
スマホバッテリー劣化の原因とバッテリー交換の目安|寿命と長持ち術
2026.03.30
スマホのバッテリーはなぜ劣化する?リチウムイオンバッテリーの劣化の原因と仕組み、バッテリー交換の時期や費用の目安、充電サイクルや充電深度の考え方、20〜80%充電・急速充電対策などバッテリーの寿命をのばし長持ちさせる使い方まで徹底解説!
今回はスマホ・バッテリーの劣化について考えます。
「最近スマホの電池がすぐ減ってしまう」
「使っていると突然シャットダウンする」
そんな経験はありませんか?
それはバッテリー劣化のサインです。バッテリー交換すべき時が迫っていることを知らせているのです。
スマホに使われているバッテリーは、現在はほとんどが「リチウムイオン電池」ですが、そもそもなぜバッテリーは劣化するのでしょうか。そしてバッテリーが劣化した際の、バッテリー交換の方法や交換場所、費用なども気になるところです。
本記事では、
・バッテリー劣化の仕組み
・寿命や交換時期の目安
・交換できる場所や費用
・バッテリーを長持ちさせる使い方
など、スマホバッテリーの基礎から実践までをわかりやすく解説します。
この記事を読めば、無駄なバッテリー交換を避け、スマホをより長く快適に使うことができます。
スマホにリチウムイオン電池を採用する理由

まず最初に知っておきたいのが、スマホに採用されている「リチウムイオン電池」です。
なぜスマホにはリチウムイオン電池が採用されるのでしょうか。
それは、リチウムイオンバッテリーにはスマホ用の電池として最適な性質をいくつも持っているためです。例えば…
・軽量コンパクト
同じ充電容量でもニッケル水素電池等の他の電池より小型軽量にできます
・エネルギー密度が高い
小さな体積で多くの電力を蓄えられます
・メモリー効果がほとんどない
容量を残したまま継足し充電すると充電容量が減る症状が出にくい性質です
・自然放電が少ない
使っていない時の電池の減りが少ない特徴をもっています
・急速充電が可能
短時間で大容量を充電する急速充電が可能です
以上のような、まさにスマホのためのバッテリーと言っても過言でないほど、スマホバッテリー向きの特徴的性質をもっています。
| ※リチウムイオン電池は誰が発明・開発した? ■スタンリー・ウィッティンガム 1970年代にリチウムを使った充電池の基礎を開発し、世界初のリチウム電池の原型を作った人物として知られています。ただしこの時点ではまだ安全性に問題があり実用化はされていません。 ■ジョン・グッドイナフ 1980年代に、「高電圧・高容量化」という現在のリチウムイオン電池の性能を大きく向上させる技術を発見しました。これにより実用化へ大きく前進しました。 ■吉野彰 1985年に、現在のスマホに使われている形の安全で実用的なリチウムイオン電池を開発しました。現在のスマホや電気自動車の普及を支える大きな転機となったとされています。 ■ソニー~村田製作所 世界で初めてリチウムイオン電池を商品化した日本の企業です。電池事業は2017年に村田製作所に譲渡され現在に至ります。 ■その他 ● 3人はその功績により、2019年に『ノーベル化学賞』を受賞しています。 |
スマホのバッテリーはなぜ劣化するのか
リチウムイオンバッテリーはスマホ向け電池として非常に優秀です。
しかし、その優れた特徴は永遠ではなく、充電・放電を繰り返すことで内部の化学構造が少しずつ変化し、「蓄えられる電気の量が減少する」という形で劣化が進みます。
主な劣化原因は以下の通りです。
● 充放電の繰り返し
● 高温状態での使用
● 過充電・過放電
● 長期間の満充電放置
言ってみれば、リチウムイオン電池とは「使えば使うほど劣化して性能が低下してゆく『消耗品』だ」ということができます。
フル充電サイクルとは?寿命の考え方
前項で列挙した「リチウムイオン電池」を劣化させる原因の中でも、避けて通れないのは「充放電の繰り返し」です。
他の「高温状態」や「過充電・過放電」「満充電放置」などは利用者が注意すれば防げる要因ですが、「充電した電気を使って利用する」構造である以上、「充放電の繰り返し」は避けることができませんし、必然的にバッテリーの劣化も避けられないことなのです。
充放電の繰り返しの観点でバッテリー寿命を考える上で、重要なのが「フル充電サイクル」です。
「フル充電サイクル」とは、電池容量の使用(放電)量が100%ごとに「1」カウント加算してゆく充放電サイクルのことです。
・一昨日フル充電をした
・昨日60%を使った(放電)
・今日30%を使った(放電)
・明日10%を使った時点で合計100%利用になる
これをもって「1充電サイクル」とカウントします。
多くのスマホは、500サイクルほどを目途に劣化を意識しはじめることが多く、最大でも800サイクル程度で、バッテリーの交換が必要になるケースが一般的です。
つまり、多くのスマホは「フル充電サイクル」が500回を超えるあたりから「寿命」の時が徐々に迫っていると考えた方がよさそうです。
目安として充電サイクルを具体的な年月に換算すると、
・毎日100%分を使い切る人
500サイクル÷365日=1.37年(1年4か月ほど)
800サイクル÷365日=2.19年(2年2か月ほど)
・2日で100%を使い切る人
2日×500サイクル÷365日=2.74年(2年9か月ほど)
2日×800サイクル÷365日=4.38年(4年5か月ほど)
となります。
| 実際に、AppleではiPhoneに搭載のリチウムイオン電池は、フル充電サイクル500回で、電池容量が当初の80%になる…と考えています。 さらに劣化が進むと、最大瞬時給電能力(ピーク電力)も低下しますが、電源管理システムの能力を最大限に発揮しても継続的な動作が難しくなると、電子部品を保護するためにシステムがシャットダウン(システム終了)するとしています。 |
参考資料
iPhoneのバッテリーとパフォーマンスバッテリー交換の目安と症状

ではバッテリー交換をいつすればいいのかを考えてみましょう。
その目安となるのは、以下のような症状が出たら…ということになります。
● バッテリーが1日持たない
朝までに充分な充電を行い、さほどスマホを使った覚えもないのに夕方にはバッテリー残量が心もとなくなっている場合には、そろそろバッテリーの寿命が近いかもしれません。
ただし、いくら大型バッテリーのスマホでも、動画視聴やゲームなど電力を食う動作をし続ければバッテリーの消耗は避けられません。それはバッテリーの寿命とは関係のない単なるバッテリー使用です。
● 充電が突然急激に減る
● 突然電源が落ちる(シャットダウン)
さっきまで充分な残量があったのに気づくとバッテリーが大きく減っていたり、電源が勝手に落ちたりする場合には、バッテリーはすでにスマホが求める電力を充分に供給できなくなっている可能性があります。
● 充電に異常に時間がかかる
何時間充電してもバッテリー容量が回復しない、回復しづらい場合もすでにバッテリーの寿命がきている可能性が高いといえます。
● バッテリーが膨らんでいる
リチウムイオンバッテリーは、経年劣化するとバッテリー内部の電解質が酸化して、ガスが発生しやすくなりバッテリーが膨張する場合があります。
膨張したバッテリーは、デバイス内部を押し広げ、画面破損や基板損傷を引き起こすだけでなく、破裂・発火のリスクがあるため非常に危険です。バッテリーが膨張したらすぐに使用をやめましょう。特に充電は避けてください。
バッテリーを長持ちさせる使い方
リチウムイオン電池にはいくつか「弱点」があり、それを克服・回避することで長持ち(寿命を先送り)させることが可能です。
・フル充電、フル放電を避ける
・急速充電を避ける
・充電ケーブルの長時間つなぎ放しを避ける
・高温での利用、保管を避ける
20%〜80%充電を保つ

スマホバッテリーは「フル充電(100%)」と「フル放電(0%)」の状態に弱く、大きなダメージを負ってしまいます。できれば充電残量20%〜80%の間で充放電すると比較的ダメージを負いにくく、寿命を先送り(長持ち)するとされています。

充電上限を定めておける機能がある場合は、あらかじめ100%よりも低い容量を上限に設定しておきましょう。
また、長期間使用しない場合には、充電残量50%程度にしておくことが推奨されます。
| 「20〜80%間では正味60%しか利用できないので現実的でない」という場合でも、「0%」まで使い切らないうちに早めに充電、「100%」まで充電し切らないうちに早めに充電を完了する意識が重要です。 |
「フル放電」と「フル充電」は、どちらも無視できない大ダメージを負いますが、強いていえば「フル放電」の方がより大きなダメージとなります。
しかし、「充電残量20%以下(定電圧)」と「充電残量80%以上(高電圧)」を比べた場合には、高電圧の方がよりダメージが大きくなります。
矛盾しているようですが、『フル放電0%は文句なしに最悪』『少しでも充電が残っている状態では高電圧の方がダメージ大きい』と覚えてください。フル放電は“単発でのダメージが大きい”、高電圧は“長時間で劣化を進める”という違いです。
従って、正味使える容量を拡大するのであれば、10%でも5%でも残量を残した状態から、上限はできるだけ低く(80%以下)の範囲で使用することがおすすめです。
急速充電を避ける
多くのスマホは急速充電機能を持っています。
急速充電とは電圧や電流を上げて短時間で充電を進める技術ですが、急速充電は主に充電初期に大きな電流を流すため発熱しやすく、その熱や高負荷によってバッテリーにダメージが蓄積します。
実用性の面では短時間で充電が完了するよい仕組みなのですが、リチウムイオン電池にとってはあまり芳しくない環境です。急速充電は、通常よりも大きな電流を一気に流すため、バッテリーが発熱し内部の化学反応が加速することで電解質や電極が劣化しやすくなります。
急速充電は、利便性を優先することで「バッテリーに無理をさせている状態」です。急がない時には、低電流(低出力)のアダプターを使用することで、急速充電リスクを回避できます。
充電し放しを避ける
充電ケーブルのつなぎ放しも避けましょう。
前項で述べたように、リチウムイオン電池は「高電圧状態」で劣化が進みやすい特徴があります。充電ケーブルをつないだままにすると、満充電付近の状態が長時間続きやすくなり、バッテリーに負担がかかります。
スマホは満充電に近づくと充電速度を落とし、100%になると一度充電を停止します。しかしその後も電池残量がわずかに減るたびに再充電が行われるため、結果として満充電(高電圧)の状態が長時間続きます。
このように「高電圧状態が継続してしまう」ことが、バッテリー劣化の主な原因です。そのため、充電ケーブルは満充電後に早めに外すことが推奨されます。
高温を避ける

炎天下の車内(特にダッシュボードの上など)や、窓際の直射日光が当たる場所など、高温となる場所に長時間放置したり、高温環境下での使用はスマホには過酷な環境です。
Appleは、iPhoneは周辺温度が0℃〜35℃の場所で使用するように設計されていること、保管時は-20℃〜45℃の場所が推奨されるとしています。
スマホのバッテリー交換ができる場所

スマホバッテリーは、日々の使用で徐々に劣化してゆく「消耗品」である以上、いくら大切にダメージを少なくする努力をしても、いずれ寿命が訪れます。
バッテリーが寿命を迎えた際のユーザーの対応は2つです。
1つはバッテリー交換、もう1つはスマホの買い替えです。
ここでは、バッテリー交換をチョイスした際にどこへ持ち込めばよいのかを紹介します。
製造メーカー
ファーストチョイスは「製造メーカー」でのバッテリー交換です。
iPhoneはAppleの正規サービスとしてバッテリー交換が可能です。Appleの公式サイトや、Apple Storeでの受付はもちろん、正規修理店(Apple正規サービスプロバイダ)でも、純正部品を使ったApple公認の修理交換作業を受けることができます。
購入した大手キャリアのショップでの修理受付も可能。
Androidスマホの場合は、メーカー直接よりも、大手キャリアショップ(ドコモ・au・Softbank・楽天モバイル)の窓口を通じて、正規のバッテリー交換を受けることができます。
【メーカー公式の交換メリット】
・純正部品を使用する
・品質・安全性が高い
・防水性能が維持されやすい
【メーカー公式の交換デメリット】
・料金が高め
・データ初期化の可能性が高い
・数日間預けることが多い
・依頼していない部分も修理し料金が発生する場合あり
・拠点数が少ない
修理専門店
街のスマホ修理店などを利用することも可能です。
【修理専門店のメリット】
・料金が割安
・予約不要で即日対応、日帰り可能
・データが消えない
・拠点数が多い
・柔軟性が高い
【修理専門店のデメリット】
・純正部品ではない
・メーカー保証が切れる可能性
・品質にばらつきがある
スマホのバッテリー交換費用の目安
機種や店舗によって異なりますが、
・iPhone:約8,000〜16,000円
・Android:約5,000〜12,000円
が一般的な相場となっています。
新機種に買い替えるよりは安く済むケースが多いです。
以下は、Appleの公式Webサイトでのバッテリー交換費用です。
| モデル | バッテリー交換費用 |
| iPhone 16 | 15,800円(税込) |
| iPhone 15 | |
| iPhone 14 | |
| iPhone 13 | 14,500円(税込) |
| iPhone 12 | |
| iPhone 11 | |
| iPhone XS | |
| iPhone XR | |
| iPhone 8 | 11,200円(税込) |
| iPhone 7 | |
| iPhone SE 第3世代 第2世代 |
Apple製品限定保証やAppleCare+の対象であれば、一定の条件を満たした場合に無料でバッテリー交換を依頼できます。
Androidスマホの実際のバッテリー交換費用は、メーカーまたはキャリアショップにて確認してください。
スマホのバッテリー交換に関するFAQ(よくある疑問)

スマホのバッテリー交換については、分かるようではっきりとしない事や、もう少し細かく知りたいといったことも少なくありません。
本項では、スマホのバッテリー交換に関して、ありがちな質問をピックアップしました。
バッテリーを使い切ってから充電した方がいい?
いいえ。それは古い充電方法です。
別項でも解説したように、現在スマホで使用されているリチウムイオン電池は、「フル放電」「フル充電」で大きなダメージを負うため、充電残量20%〜80%の間での使用が推奨されています。
「バッテリーを使い切ってから充電」という考えは、充電池がリチウムイオン電池に切り替わる前の、例えば、ニッケル水素電池などで推奨されていた充電方法で、「メモリー効果」で充電容量が目減りすることを防止することが目的でした。
現在のリチウムイオン電池は、「メモリー効果」がほとんど発生しない一方、フル放電のダメージの方が致命的であるため、残量を残して早めに充電開始することが推奨されています。
充電はこまめにした方がいい?
はい、一気に大容量を充電するより、少しずつこまめに充電する方がスマホバッテリーに優しい充電です。
これは「充電深度」という考え方で、一気にたくさん充電するより、少しずつこまめに充電した方がバッテリーのダメージが少ないというものです。
別項で述べたように、リチウムイオン電池は「メモリー効果」がほとんど生じないため、繰り返しこまめな充電をする方がバッテリーに優しいのです。
モバイルバッテリーは劣化に影響する?
スマホには充電時の電圧や電流を制御する機能が搭載されているため、家庭のコンセントからでもモバイルバッテリーからでも基本的にはスマホ側で充電制御が行われるため、通常の使用であればモバイルバッテリーが原因で劣化が進むことはほとんどありません。
ただし、以下の場合にはダメージを受けてしまうケースもあるので要注意です。
・急速充電
モバイルバッテリーには、PD(Power Delivery)やQC(Quick Charge)といった「急速充電」に対応した製品が少なくありませんが、リチウムイオン電池の充電はゆっくり少量ずつ充電する方がダメージが少ないので、急速充電を多用するという点ではモバイルバッテリーは要注意かもしれません。
・発熱
モバイルバッテリーから充電していると、スマホ本体が熱くなる場合がありますが、スマホバッテリーは高温が苦手なので、発熱してあまり高温になるようなら要注意です。
また、充電しながら動画を見たり、ゲームをするのは発熱に繋がるため推奨できません。
・粗悪品
あまりに安い製品は品質に問題がある場合があり、電圧が不安定だったり、保護回路が不十分などのリスクがあります。
バッテリー交換は自分でできる?
可能か不可能かで言えば可能です。しかし以下の観点からおすすめできません。
・純正部品を使えない
・メーカー保証が切れる可能性大
・破損のリスク(破損したらメーカーは見てくれない)
スマホのバッテリー交換 まとめ
スマホのバッテリーは消耗品であり、日々の使用による劣化は避けられません。
スマホに採用されているリチウムイオン電池は、スマホ向けバッテリーとして適していますが、取り扱いや充放電に注意すべき点があるので、バッテリーの劣化を早めてしまうような使い方を避け、できるだけ寿命を伸ばすことが肝要です。
実際には、
● 充電の仕方
● 温度管理
● 使用習慣
を見直すことで、バッテリー寿命は1年以上延ばせる可能性があります。
それでも劣化を感じた場合には、無理に使い続けるよりもバッテリー交換を検討することが、スマホを安全に快適に使い続ける秘訣です。
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