スマホのメモリーとストレージとは?ストレージの空き容量を増やす方法

2024.08.30

今回はスマホのストレージ容量について解説します。

スマホは日々の使用によって次第にストレージ容量が減少してゆきますが、ストレージ容量が不足するとスマホの動作が遅くなるなどのデメリットが生じる場合があるため、ストレージ容量確保は重要です。

本項では、

(1)スマホのメモリーとストレージの違い
(2)ストレージ容量が不足すると生じるデメリット
(3)不足した際にストレージ容量を増やす方法

の3点について解説します。

スマホのメモリーとストレージの違い

スマホの「記憶」「データの保存」ということで、よく混同されるのが「メモリー」と「ストレージ」です。同じ「記憶」することを表す言葉ですが、その役割は大きく異なります。

メモリは「作業する机の広さ」と表現されます。作業する机の広さが大きければ大きいほど、複数の作業を同時に行えたり、負荷の大きな処理を受け入れることが可能です。

一方ストレージは「引き出しの数や大きさ」に例えられます。保存、保管できるデータをたくさん入れておくことが可能です。

メモリーとストレージの違い

メモリーストレージ
RAM
Random Access Memory
ランダム・アクセス・メモリー
ROM
Read Only Memory
リード・オンリー・メモリー
一時的にデータを保存する「記憶」で、処理中のデータの保管場所として機能します。RAMはスマホが動作している間だけ有効で、スマホの電源を切るとデータは消滅します。読み取り専用の「記憶」で、画像や動画、メール履歴、SNS履歴など、スマホが覚えているデータの保管場所として機能します。ROMはスマホの電源を切ってもデータを保持します。


メモリーもストレージも「メモリー(記憶)」であることは一緒ですが、その目的や役割がまったく異なります。メモリー(RAM)が一時的な作業中のデータの保管を行うのに対して、ストレージ(ROM)は作業はできない代わりに電源を切っても失われない継続的なデータの保管を担っています。

言い換えると、RAMが大きければ大きいほどスマホの処理能力が高く、ROMが大きければ大きいほど記憶できるデータ量が多くなります。もっと簡単に言えば、RAMは「賢さ」でROMは記憶力の良さということになります。

ストレージの容量は足りなくなることがある

ストレージの空き容量が減少してくると、スマホの動作が鈍くなったり動作の滑らかさが失われるなどの症状が出る場合があります。

また、記憶することができないため写真や動画を撮影できなくなったり、スマホが突然フリーズしたり画面が真っ暗になるなど深刻な症状が出る場合があるため、ストレージの空き容量確保に常に留意する必要があります。

【ストレージ容量が大きいほどスマホは高額になる】 例えば現行iPhone 15には3種類のストレージモデルがラインナップしますが、ストレージ容量によってその価格は大きく異なります。

・128GBモデル … 124,800円
・256GBモデル … 139,800円
・512GBモデル … 169,800円

写真や動画を大量に保存しておく、受信メールは捨てずに保管しておきたい、SNSのトーク履歴はずっと保存しておきたいなど、保存したいデータが多ければ多いほどストレージ容量の大きなモデルが必要になり、購入額は高額となります。
このことは、iPhoneばかりでなくAndroidスマホでも同様で、多くのスマホはストレージ容量が異なる複数のモデルをラインナップしています。

ストレージの空き容量は増やすことができる

メモリー(RAM)は、スマホを購入後にユーザーが増やしたり減らしたりすることはできないため、購入するスマホの仕様に100%依存することになります。

一方、ストレージ(ROM)は最大容量が大きなモデルほど高額ですが、購入後のストレージの空き容量はユーザーがコントロールすることができます。

最大容量を超えてストレージの空き容量を増やすことはできませんが、無駄なデータを削除したり保管場所を別の場所に移すことで、スマホが自ら保存するデータ量を少なくしてストレージ不足を回避することができます。

具体的なストレージの空き容量の増やし方は後述します。

ストレージの容量不足が招くデメリットとは

ストレージの空き容量は、日々のスマホ利用によってどんどん減少してゆきます。撮影した写真や動画、スクリーンショットなどもすべてストレージに保存されますし、受信したメールの情報や本文なども同様です。

そのまま何もせずにスマホを使い続ければ、いずれストレージに空き領域がなくなり、それ以上データを保存することができなくなるばかりでなく、様々なデメリットが生じる場合があります。

(1)データの保存ができなくなる
(2)アプリをDL、アップデートできなくなる
(3)OSをアップデートできなくなる
(4)スマホの動作が遅くなったりフリーズする
(5)ハードウエアの寿命が短くなる

データの保存ができなくなる

ストレージの空き容量がなくなってしまうとそれ以上のデータの保存ができません。空き容量が非常に少ない場合も、空き容量を上回るデータは保存できません。

データが保存できないと、写真や動画を撮影しても「写真フォルダー」に保存されませんし、メールやSNS履歴などもデバイスに保存されないため、スマホの使い勝手を非常に悪化させ、実用性を失ってしまいます。

アプリをDL、アップデートできなくなる

新たなアプリをダウンロード~インストールできなくなります。また利用中のアプリについても新バージョンへのアップデートができなくなるためアプリ利用ができなくなる場合もあります。

OSをアップデートできなくなる

iOSやAndroid-OSを新しいバージョンにアップデートできなくなります。

OSは新しいバージョンで、動作や機能のブラッシュアップや最新セキュリティ対策などをデバイスに反映させる役割がありますが、そうした新しい機能をデバイスが受け取ることができなくなり、特にセキュリティ面で大きな不安材料を抱えることとなります。

スマホの動作が遅くなったりフリーズする

ストレージの空き容量が乏しい状態で使用していると、スマホの動作が遅くなったり、フリーズを起こすなど実用性を損なう場合があります。

スマホはインストールされているアプリを利用する際には、ストレージに「キャッシュ」を一時保存しますが、ストレージに余裕がないと新たなデータを保存するために古いキャッシュデータを削除する必要が生じます。

このために最悪の場合、「強制終了」と「再起動」を繰り返すようになりユーザーの操作を受け付けなくなるなど実用性を大いに阻害するケースがあります。

ハードウエアの寿命が短くなる

ストレージの空き容量が少ない状態でスマホを使い続けていると、スマホの寿命を縮めてしまう場合があります。

スマホはインストールされたアプリが多ければ多いほど高負荷となりますが、インストールされたアプリが多いことは、すなわちストレージの空き容量を減らしていることになります。

ストレージに余裕のない状態での利用が長期間に及んだ場合、常にスマホに大きな負担を強いていることとなり、ひいてはスマホ自体の寿命を縮めることになり兼ねません。

不要なデータを削除してストレージの空き容量を増やすべし

以上のようなデメリットを生じさせるストレージの空き容量不足は、できるだけ早めの対応が必要です。

・同じ写真や動画を何枚も保存している
・古いメールやSNSトーク履歴をずっと保存している
・使わないアプリを大量にインストールしている

等々といった「無駄なデータ」「無駄なアプリ」を削除することで、ストレージの空き容量を増やすことは、スマホの快適な動作や長寿命化に効果があると言えます。

スマホのストレージの空き容量を増やす方法

ここまで見てきたように、スマホのストレージにはできるだけ多くの空き領域を残しておくことが推奨されます。

スマホのストレージの容量は、購入したモデルによって決まっていてそれ以上は増やすことはできませんが、ユーザーの対応によって容量の中で使用可能な空き容量を増やすことが可能です。

つまり、不要なデータやアプリを削除することで無駄な容量消費をなくすことで、より大きな空き容量を確保できます。

キャッシュを削除する

スマホには、アプリやブラウザを使用する際に素早く動作させるためのデータ(画像やWEBデータなど)を保存しておくようになっており、このタスクの高速化のために保存しておくデータを「キャッシュ」といいます。

キャッシュを保存しておけば、アプリやWEBサイトを利用する際に重いデータをその都度読み込まなくて済むために動作が高速化するメリットがあります。その反面、アプリやWEBサイトを利用するたびにどんどんキャッシュが溜まってスマホのストレージを食ってしまうというデメリットがあります。

スマホの動作が遅くなった等のストレージ不足の症状が見られる場合には、キャッシュの削除を行うことでストレージの空き領域をふやすことができ、動作速度も改善します。

Androidスマホのキャッシュ削除

Androidスマホのキャッシュ削除は、アプリとブラウザで別々の対応が必要になります。

以下に、アプリとブラウザそれぞれのキャッシュ削除方法を紹介しますが、ブラウザについては多くのAndroidスマホが標準ブラウザとなっている「Google Chrome」のキャッシュ削除を紹介します。

アプリのキャッシュ削除方法

Androidスマホのキャッシュ削除は、「設定」内の「ストレージ」または「アプリ(管理)」等にアクセスし、アプリ個別にキャッシュを削除する必要があります。Androidの場合は、端末メーカーによってオペレーションが異なるため一概に言えませんが、「アプリ管理」や「その他設定」などの中に含まれていることが多いようです。

Google Chromeのキャッシュ削除方法

まずChomeアプリを立ち上げ画面右上の3点マークからメニューを表示し「設定」をタップします。開いた設定画面から「プライバシーとセキュリティ」をタップします。

プライバシーとセキュリティ画面から「閲覧履歴データを削除」をタップし、必要な動作を選んでチェックを入れて「データを削除」をタップします。

2番目の「Cookieとサイトデータ」を選択する場合には、WEBサイト等からログアウトするため、IDやパスワードが分からないとログインできなくなってしまう場合があるので要注意です。

iPhoneのキャッシュ削除

もっとも大きなAndroidスマホとの違いは、iPhoneには「設定」から実行できるアプリのキャッシュ削除の機能がない点です。

以下では、比較的大きなキャッシュを保存するアプリのうち、キャッシュ削除機能を持っているアプリを紹介します。

【Safari】

iPhoneの標準ブラウザである「Safari(サファリ)」はキャッシュ削除機能を搭載しています。

「設定」から「Safari」を選択、ページ下方の「履歴とWEBサイトデータを消去」をタップします。データ消去する期間を選んで「履歴を消去」をタップします。

【LINE】

LINEもアプリ自身の機能を使ってキャッシュを削除することができます。

「ホーム」画面右上の歯車マークから「設定」に進み、画面下方の「トーク」→「データ削除」と進みます。

データ削除画面から「キャッシュ」を選び削除します。

ちなみにトークのキャッシュを削除しても、トーク履歴(会話や画像・動画など)は消えることはありません。

不要なアプリやデータを削除する

長年、スマホを使っていると使わなくなって放置されたアプリが増えてきますが、そうした「使わないアプリ」もストレージ容量を消費しています。

もし、今後使う予定がないのであれば思い切ってアプリを削除しても良いかもしれません。

不使用アプリは1つ1つでは小さいですが、いくつもまとまると大きなストレージ領域を占有してしまうので、空き領域を増やすにはアプリ削除は有効な手段です。

【Androidスマホのアプリ削除方法】

Androidスマホのアプリ削除は、2通りの方法があります。

1つはホーム画面上のアプリアイコンを長押しして現れるメニューの「アンインストール」から削除する方法、もう1つは「設定」→「アプリ(管理)」→「アプリリスト」→「対象のアプリ」と進んでアンインストールを行う方法です(画像は後者)。

【iPhoneのアプリ削除方法】

iPhoneのアプリ削除も2通りの方法があります。

ホーム画面上のアイコンを長押しして現れるメニューの中の「アプリを削除」で削除するか、「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」→「対象アプリ」と進んで削除する方法です。

後者では、「アプリを取り除く」と「アプリを削除」を選べます。「取り除く」とはアプリケーションは削除されますが、書類とデータを保存しておくため再インストールした際にそのデータを反映することができます。「アプリを削除」はアプリケーションと書類・データをすべて削除するので再インストールしても過去データは普及しません。

再インストールの可能性がある場合は「取り除く」を、再び使うことはない場合には「アプリ削除」がおすすめです。

記憶媒体やオンラインストレージにデータを移動する

スマホは様々なデータを使用・保存していますが、そのデータを外部メモリー等に移設することで、スマホ本体ストレージに空き容量を増やすことができます。

SDカードなどの記録媒体や、GoogleフォトやAmazonフォトなどのクラウドサービスを使用するケースが考えられます。

外部の記憶媒体に写真や動画を保存する

Androidスマホは、SIMカードスロットに「マイクロSDカード」を挿入して外部メモリーに様々なデータを記録しておくことが可能です。

画像出典:apple.com

iPhoneの場合には本体に外部メモリーを接続する仕組みがありませんが、「SDカードリーダー」などのアイテムを使って簡単にSDカードにデータを移設保存することが可能です。

フォトクラウドサービスを利用する

「Google Photo」や「Amazon Photo」等のフォトクラウドサービスは、写真をクラウドに保存することでスマホ本体のストレージに空き領域を増やすことができます。

【Google Photo】

Google Photoは、写真や動画を保存できるオンラインストレージサービスです。

その特徴は、

(1)容量無制限の写真・動画保存

Google Photoは容量無制限に写真や動画を保存できます。

(2)自動バックアップ

スマホがWi-Fiに接続している時に自動的に写真・動画をバックアップすることができます。

(3)15GBまで無料で利用可能

15GBまで写真や動画を保存することができます。ただし写真は1600万画素、動画は1080Pまで圧縮されます。有料で容量を追加することができます(100GB/250円~)。

【Amazon Photo】

Amazon利用者向けのフォトクラウドサービスです。

無料で利用できるのは画像最大5GBまでで、有料で容量追加(100GB/250円~)が可能です。またAmazonプライム会員は、プライム会費以外の料金不要で容量無制限(動画は最大5GBまで)で画像の保存が可能です。

翌日配送などの配送で「元を取っている」という場合には、実質無料で元データのままの画像を無制限に保存することができます。

ストレージの空き容量を増やす方法 まとめ

スマホを利用していると、日々、データが溜まってゆきます。ストレージに空き領域が無くなってくると、スマホ自体の動作に影響を及ぼして「動作が遅い」等の症状が出てきます。さらに深刻化すると最悪の場合「シャットダウンする」など実用性を欠くような影響も起こり得ます。

ストレージにできるだけ多くの空き容量を持つことは、快適なスマホ利用に重要です。

・蓄積したキャッシュを削除する
・使わないアプリを削除する
・外部メモリーやオンラインストレージサービスを利用してデータをスマホ外部に保存する

これらを実行することでストレージには常に充分な空き領域を確保するよう常に心がけましょう。

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