Wi-Fi中継器とは?種類や利用する魅力と注意点、選び方などを解説

2024.08.30

本記事ではWi-Fi中継器の概要や選び方、設定方法などを紹介しています。Wi-Fi中継器の使い方や利用する魅力を知りたい人、購入を考えている方はぜひ最後までお読みください。

Wi-Fi中継器とは

Wi-Fi中継器とは、既存のWi-Fiの電波を増幅して、通信できる範囲を拡大できる便利な機器のことです。弱くなったWi-Fiを受信・増幅して再送信することで、より広範囲にWi-Fiが届きやすくなります。

たとえば広いご自宅の場合、Wi-Fiルーターが1箇所しかないと電波がご自宅全体に届かない場合があります。家全体に電波が届くようお家のネット回線工事を行ってWi-Fiルーターを新設すると、時間と費用がかかってしまう点がネックです。

そこで便利なのがWi-Fi中継器です。電源さえあれば、Wi-Fi中継器を利用することでWi-Fiルーターからの電波が増幅され、Wi-Fiがお家全体に届きやすくなります。ネット回線工事を行うよりも安価で、中継器を購入して電源につなげばすぐに利用できる点も魅力です。

「お家の中にある一部の部屋ではWi-Fiが届きにくい」と悩んでいる方は、まずはWi-Fi中継器の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

Wi-Fi中継器の種類

Wi-Fi中継器には「直挿しタイプ」と「据え置き(壁掛け)タイプ」の2種類があり、それぞれ異なる特徴と利点を持っています。それぞれ詳しく説明します。

【直挿しタイプ】

直挿しタイプは、コンセントに直接差し込んで使用するWi-Fi中継器です。特徴として下記が挙げられます。

・コンセントに差し込むだけで使用できるため設置が簡単にできる
・比較的小型のため設置に場所を取らない
・コンセントに挿すだけなので、必要に応じて設置場所を変更しやすい

【据え置き(壁掛け)タイプ】

据え置き(壁掛け)タイプは、Wi-Fi中継器を床に置いたり壁に取り付けたりして使用する中継器です。主な特徴は下記のとおりです。

・電波を受信・増幅しやすいなど、高性能な端末が多い
・有線LANポートを搭載しているなど、多機能な端末が多い

お家の環境や求める性能、設置スペースなどを考慮し、最適なタイプのWi-Fi中継器を選びましょう

Wi-Fi中継器を利用する魅力

Wi-Fi中継器を導入するとどのようなメリットがあるのか、利用する魅力を紹介します。

・電波の届く範囲が広くなる
・費用が比較的安い
・機種によっては有線LANで端末と接続できる

これらのメリットから、Wi-Fi中継器は家庭だけでなくオフィスでも活用されています。各魅力の特徴について、詳しく見ていきましょう。

電波の届く範囲が広くなる

Wi-Fi中継器を活用することで、電波の届く範囲が広くなります。

大きな家や3階以上ある住宅では、Wi-Fiの電波がすべての部屋へ均等に届かない場合があります。特にルーターから離れた部屋や階が異なる場所では、電波が弱くなったり届かなかったりするのです。

そこでWi-Fi中継器を利用することで、Wi-Fiが届かない問題を解決できます。Wi-Fi中継器は弱くなった電波を受信・増幅して再送信するため、Wi-Fiの届く範囲が大幅に広がります。その結果、お家のすみずみまで安定して強いWi-Fi電波が届きやすくなるでしょう。

費用が比較的安い

Wi-Fi中継器を活用することで、お家のWi-Fi問題をコスパよく解決できる可能性があります。

お家のWi-Fi環境が良くない場合、改善する方法の1つに「家庭内で新しくインターネットの回線工事を行う」という選択肢があります。しかし回線工事には高額な費用がかかるうえ、申し込んでから工事が行われるまでに時間もかかるという点がデメリットです。

一方のWi-Fi中継器は比較的安価で、端末を購入して電源に接続するだけですぐに利用できます。Wi-Fi中継器の活用は費用対効果が高く、手軽にWi-Fi環境を改善できる選択肢の1つと言えるでしょう。

機種によっては有線LANで端末と接続できる

Wi-Fi中継器の中には、有線LANポートを備えた機種も存在します。有線LANポートを備えた機能は、Wi-Fi非対応でかつ有線LAN接続に対応した古い機器を、インターネットへ接続したい場合に役立ちます。

有線LANポート搭載のWi-Fi中継器を、Wi-Fi非対応・有線LAN対応の古いデバイスに接続することで、有線を介してインターネットに接続可能です。

なお古いデバイスとWi-Fi中継器は有線でつなぐものの、Wi-Fi中継器と親機(Wi-Fiルーター)は無線で接続できます。そのため、有線でつなぎにくい環境でも比較的手軽に古いデバイスをインターネットに接続できます。

Wi-Fi中継器を利用する際の注意点

Wi-Fi中継器は便利なデバイスですが、本来持っている性能を引き出して安定したネットワーク通信環境を維持するには、いくつかの注意点があります。

まず、親機となるWi-FiルーターとWi-Fi中継器の距離に気を付ける必要があります。Wi-Fi中継器を親機から遠く離しすぎると、Wi-Fi中継器が電波をうまくキャッチできず、家全体に安定して電波を届けにくくなるでしょう。

Wi-Fi中継器を設置する環境にも注意が必要です。壁や家電製品などの障害物は電波干渉を引き起こす可能性があります。Wi-Fi中継器の周囲に家電をあまり置かないようにしたり、親機と中継器の間に壁を挟みすぎないようにするなど、電波が弱くなりすぎないよう配慮することが重要です。

一方で、親機となるWi-FiルーターとWi-Fi中継器を近づけすぎるのも問題です。近すぎると電波の届く範囲が広くならず、お家全体に電波が届かない恐れがあります。

理想的なWi-Fi中継器の設置位置はお家によって異なるため、最適な場所を見つけるには試行錯誤が必要です。電波の強度を確認しながら、少しずつWi-Fi中継器の設置位置を調整しましょう。

Wi-Fi中継器の選び方

Wi-Fi中継器を選ぶうえで重要なポイントを3つご紹介します。

・Wi-Fi中継器の通信規格に注目する
・Wi-Fi中継器の種類に注目する
・有線LANポートの有無に注目する

上記を意識してWi-Fi中継器を選ぶことで、より快適なネットワーク環境を構築しやすくなるでしょう。各ポイントについて解説します。

Wi-Fi中継器の通信規格に注目する

Wi-Fi中継器を選ぶ際は、通信規格を確認しましょう。親機となるWi-Fiルーターと中継器の通信規格が一致していないと、期待通りの性能が得られない可能性があります。

たとえば親機が最新規格のWi-Fi 6に対応していても、中継器が旧規格のままだと通信速度がボトルネックとなり、Wi-Fi 6の高速通信を活かせません。逆も同様です。

親機となるWi-Fiルーターが最新規格に対応しているのであれば、Wi-Fi中継器もその規格に対応したものを選ぶことをおすすめします。親機の通信規格が古いのであれば、この機会にWi-Fiルーターを新しいものに買い替えるか、検討しても良いでしょう。

Wi-Fi中継器の種類に注目する

上述したとおり、Wi-Fi中継器には主に据え置き型と直挿し型の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。

【据え置き型の特徴】

・電源から離れた場所でも使用できるため設置場所の自由度が高い
・一般的に性能が高いモデルが多く、広範囲をカバーしやすい

【直挿し型の特徴】

・コンセントに直接挿すため見た目がスッキリする
・設置スペースがほとんど必要ない

使用環境や好みに応じて、適切な種類のWi-Fi中継器を選択しましょう。

有線LANポートの有無に注目する

Wi-Fi非対応かつ有線LAN接続に対応の古い機器をインターネットに接続したい場合は、有線LANポート付きのWi-Fi中継器を選びましょう。

Wi-Fi中継器に有線LANポートがあれば、有線LANのみ対応している機器もインターネットへつなげられます。ただし有線ポート付きのWi-Fi中継器は他のモデルより大きくなるため、設置スペースがある程度必要です。

接続する機器や設置環境に応じて、有線LANポートが必要かどうか判断しましょう。

Wi-Fi中継器の設定方法

Wi-Fi中継器の設定方法には主に2つの方法があります。

・WPS/AOSSボタンを活用する
・手動で設定する

WPS/AOSSボタンを使用する方法は簡単かつ手軽ですが、機種によっては対応していない場合もあります。各設定方法の詳細を見ていきましょう。

WPS/AOSSボタンを活用する

WPS(Wi-Fi Protected Setup)やAOSS(AirStation One-Touch Secure System)ボタンを使用すれば、手軽に親機のWi-FiルーターとWi-Fi中継器を接続できます。接続手順は下記のとおりです。

1.Wi-Fi中継器をコンセントに差し込む
2.親機のWi-FiルーターのWPS/AOSSボタンを押す
3.Wi-Fi中継器のWPS/AOSSボタンを押す

これだけでWi-Fi中継器を利用できる状態になります。簡単に設定できる点がWPS/AOSSボタンを活用する魅力です。ただし、一部の古い機器ではWPS/AOSS機能に対応していない場合があります。

手動で設定する

WPS/AOSSボタン非対応の機器と接続する場合は、手動での設定が必要です。一般的な接続手順は下記のとおりです。

1.Wi-Fi中継器をコンセントに差し込む
2.スマートフォンやPCからWi-Fi設定にすすむ
3.Wi-Fi中継器の初期設定SSIDを選択する
4.ブラウザを開き、中継器の設定画面にアクセスする
5.Wi-Fi中継器の説明書などにあるIPアドレスを記入する
6.ユーザー名・パスワードを入力してログインする
7.Wi-Fiルーター(親機)のSSIDを選択して暗号化キーを入力する

機器によって手順が若干異なる場合もありますが、一般的な手順は上記のとおりです。SSIDとパスワードは、説明書に記載されていたり機器そのものに刻印もしくはシールにて情報が貼り付けられていたりします。

Wi-Fi中継器に関するよくある疑問

Wi-Fi中継器についてよく聞かれる3つの質問に対して回答していきます。

・Wi-Fi中継器とメッシュWi-Fiのどちらがおすすめ?
・Wi-Fi中継器の通信速度が遅いのはなぜ?
・Wi-Fi中継器は「効果がない」と言われるのはなぜ?

各疑問について解説します。

Wi-Fi中継器とメッシュWi-Fiのどちらがおすすめ?

Wi-Fi中継器とメッシュWi-Fiは、どちらもWi-Fi範囲を拡大するための解決策ですが、それぞれに特徴があります。

【Wi-Fi中継器の特徴】

比較的安価である
・設置が簡単である
・既存のWi-Fi環境を活用できる

【メッシュWi-Fiの特徴】

・シームレスに接続ができる
・通信が比較的安定している
・管理が容易である

ご自宅の環境や求める機能によっておすすめは異なります。予算が限られている場合はWi-Fi中継器がおすすめですが、安定した高速通信を求めるならメッシュWi-Fiの導入を検討しても良いでしょう。

Wi-Fi中継器の通信速度が遅いのはなぜ?

Wi-Fi中継器の通信速度が遅くなる主な理由は下記のとおりです。

・他の電子機器や壁などの障害物により電波干渉が発生している
・親機(Wi-Fiルーター)から遠すぎる場所にWi-Fi中継器を設置しており受信する信号が弱く速度が低下している
・複数の端末で同時にインターネットを利用しているため、通信速度が低下している

Wi-Fi中継器の通信速度低下に悩んでいる方は、上記の理由に当てはまっていないか、設置場所を見直したり接続台数を確認したりするなどチェックしてみましょう。

Wi-Fi中継器は「効果がない」と言われるのはなぜ?

ネットでは「Wi-Fi中継器は効果がない」といった意見を見聞きします。そのなかである大きな勘違いが「Wi-Fi中継器を導入することで通信速度が改善される」といった誤解です。

Wi-Fi中継器はあくまで親機(Wi-Fiルーター)の電波を遠くまで飛ばすための機器です。そのため親機本来の通信速度よりも早くなることはありません。

通信速度そのものを向上させたい場合は、最新規格に対応したWi-Fiルーターを導入したりご自宅の通信プランそのものを見直したりすることをおすすめします。

自宅でWi-Fiを利用するならモバイルルーターもおすすめ

本記事ではWi-Fi中継器について解説しました。Wi-Fi中継器を活用することで、電波が届きにくかった部屋にWi-Fiが届きやすくなる可能性があります。

一方、利用環境や機器の相性などから、場合によっては思ったような効果を得られないケースもあります。そんな時は、モバイルルーターの導入も魅力的な選択肢となります。モバイルルーターの主な利点は下記のとおりです。

・回線工事が不要で、モバイルルーターが届いたらすぐに利用できる
・持ち運び可能で、自宅だけでなく外出先でも使用できる
・手続きが簡単で、オンライン上で申請を行うだけで利用できる

たとえばHISモバイルが提供するモバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスは、必要な期間だけモバイルWi-Fiルーターを契約できます。長期利用はもちろん1日単位の短期利用まで、様々なニーズに対応可能です。

HISモバイルでは、以下の3つのモバイルルーターのレンタルサービスを提供しています。あくまでレンタルであるため、不要になれば契約解除しやすいのが特徴です。

【日本国内向け短期レンタル】

1日単位でレンタル可能なモバイルルーターサービスです。急な来客や短期の在宅勤務などに最適です。詳細はこちら

【日本国内向け長期レンタル(HIS Wi-Fi PLUS+)】

1か月単位でレンタルできるサービスです。長期の在宅勤務や一時的な引っ越しなどの際に便利です。詳細はこちら

【海外利用可能なモバイルルーターレンタル】

海外旅行や出張時に利用できるサービスです。国内外でシームレスにインターネットを利用したい方におすすめです。詳細はこちら

HISモバイルが提供するモバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスは、Wi-Fi環境の改善や柔軟なインターネット利用を求める方々におすすめです。詳細は各サービスページをご確認ください。

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