スマホが充電できない時の対処法を解説~すぐに試したい解決方法

2023.08.31

今回はiPhone等のスマホが充電出来なくなった際の原因の見つけ方や対処法について、初心者でも分かりやすく解説します。
これを読めば、充電マークが点灯しないスマホを前にしても的確に対処できるようになります。
なお、本稿は基本的にiPhone向けに書かれていますが、Androidスマホにも当てはまることはたくさんありますので、Androidユーザーの方もぜひお読みください。

充電できない原因がどこなのかつきとめる

まずは充電できない原因が「電源」か、「充電器」か、「スマホ本体」なのかを特定して、特定した原因に対して必要な対応をすることが重要です。

電源に問題があって充電できないケース


電源とは、家の壁のAC100Vコンセントを指します。
まさか「停電」ということはないと思いますが、何らかの理由でコンセントに電気がきていない可能性はないでしょうか。

「そういえばさっき落雷があって一時的に停電した」等のイレギュラーなことがあった場合には、ブレーカーを確認してみましょう。
ブレーカーに問題ない場合には、ACコンセントに接続している充電器を一旦外し、以下を確認しましょう。

・他の電気製品は動作するか(充電でなくても良いので通電を確認します)
・他の部屋のコンセントでは充電できるか(1つのコンセントだけか家中すべてなのか)
・他の部屋のコンセントで他の電気製品は動作するか

充電できなかったコンセントで他の電気製品が正常に動作するなら、原因は接続している「充電器」または「スマホ本体」にあるということになります。
他の部屋のコンセントで充電できるなら、最初の部屋のコンセントに不具合が生じていることになります。

他の部屋のコンセントで充電はできないが他の電気製品は動作するのであれば、原因は接続している「充電器」または「スマホ本体」に原因があることになりますし、他の部屋のコンセントで、充電も他の電気製品も動作しないのであれば、家中のコンセントに不具合が生じている可能性があります。

この場合には至急、電気工事・修理業者に修理を依頼する必要があります。ブレーカーを落として専門家の診断・修理を待ちましょう。

【ヒント】新しい端末を購入した際、旧端末や付属品などは下取りや転売したり、廃棄してしまう場合が多いと思いますが、複数の端末や付属品があると今回見てきたような「充電できない」などの不具合の原因の特定がしやすくなります。
もちろん、故障時には代替機にもなるので、もし可能であれば万が一の時に備えて、代替スマホ(必ずしもiPhoneでなくても大丈夫です)や充電器・充電ケーブルなどは2セット用意しておくとよいでしょう。旧端末や付属品は残しておくことをおすすめします。


蓄電池に問題があって充電できないケース


蓄電池とは、モバイルバッテリーやポータブル電源などの、電気を充電して貯めて置ける電源を指します。

モバイルバッテリーやポータブル電源などの蓄電池を電源にしている場合には、以下の3点を確認しましょう。

・蓄電池の充電残量はあるか
・接続端子(USB)が壊れていないか(目視で確認)
・熱を持っていないか(充電器・コード・スマホ本体を触って確認)

まず、蓄電池の充電切れを疑います。インフォメーションパネルなどの表示で、充電残量があることを確認します。

ポータブル電源は、AC100Vで出力する際にインバーターのスィッチを入れて利用しますが、実はインバーター自体も電気を食うので、使用後にインバーターをONにしたままにすると充電容量をすべて使い切ってしまい、残量:0という場合があります。

残量があるのに充電できない場合で他の電気製品が動作するなら、充電できない原因は接続している充電ケーブルか、スマホ本体にあることになります。
残量があって充電も他の電気製品も動作しない場合には、蓄電池の不具合が原因と考えられます。メーカーなどに相談・問合せしてみましょう。

モバイルバッテリーやポータブル電源にも寿命があります。最近のポータブル電源はリン酸鉄リチウム電池の採用で非常に長寿命になっていますが、モバイルバッテリーやポータブル電源は充放電を繰り返すことで徐々に充電可能な容量が減少する形で劣化が進みます。

リチウムイオン電池のポータブル電源やモバイルバッテリーを3~5年ほど使用している場合で、スマホ充電ができない場合には、モバイルバッテリーの寿命を疑ってみることも必要です。

充電器に問題があって充電できないケース

電源に問題がない場合には、次に充電器や充電ケーブルを疑います。

充電器や充電ケーブルが複数あれば、不具合の確認は簡単です。別の充電器や充電ケーブルで充電できれば、充電器やケーブルの不具合ですし、他の充電器・ケーブルでも充電できなければスマホ本体の不具合を疑います。

充電器の不具合を疑う場合には以下の点も要チェックです。

充電するスマホに付属の純正充電器や充電ケーブルか

充電器や充電ケーブルが純正品でない市販品の場合、正しく充電できなかったり、異常な高温になる場合があるので注意が必要です。

特にiPhoneには「MFI認証」という制度があって、Appleが社外(サードパーティ)品に対して互換性を認証する制度で、純正品以外の場合には「MFI認証」済みの製品を使用することを強くおすすめします。

プラグや端子の破損、ケーブルの断線

充電器の接続端子などが破損していないか目視で確認します。またケーブルも、特に接続プラグの根本付近は折れ曲がりによる断線をしやすいのでよく確認します。

ケーブルのプラグ部分の根本を押し込んだり曲げたりすると一時的に充電できる場合にはケーブルが断線している可能性があります。断線部分も発熱しやすいので、早めに他のケーブルに差し替えて使用してください。

スマホ本体に問題があって充電できないケース

電源や充電器・充電ケーブルに問題がないとなれば、スマホ本体に不具合や何らかの原因があって充電できないことを疑います。

とりあえず再起動してみる

充電できないケース以外にも、スマホの様子がいつもと違う、違和感があると言う場合には、まず最初の対処として「再起動」を実行してみましょう。

スマホ内部で何らかの原因で正常な動作が出来なくなっている場合があり、その場合は再起動することで正常動作に復帰することが多いので試してみる価値はあります。

iPhoneの場合、再起動は機種によって幾つかパターンがあります。

(1)iPhone X・11・12・13・14シリーズ

サイドボタン(本体右側面)と音量調節ボタン(上下どちらでも)を同時に長押し、電源OFFスライダーが現れたら電源を一旦切ります。サイドボタンを長押しし電源をONにします。

(2)iPhone 6・6s・7・8・SE(第2・第3世代)

サイドボタン(本体右側面)を長押しし、電源OFFスライダーが現れたら電源を一旦切ります。サイドボタンを長押しし電源をONにします。

(3)iPhone 5・5s・SE(第1世代)

トップボタン(本体上面)を長押し、電源OFFスライダーが現れたら電源を一旦切ります。サイドボタンを長押しし電源をONにします。

(4)強制再起動
フリーズや何らかの不具合によって通常の再起動ができない場合には、強制再起動を行います。強制再起動の方法については以下のAppleサポートページを参照してください。
https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph8903c3ee6/ios

Lightningコネクタなどの埃詰まり

長年使用していると、充電ケーブルを差し込むLightningコネクタなどの充電口に埃などが詰まり接触不良となり充電できない場合があります。

充電口に充電コードのプラグを接続する度に微量のゴミや埃を奥に押し込んでいることになるため、実は充電口はとても汚れが溜まりやすいことを覚えておいてください。

充電口の埃などが原因の場合には、原因を取り除くことで充電可能になる場合がありますが、コネクタ内部を損傷しないよう金属製は避け通電しない素材で注意深く作業してください。

充電口の浅い場所に目視して見える埃などは爪楊枝(木製)などで充電口の端子を傷つけないようそっと取り除きます。故障の原因になりかねないため、爪楊枝は奥へ差し込まない方がよいでしょう。

カメラ用のレンズブロアや息などを吹くことで除去できる場合もありますが、逆に奥へ押し込んでしまう可能性もあるので要注意です。

スプレータイプの「エアダスター」「スプレー式の液体クリーナー」は使用しないでください。これらの製品は単にエアを噴出するだけでなく、クリーナー成分などが含まれているためです。もし使用するのであれば空気だけを吹きかけるようにしてください。

発熱による充電機能の停止

iPhoneの場合、本体が高温となった際に充電を停止する機能が備わっています。
図は、iPhoneが熱による充電停止をした際のバッテリー管理画面です。

これは特に故障というわけではなく、iPhoneが自身を守るために一時的に充電を停止して、それ以上の温度上昇を避けるための一時的な対処です。

ただし、高温による充電停止が頻繁に起こる場合には、バッテリーの劣化が進んでいる可能性があるので、バッテリー交換を検討しても良いかもしれません。

【スマホの熱の冷まし方】
スマホ本体が熱くなった場合、充電をやめ充電器やケーブルをはずしそのまま放置して自然に熱が冷めるのを待つというのが基本的な対応です。

(1)NGなスマホの冷まし方
急ぐ場合には強制的に熱を冷まさなければなりませんが、以下はNG行動です。
・冷蔵庫、冷凍庫に入れる
・(防水なので)氷水に浸す、水をかける

(2)正しいスマホの冷ましかた

急ぐ場合には扇風機やサーキュレーターなどで風を当てる方法を採用してください。

バッテリー充電の最適化

iPhoneに「バッテリー充電の最適化」が設定されている場合、タイミングによっては充電が80%までで停止する場合があります。

例えば、就寝前に充電を開始しオーナーが起床する前に充電容量が80%に到達した場合、「最適化」が設定されていると、一旦充電を中止しオーナーの起床を待って充電を再開する場合があります。

これは、日ごろの充放電パターンを学習し、iPhoneが使い始められる時間帯まで充電を保留することで、満充電の状態を長時間継続することによるバッテリーの劣化を防ぐ効果がありますが、この機能を知らないと「故障」や「不具合」と感じてしまうかもしれません。

これは故障ではありません。最適化を外せばいつでも満充電まで充電します(ただし満充電はバッテリーを痛める原因です)。

水没の影響

過去に水没(液体侵入)による内部部品や基板の腐食などが時間経過によって不具合を引き起こしている場合があります。

iPhoneや防水機能を謳ったAndroidの防水性能は高いので滅多なことでは液体侵入は許しませんが、それでも気づかないうちに液体が侵入し、その場は正常に動作していても徐々に内部で腐食が進みずっと後になって不具合が発生する場合があります。

液体が侵入しても微量の場合や、入り込んだ場所に恵まれていた場合には、そのまま正常に動作し続け、腐食が進んだ数年後に症状が突然現れるといったケースもあるので要注意です。

iPhoneは液体が侵入したかどうかをインジケーター(LCI)によって簡単に確認することができます。

画像出典:apple.com

図はiPhone 14シリーズの液体侵入インジケーターの場所です。SIMスロット内部のインジケーターが赤くなっていたら、過去に液体が侵入したことになります。

iPhoneは歴代モデルとも、SIMカードスロットの内側に液体侵入インジケーターがあります。
➡Appleサポート:https://support.apple.com/ja-jp/HT204104

バッテリーの寿命


iPhoneを含むスマホのバッテリーの多くは、リチウムイオン電池やリチウムイオンポリマー電池を採用しており、充電・放電(電気を使うこと)を繰り返すと徐々に劣化しますが、劣化の症状は「充電容量の減少」という形で現れます。

スマホのバッテリーが劣化すると、まったく充電できないことはないと思われますが、非常に充電時間・充電量が少なく、必要な電力を得られないといった実用性を逸する状況になるケースがあります。

この場合には対処方法はありませんので、バッテリーの交換や端末の買換えを検討する必要があります。

ちなみに、劣化を緩やかにする(長持ちさせる)ことは可能です。

画像は筆者のiPhone 12で購入から2年半以上使用していますが、バッテリーの最大容量は92%を維持しており、劣化速度を緩やかにすることに成功しています。

※iPhoneバッテリーの寿命を延ばす正しい充電方法はこちら

スマホが充電できない まとめ

「スマホが充電できない!」となると驚きますし、急いでいる場合には焦りが募ります。

けれど、充電できない原因は大きく分けて3つで、本稿では、大きな3つの原因ごとに対処法や注意点をまとめました。

(1)電源の問題
家庭のACコンセントの問題に関しては「コンセントに問題がある」と特定するところまでしかユーザーにはできません。特定したら専門業者に依頼してください。
電気関連の工事は資格者でないと行えませんし、危険を伴うので素人レベルでの対応は絶対に避けてください。

(2)充電器・充電ケーブルの問題
充電器や充電ケーブルの問題が最も「軽度」な問題と言えるかもしれません。充電器やケーブルを買い直すことで、数千円のコストで充電可能となります。

(3)スマホの問題
スマホに問題がある場合は、少し複雑です。
熱だけの問題であれば、自然にあるいは風にあてて覚ませば充電機能は復旧しますが、水没やその他の原因による故障の場合には、ユーザー自身が修理することはなかなか難しいため、Appleサポートなどメーカーの窓口、購入店、街の修理専門店などに相談することになるでしょう。

それぞれに長所・短所があり、どこへ持ち込むのかはユーザーの判断になりますが、いずれにしても専門家に対応してもらうことをおすすめします。

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