スマホを2台持ちする目的やメリット~あえてデュアルSIMにしない理由

今回はスマホ(iPhone)の2台持ち、別端末での2回線運用について深掘りします。
端末の2台持ちについては、ガラケーの時代からそのメリット・デメリットが語られてきましたが、主流がガラケーからスマホになり性能や機能の進化向上によって、2台持ちの目的やメリットにも変化が見られます。
また、最新型のスマホの多くは、複数の通信回線を1台のスマホで使い分けられる「デュアルSIM」が利用可能になっていますが、デュアルSIMではなく、あえて異なる端末で2回線利用する目的やメリットについてもチェックします。

最新型スマホはデュアルSIMが可能

「スマホの2台持ち」は、言い換えるとモバイル通信の2回線保有ということになります。

通信サービスを2回線保有するということについては、古くはガラケーの時代から様々な目的や用途が語られてきましたが、最新型のスマホでは、異なる2台のスマホを使わなくても「デュアルSIM」という機能を使えば、スマホ1台で2回線以上の通信サービスの利用が可能です。

デュアルSIMの種類

 SIMの数同時待受けSIM切換え通信中の着信通話中のデータ通信
DSSS21手動××
DSDS22自動×
DSDV22自動×
DSDA22自動


①DSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)

スマホにSIMカードを2枚装着することは可能でも、あらかじめ有効に設定した方のSIMしかスタンバイできない仕様。有効に指定するには手動で設定する必要があります。有効にしていない回線に着信があっても反応しませんし通知もされません。

ただ単にスマホにSIMを2枚入れておく…というだけのデュアルSIMです。

【スタンバイとは】
スタンバイとは本来「指示があった際にいつでも動ける態勢」を言いますが、デュアルSIMにおけるスタンバイは「待ち受け可能(着信を受ける)」な態勢を意味します。

②DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)

スマホに装着した2枚のSIMの両方への着信を受けることができますが、片方のSIMで通話・通信を行っている間は、片方のSIMの利用はできません。

2枚のSIMいずれかの着信は自動的に受けることができますが、実際に使用できるSIMは片方だけとなります。

③DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)

基本的な動作はDSDSと同じですが、通話回線にVoLTEを利用することができる点がDSDSとの違いです。

2枚のSIMの片方しか利用できない点で、機能的にDSDSより進化しているわけではありません。

【VoLTEとは】
従来の通話は3G回線を使用していましたが、VoLTE(Voice over Long Term Evolution)ではLTE(Long Term Evolution)回線を使用して高音質の通話が可能です。我が国では「ヴォルテ」と呼ばれています。


④DSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)

スマホに装着した2枚のSIMを両方同時に待ち受けや利用が可能なデュアルSIMの仕様です。

例えば、片方のSIMで通話しながら、もう片方のSIMで地図や画像データを送信する等の使い方が可能です。

ここで紹介したデュアルSIMの中では最も進化した仕様ですが、実際にDSDAが可能なスマホはまだ少ないのが実情です。

デュアルSIMとスマホ2台持ちの違い

デュアルSIMは「1台のスマホで2回線以上のSIMを利用」することです。スマホ2台持ちは「2台のスマホで2回線以上のSIMを利用」することです。

単に2回線を使い分けるという目的であれば、概ねデュアルSIMで事足りるはずですが、スマホ2台持ちの場合はあえてスマホ2台それぞれに回線契約をする必要があります。

一見、スマホ2台持ちは、デュアルSIM機能を持たないスマホで2回線保有するための方法や、デュアルSIM登場以前の2回線保有の方法といった印象がありますが、実は、スマホを2台持つことにはそれなりの目的やメリットがあります。

デュアルSIMで可能なスマホ2台持ちメリットもある

ガラケー時代や、デュアルSIM機能が搭載される前のスマホで2回線を使い分けるには以下のような目的がありました。

・バッテリー切れ対策
・仕事用とプライベート用の使い分け
・通信障害時対策(常に通信環境を確保する)

しかし、こうした目的はスマホ2台持ちをしなくても充分に対応可能になりました。

スマホには大型大容量のバッテリーが搭載されるようになった上、小型で高性能なモバイルバッテリーが登場し、スマホの電池切れによる通信不能は容易に避けられるようになりました。

また、デュアルSIMが一般的になったことから、1台のスマホで使途の異なる複数回線を使い分けることも可能になっています。

数年前にau(KDDI)で大規模な通信障害が発生し、全国的に通話・通信ができなくなり多くのauユーザーが通信手段を喪失したことがありましたが、それもデュアルSIMで異なる通信会社のSIMを保有しておくことで通信不能を回避可能です。

かつては重視されたこれらの目的でスマホを2台持つ理由は希薄となっています。

あえてスマホを2台持つ目的とメリット

それでは、あえてスマホを2台持つ目的やメリットとは何なのでしょうか。

実は、現在は現在なりに従来とは異なるスマホ2台持ちの目的やメリットが存在します。スマホが高性能・高機能になったからこその2台持ちの目的やメリットを紹介します。

常に通信を維持する通信安全保障上のメリット

現代はスマホなしでは生活が成り立たないほどにスマホの存在に依存しています。

例えばかつて連絡手段と言えば電話でしたが、メール、さらにはSNSが連絡ツールの主流となっており、多くのユーザーが常にスマホを弄っている状態が当たり前になっています。

そんな依存度の高いスマホが、もし故障してしまったり、紛失・盗難にあった場合など、1台のスマホでデュアルSIM機能を利用している場合には、通話・通信の手段のすべてを失ってしまうことになります。

通信手段を失えば、家族や知人、学校・会社などへの連絡ができないばかりでなく、110/119番などの緊急通報さえ不可能となってしまいます。

故障や不具合、紛失・盗難などで1台が使えなくなった場合でも、2台のスマホに別々の回線を契約していれば手元に残ったもう1台で通信環境を維持することができます。

盗難や紛失時に「探す」機能が使える

スマホを紛失したり、盗難にあった際に、もう1台スマホがあれば、その場でなくなったスマホを「探す」ことが可能です。

iPhoneでもAndroidでもスマホには紛失・盗難時に備えて、失ったスマホの現在位置情報から現在の在処を探すことができる機能が設けられていますが、その機能を利用するには、別のスマホ端末やPCが必要です。

スマホ2台持ちの場合には、スマホがない事に気づいてすぐに捜索することができ、発見・回収できる可能性が高まると考えられます。

通話中の画面操作が容易

通話をしながらスマホを操作したい場面は、ネット検索したり、地図データを送信したり、スケジュールを確認したり等々、意外に多いものです。

1台のスマホで通話とデータ通信を同時に行うことはできないことではありませんが、別端末であれば通話中の画面操作が非常に容易です。

iOSとAndroidの使い分け

スマホにはOSの違いで、iPhoneとAndroidスマホがあることはご存知かと思いますが、iPhoneとAndroidはそれぞれ特徴のある機能や利用可能サービスがあって、たとえデュアルSIM仕様であっても1台のスマホで両方の機能やサービスを利用することはできません。

例えば、普段使いではiPhoneのUI(ユーザーインターフェイス)の使い勝手が気に入っているが、写真撮影ではGoogle Pixelの「消しゴムマジック」を使いたいといった場合にはどうしても2台持ちにならざるを得ません。

また、データ通信やアプリ利用はiPhoneのサクサク感がいいけれど、通話には二つ折りでコンパクトに収納できるSamsungのFlipシリーズがいいといったケースも2台持ちなら可能です。

大画面端末の併用

1台をスマホ、もう1台をタブレットというパターンも2台持ちなら可能です。

会議の資料を読んだり、地図アプリを使用するといったシーンでは、大きいと言っても最大で6インチ程度のスマホよりも、10インチ超のタブレットが有利です。

前述の、通話と通信の同時利用に置いても、データ通信側の端末をタブレットにすれば、より快適にアプリ利用が可能になります。

カメラや音楽プレーヤー、ゲーム機専用として利用

現在のスマホは、ある機能や性能に突出したモデルが少なくありません。

カメラ機能に優れたモデルもあれば、音楽プレーヤーとしての機能に特化したモデルもあります。さらに、処理能力が高いゲーミングスマホを使えば、オンラインゲームでもストレスなくプレイすることが可能です。

通常は普段使いのスマホを使い、カメラや音楽プレーヤー、ゲーム端末として特化したスマホを併用できるのも2台持ちならではのメリットと言えます。

子供用・シニア用として利用

この2台持ちは、自分自身が2台利用するのではなく、子供や両親などに持たせるための2台持ちです。

自分が使っていた端末を与えてもよいですし、新たに購入してもよいですが、通信は自分名義で複数回線契約する必要があります。

スマホ2台持ちのデメリット

スマホ2台持ちには、2台持ちならではのメリットもある反面、いくつかのデメリットも存在します。あまり重大な問題ではないですが、あえてピックアップすると以下のようなデメリットがあります。

よく言われる「通信料金が2台分かかる」という点については、2台持ちであっても、デュアルSIMであっても、2回線利用する限りはそれなりのコストがかかるので、特に2台持ち特有のデメリットというわけではありません。

2台分の端末購入コスト

単純に、スマホ1台運用と、2台運用では、確実に2台目を購入するためのコストが発生します。これはコスト面でのデメリットと言えます。

しかし、2台持ちでしか得られないメリットがあるのであれば、コストをかけても2台持ちにする意味は小さくないはずです。単にコスト(支出)としてだけ考えるのではなく、得られるメリットも勘案した上でコストパフォーマンス(コスパ)を考えるなら、コストをかけてでも2台持ちにする意味は充分にあります。

また、これまで使用していた端末にもう1台を買い足したり、エントリーモデルを選んだり、中古端末を購入する、通信の新規契約時の端末割引を活用するなどコストそのものを圧縮する方法も検討すべきでしょう。

通話の同時着信

2台のスマホそれぞれに音声通話機能付きの回線を契約した場合、同時に2回線に電話がかかってくるケースも考えられます。

デュアルSIMで2回線同時の着信時には、デフォルト設定した方の回線のみ着信となりますが、2台持ちの場合には、別端末・別回線なので「同時着信」もあり得ないことではありません。

漫画のように、左右両耳に受話器をあてて会話することはできないので、同時着信時にどう対応するか考えておいた方が良さそうです。

重い・かさばる・荷物が多くなる

単純にスマホを2台、スマホとタブレットなどを持ち歩く場合は「重い」「かさ張る」といった点もデメリットとなります。

また、iPhoneとAndoroidを利用している場合、電池切れに備えて充電するための充電器やケーブルなどを携行すると、それぞれの専用の充電危機を持ち歩くことになります。

モバイルバッテリーを携行する場合には、容量の多いバッテリーが必要となり、大きめのサイズになる場合があります。

デュアルSIMとスマホ2台持ち、どちらがおすすめ?

それでは、複数回線運用のためには、1台のスマホをデュアルSIM利用するのと、2台のスマホを使い分けるのとではどちらがおすすめなのでしょうか。

複数回線利用の場合、多くのシーンではデュアルSIMで十分対応可能ですが、以下のような場合には2台持ちの方が使い勝手が向上する可能性があります。

・通話中にデータ通信(アプリ操作)を頻繁に行う
・iPhone(iOS)とAndroidを併用する
・サブ機に大画面端末を利用する(タブレットなど)
・カメラやゲームなどに特化した端末を使う

また、iPhoneどうし、Androidどうしであれば、紛失・盗難時などに「探す」機能を使って見当たらなくなった端末の現在位置を把握することが可能です。

【結論!】
特別な事情や目的がない限りは、スマホ本来の携帯性を損なわないためにも、デュアルSIMによる複数回線運用がおすすめです。
上記のような事情や目的がある場合には、2台持ちのメリットを活かせるでしょう。

HISモバイルは2回線運用に最適!

デュアルSIMでも、スマホ2台持ちであっても複数回線運用をする場合、懸念されるのは通信料金ですが、HISモバイルでは複数回線運用に適した料金プランを提供しています。

音声通話付きプランはもちろん、タブレット利用など通話機能が不要な場合にはデータ通信専用プランを利用することで、月額料金を抑えることが可能です。

自由自在2.0プラン

自由自在2.0プランは、NTTドコモの回線を使用した音声通話機能付き固定課金制(※)プランです。

月間のデータ通信容量を1GB/3GB/7GB/10GB/20GB/30GBから選ぶことができ、特に1GBプラン(月額税込550円)では月間のデータ通信が100MB以下だった場合の料金が280円に設定されており、データ通信を使わない月には料金を最小限に抑えることができます。

また、自由自在2.0プラン3GBの料金は月額税込770円ですが、毎月3GB利用するか分からない場合には、追加購入(税込200円/1GB)を都度購入することで3GBを950円で利用可能です。この金額は、他社キャリアの格安プランLINEMOやPovoの3GB料金税込990円/3GBより割安です。

自由自在2.0プランでは、容量追加購入のコストが1GBあたり税込200円に抑えられているため、はじめから容量を確保しておかなくても、追加購入で十分に割安な回線運用が可能です。

ビタッ!プラン

「ビタッ!プラン」は、月間に使用したデータ容量の分だけ料金がかかる「従量課金制」を採用したデータ通信専用料金プランで、NTTドコモ回線とSoftbank回線を選ぶことができます。データ専用プランなので通話はできません。

同じデータ通信専用プランの「データ定額2.0プラン」と比べると、若干、料金設定が割高になっています。「データ定額2.0プラン」は固定課金制で使っても使わなくても契約した容量分の料金が必ずかかりますが、「ビタッ!プラン」は従量課金制のため、使った分だけしか支払う必要がない点が大きく違います。このため、「ビタッ!プラン」はデータ容量をあまり使わなかった月は少ない料金で済ませる点がメリットです。

一方、毎月同じぐらいの容量を使うのであれば、「データ定額2.0プラン」の方が料金を低く抑えることが可能なので、ユーザーのデータ通信の利用のパターンによって、お得な方を選ぶことが可能です。

【固定課金制と従量課金制】
「固定課金制」とは、月間に使用可能なデータ容量と料金が固定的に定まっている料金プランを指します。
例えば、固定課金制990円/3GBのプランは、3GBを使っても使わなくても月額料金は990円固定されている…という意味になります。
これに対して「従量課金制」は、月間に利用可能なデータ容量と料金が固定されておらず、月ごとに使ったデータ容量に応じた料金が課金される仕組みです。
従量課金制は、データ使用量が少なかった月は割安に、多かった月も使用量に応じた料金のみが課金されるため、無駄な料金を支払わなくてもよい点で複数回線利用に向いていると言えます。

ドコモ回線+Softbank回線併用で通信障害対策も可能

大規模な通信障害は滅多に起こることではありませんが、絶対に起こらないとも言い切れません。

いざ大規模通信障害が発生した場合に、単一の通信キャリアの回線しか保有(契約)していない場合には、通話機能や通信機能を失ってしまうリスクが大きくなります。通信障害ばかりでなく、災害等で基地局が被害を受けた場合などにも、特定の通信キャリアしか契約していない場合は、通話・通信が途絶する恐れがあり、通信安全保障の観点から異なるキャリアの通信を確保しておくことが推奨されます。

HISモバイルで複数回線契約をした場合、NTTドコモ回線とSoftbank回線を組み合わせて利用することが可能です。

メイン回線(通話をする回線)は「自由自在2.0プラン」でNTTドコモ回線、サブ回線(データ通信専用)では、「ビタッ!プラン」でSoftbank回線を選ぶことで、異なる2キャリアの回線を保有でき、通信途絶のリスク回避に有効です。

スマホ2台持ち まとめ

今回はスマホ2台持ちについて考えました。

昨今のスマホはデュアルSIM機能を持った機種がほとんどで、以前と比べるとスマホ2台持ちの必要性は少なくなっていると言えますが、それでも、デュアルSIMでは得られないメリットがあることもまた事実です。

これまで、2台持ちの目的や事情とされてきたことの多くは、現在はデュアルSIMで充分に対応可能となっています。そのため、スマホが2台運用が本当に妥当なのかどうかを吟味する必要はありますが、2台持ちならではの目的や使用方法があることがわかりました。

自身の状況や目的を吟味した上で、デュアルSIMまたは2台持ちを検討してみてください。

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