遅いなどの違いが生じるので、出所は同じでも、格安SIM各社の考え方によって違いが生じる場合があります。

概して、格安SIMは大手キャリアよりも通信速度は遅い傾向にありますが、その分、割安な料金設定となっている点を評価して利用すべきサービスです。

格安SIMは余計な経費をかけないので割安料金

格安SIMの最大の特徴は、その名のとおり「格安」であること、つまり料金の安さです。

その最大の特徴を明確に打ち出すために、格安SIM各社は経費コストを削減して浮いたお金を料金の安さに充てています。
例えば「店舗」は利用者にとっては便利なものですが、コスト的に見れば、地代家賃・光熱費・人件費など非常に大きな経費がかかる「コストの高いサービス」なのです。

そのため格安SIMの多くは実店舗を持たないか、あっても家電量販店の一角を借りるなど、実店舗にはお金をかけない格安SIMが多いのです。

また「電話サポート」も同様にコストがかかるサービスとして、チャットサポートや外部の代行業者を利用するケースが多いのです。
利用者にしてみれば「サービスが悪い」ということになりますが、そうしなければ、あれだけの割安料金は実現しません。

料金が割高でも質の良いサービスを求めるなら大手キャリアを、サービスにはある程度目を瞑ってでも割安な料金を求めるなら格安SIM…といった棲み分けが必要です。

各社独自に使い勝手のよい料金プランを提供

格安SIM各社は各々独自の料金プランを自由に設計して提供しています。
利用者が「こんなプランがあったらいいな」と思うような料金プランを打ち出しています。

月間に利用できるデータ容量の区切りも各社それぞれですし、最低容量もまちまちです。特定のジャンルのコンテンツ利用時の通信費を無料にするサービスや、使った分だけの料金を請求するなど、バリエーションに富んだ料金プランやオプションサービスは大手キャリアにはないものです。

格安SIMは大手キャリアの安いだけのデグレードな代替サービスではなく、格安SIMでないと望むサービスを得られないと考えるユーザーも増加しています。

電話番号の新規発行または継続利用を選べる

格安SIMを利用する際には、電話番号を新規発行するか、あるいはそれまで利用していた電話番号を継続利用するかを選べます。

一般的に、新しい電話番号を発行する場合は「新規契約」、従来番号を引き継ぐ場合には「電話番号移行(MNP)」といいます。
新規契約の場合には、初めて電話番号を持つ(回線契約する)場合も、従来番号を破棄して新たな番号を発行する場合も手続きは同じです。

番号移行(MNP=Mobile Number Portability=携帯番号持運び制度)の場合には、他の3キャリアと他社格安SIMから乗換える場合に電話番号を移転することが可能です。

割安なスマホ端末(格安スマホ)をセット販売

格安SIMサービスでは多くの場合、自社回線とスマホ端末をセットで販売しています。
セット販売されるスマホは価格が安く購入の負担が小さいエントリークラスのモデル、エントリークラスよりも少し価格が高いが性能・機能が向上しているミドルクラスのモデルが中心です。

格安SIMサービスが販売するスマホ端末を購入するメリットは、自社回線を問題なく使用できる端末が選ばれているため、購入後に「使えなかった」ということがなく、初心者でも安心して購入できる点です。

多くの場合、回線セットまたは既存契約者の機種変更のみ購入可能で、未契約者の端末のみの購入はできないケースがほとんどです。

料金支払い方法はクレジットカードのみの場合が多い

格安SIMの料金支払い(決済)方法は、クレジットカードのみ可能としているケースがほとんどです。
一部に口座振替が可能な格安SIMサービスもありますが少数派です。

これは、本人確認等の審査をする際に、クレジットカードの信用情報を利用するためで、クレジットカードを持っていない場合には、原則として格安SIMとの契約は難しいと言えます。

契約時には以下を要件を満たすクレジットカードが必要です。
・契約者本人名義である
・有効期限内である
・利用可能である(利用停止などがない)

ちなみに家族であっても他人名義のクレジットカードは原則使えません(実際の各社の対応については個別に問い合わせる必要があります)。

格安SIM申し込みの事前準備

格安SIMを申し込む際には事前に準備しておくべきものがいくつかあります。

特にMNP制度を利用して申し込む場合には、有効期限が決められているため、手続き途中で書類の不備等があると有効期限が切れてしまうので、必ず事前に充分な準備をしてから手続きを開始するようにしましょう。

本人確認書類

新規契約・MNPによる乗換え、いずれの場合でも「本人確認書類」の提出が必須です。

本人確認書類では「氏名」「現住所」を確認します。
婚姻などで氏名が変わっている場合には申し込み時点の「氏名」が記載されていることが必要です。

また「現住所」は実際に契約者が居住している住所です。SIMカードや購入品の届け先ではありませんので要注意です。

氏名や現住所が実際と異なる場合には、事前に本人確認書類の記載内容を変更しておく必要があります(例:運転免許証は現住所の住民票を持参して警察署等で記載を変更(裏面記載)が可能です)。

SIMカードやスマホなどの購入品は「転送不要」で申込住所に発送されます。申し込み住所と本人確認書類記載の住所を確認するため、受け取り者が配送業者に「転送依頼」を行っても転送されず受け取れませんので注意してください。

クレジットカード

本人名義の有効期限内で、実際に利用可能なクレジットカードを準備しておく必要があります。
たとえ家族であっても他人名義のクレジットカードは使えません。また有効期限を過ぎているカードは使用できません。また、利用停止などで実際に利用できないカードも使用できません。

本人名義であれば、本カード・家族カードいずれでも構いません。

メールアドレス

契約申し込みの時点で、実際にメールを受け取ることができるメールアドレスを準備しておく必要があります。
申し込み後の審査結果や、手続きの進行などを知らせるメールが届くため、メールアドレスの準備が必須です。

キャリアメール(携帯メール)でも構いませんが、PCからのメールを拒否する設定になっていると連絡・通知のメールを拒否してしまう場合があります。キャリアメールを使用する場合には事前に受信設定を確認しておきましょう。

MNP予約番号

乗換えでの契約の場合のみ「MNP予約番号」が必要です(新規契約の場合は不要)。
乗り換え前の通信会社に「MNP転出」あるいは「他社転出」の申し込みをして、「MNP予約番号」を取得しておく必要があります。
「MNP予約番号」を添えて申しこまないと、電話番号を継続できませんので要注意です。

通信各社の「他社へ乗換える」「MNP転出」等に記載の手順や注意書きに従って手続きを進めてください。

格安SIMの申し込み手続きは実店舗とオンラインの2通り

格安SIMサービスと契約する場合には、実店舗とオンライン(WEB)の2通りの方法があります。
実店舗を持たない格安SIMサービスもあるので、場合によってはオンラインのみの申し込みとなるケースもあります。

格安SIMを実店舗で申し込む

自社看板を掲げたショップや、量販店のスマホ売り場などにカウンターを設置している場合など、実際にスタッフ相対で申し込みが可能な場合があります。
自社ショップの場合には専任のスタッフが常駐しているので、不明点や疑問点などを教わりながら申し込み手続きを進めることができます。
量販店カウンターなどの場合にも同様にスタッフ相対で申し込み手続きを行うことができますが、場合によってはアルバイトスタッフで質問に対して明確な回答が得られない場合もあるようなので注意が必要です。

HISモバイルでは、HISモバイル専売店である「HISモバイルステーション」のほか、「J-PICモバイルステーション」「アイサポ(iPhone修理店)」等、実店舗を各地に展開しています。

HISモバイルのオンライン申し込み手順

WEB上からオンラインのみで申し込み手続きを完了することが可能です。
WEB上での申し込みといっても特に難しいことはなく、ページに記載されている通りに勧めていけば、誰でも簡単に申し込み手続きを行うことができます。
以下はHISモバイルの「自由自在プラン」を事例にした実際のオンライン申し込みの様子です。

(1)はじめにSIMの種類を選択します。
プラスティックカードタイプのSIMを選んだ場合には、宅配便でSIMが届くまで開通できないため、実際の利用開始は申し込み手続きの1~3日後となります。
eSIMを選んだ場合には、当日中に設定を完了して利用開始が可能です。

(2)SIMに関する注意事項
SIMに関する注意事項に同意(チェックを入れる)し、申し込み手続きに進みます。

(3)通話機能、SMS機能選択
音声通話が可能なSIMか、データ通信のみ可能なSIMかを選び、データSIMを選んだ場合には「SMS機能」を付加するかどうかを選択します。

「SMS」とはショートメッセージサービスの略で、SIMの番号宛にショートメッセージを送る機能です。番号宛のメッセージは音声通話SIMの電話番号宛にしか送れませんが、SMS機能を付加したデータSIMでも送受信できるようになります。

(4)データ容量を選択
1か月間に使用するデータ容量を選択します。容量は多い方が安心ですが、容量ごとに料金が加算となるため無駄に大容量を申しこむのは不経済です。
自分のスマホの使い方を勘案して適切な容量を選ぶようにします。データ容量は契約後でも変更可能で、変更手続きをした翌月の1日から変更となります。

(5)通話オプションの選択
通話が多い場合は通話オプションを付けた方が料金が割安になる場合があります。
「通話5分定額」はいわゆる「5分かけ放題」と同じ内容です。月額500円の別途料金がかかりますので、5分間の通話を月に合計13分以上かける(発信する)場合はお得になります。

「完全かけ放題オプション」は、定額料金内で時間制限なくすべての通話がかけ放題です。5分以上の通話を月に合計37分以上かける(発信)場合にお得になります。
上記よりも通話が少ない場合には「つけない」選択がお得です。

(6)エントリーパッケージ
量販店やAmazon等のネットショップで、初期費用が無料になる「エントリーパッケージ」を購入している場合には「お持ちのお客様」に該当します。エントリーコードを入力することで、初期費用が減免されます。

(7)申込内容の確認
ここまでの申込内容を確認します。申し込みプラン、SIMの種類、音声通話の有無、SMSの有無、データ容量、通話オプション、エントリーパッケージの有無など、希望と合致した申込内容になっているかを確認します。

(8)規約同意
「注意事項」や「利用規定」を読み、内容に同意して先に進みます。

(9)ID登録
HISモバイルではマイページ(料金やデータ使用量等の確認や各種手続き)を利用するためのID登録が必要です。
過去にHISモバイルを利用していてIDを持っている場合は既存のID、持っていない場合には新規の登録となります。

(10)申込内容の確認後、契約者情報や決済(クレジットカード)情報の入力に進みます。各ページの記載通りに進めれば、特に難しいことはなく手続きを完了できます。

格安SIM申し込みの注意点

格安SIMサービスを申しこむ際にはいくつか注意点があります。以下の代表的な3点について解説します。
(1)MNP予約番号には利用期限がある
(2)MNP予約番号不要の「ワンストップMNP」がはじまる
(3)SIMカードや購入品の配送先は転送できない

MNP予約番号には有効期限がある

現在利用中の通信会社から他社サービスに乗換える(切り替える)際に、使用中の電話番号を破棄して新たな電話番号を取得する手続きを「新規契約」といいますが、電話番号を他社でも継続して利用する場合には「MNP」制度を利用します。

これまでは、転出元(今まで利用していた通信会社)に「MNP転出」する旨を伝えて「MNP予約番号」を発行してもらう必要がありました。発行されたMNP予約番号を添えて乗り換え先の通信会社に利用申込を行うことで、電話番号を引き継ぐことが可能です。

重要なのは発行から15日間の「有効期限」がある点です。
発行から15日以内に他社サービスとの契約が成立(回線の開通)しない場合には、MNP予約番号は無効となりそれまでの手続きはすべて無効となります(乗換えないまま)。

また、多くの通信サービスで「MNP有効期限」の残り日数を規定しており、残存有効期限が規定より短いMNP予約番号では手続きができない場合があるので要注意です。
MNP予約番号は、確実にMNP手続きが実行できるタイミングで取得するようにしましょう。

MNP予約番号不要の「ワンストップMNP」がはじまる

画像出典:総務省

これまで電話番号を引き継いで他社に乗換える場合、転出元から発行された「MNP予約番号」を添えて乗り換え先の通信サービスに利用申込をする必要がありましたが、2023年5月24日から、乗り換え先で申しこむだけでMNPが行える「MNPワンストップ」制度が開始しました。

この制度は、転出元で「MNP予約番号」を発行してもらう必要がなく、転出先の通信サービスに利用申込をおこなうだけで、使用中の電話番号を引き継げるもので以下のようなメリットがあるとされています。
1.単純に手続きの手間が半分(2ヶ所の手続きが1か所でOK)
2.転出元の引き止めや、乗り換え理由を聞かれることがない
3.(もともと罪悪ではないが)罪悪感を感じにくい
4.MNP予約番号発行の余計なコストがかからない

ただし、「ワンストップMNP」を利用できるのは、転出元・転入先がいずれも「ワンストップMNP」制度に参加している場合に限られます。現時点で「ワンストップMNP」制度に参加しているのは以下の通信サービスです。

●NTTドコモ
ahamo
●au
UQmobile
Povo
●Softbank
Y!mobile
LINEMO
LINEモバイル
●楽天モバイル
●日本通信SIM
b-mobile
●ジャパネットたかた
以上すべてオンライン手続きのみ「ワンストップ」対応可能

大手3キャリアとそのサブブランドや格安プランはすべて対応するので、キャリア間の乗換えや、サブブランド/格安プランのMNP乗換えもワンストップ対応が可能です。
MVNO(いわゆる格安SIM)各社各サービスは現時点で参加を表明しているのは、日本通信とジャパネットたかたのみです。

SIMカードや購入品の配送先は転送できない

申込み完了し審査を通過すると、SIMカードやスマホ端末等の購入品が宅配便で配送されますが、配送先は申し込み時に記載した「現住所」のみです。
宅配業者に転送を依頼していても、「転送不要」で発送されるため転送配達されません。

これは申込住所に実際に居住しているかを確認する意味もあるので、契約さえクリアすればOKということではなく、本人確認書類に記載の実際の現住所で申し込む必要があります。

格安SIM申し込みまとめ

今回は格安SIMの申込み方法や注意点などについてまとめました。

いずれの通信会社も新規ユーザーは欲しいので、さほど難しい手続きは求めていません。苦手意識をもたず画面の指示通りに手続きをすすめていけば、問題なく申し込みを完了できるはずです。

ただ「本人確認書類の不備」や「クレジットカードの不備」等で手続きできないケースが少なくありません。本人確認書類に記載の氏名や住所が正しいかどうか、クレジットカードが本人名義で有効期限内であり、利用停止などになっていないことをあらかじめ確認しておくことが重要です。

5/24以降は、転出元に「MNP予約番号」の発行を依頼しなくてもよい「MNPワンストップ」が開始になり、通信大手キャリアを中心に徐々に対応サービスが拡大していくものと思われます。
そうなれば、引き留め工作なども受け無くなる上、MNPにかかるコストもなくなるため、MNPを使った乗り換えが活性化するのではないかと言われています。

これを機に、もっと割安で高品質な格安SIMサービスへの乗り換えを検討されてはいかがでしょうか。

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