ASUSってどんな企業?日本ではどんな活動をしている?

© Raimond Spekking
少々余談気味ですが、まずはASUSという企業を少し深堀してみましょう
ASUSの正式な社名は『ASUSTeK Computer Inc.』、現地の言葉では『華碩電脳股份有限公司』(かせきでんのうこぶんゆうげんこうし)といいます。
ASUSのことを知るには、まずは社名の正しい読み方からですね。
ASUSは「エイスース」が現在の公式な読み方で、正式な社名の読み方は「エイスーステック・コンピューター・インク」です。
「現在の」というのは、実は、最初に日本に進出してきた当時のASUSは「アスース」が一般的で、自ら日本法人を「アスース・ジャパン株式会社」と登録していることからも「アスース」が正式な読み方としていました。
その後、2010年10月1日に日本法人の登録名を「ASUS JAPAN株式会社」に改め、同時に読み方を「エイスース」に統一して現在に至ります。
ちなみに、ASUSという社名は「Pegasus(ペガサス)」(後ろ4文字を採用)に由来しており、「すべての製品に高い品質と独創性を吹き込むことにより、機知に富むペガサスが象徴する強さ、創造性、純粋さを具体的に実現する」という意味が込められていると公式サイトで公開しています。
ASUSは元々はパソコンのパーツメーカーから始まった
ASUSははじめ、パソコン向けのマザーボードなどパソコンパーツを製造するメーカーでしたが、後にパソコン自体を開発するようになり、共通部品が多いことからスマホ分野にも事業を拡大しました。
ASUSの初期のスマートフォンのCPUには、インテル(Intel)製の「ATOM」が採用されていましたが、これは同社のノートパソコンにも採用されていたため、部品調達面で量的なメリットがあり、同社のスマホの低価格化に貢献したと言われています。
ASUSの心に残るエピソード
ASUSは親日の国、台湾のメーカーですが特に表立って親日を表明したことはありません。
しかし、ASUSは初期の頃のスマートフォンに日本語入力に優れる「ATOK」を採用するなど、日本向けのスマートフォンのローカライズ(現地仕様)に積極的な面を持っていました。
さらに、2011年に発生した東日本大震災から数か月後、同社のパソコンのマザーボードに「GOD BLESS JAPAN」の文字が刻印されているのを日本人ユーザーがたまたま見つけたことがありました。
この件に対しASUSは、「印字は同社の技術者が独断で行ったことで、誰かは特定できていないがたぶん日本の一日も早い復興を祈ってやったのだろう」とし、本件は黙認していると言われています。
「GOD BLESS JAPAN」は日本語に訳すと「日本に神のご加護を」ですが、マザーボードは一般の人が目にすることはほとんどないパソコンの主要部品です。
技術者か修理担当でもない限り目につかない場所にこのような刻印をする台湾の技術者がいて、それを咎めず黙認する企業がある。
安価で高性能、使い勝手のよいスマートフォンであることが人気の最大の理由であることは間違いないにしても、ASUSを語る時にはこうしたことも知って欲しいと思い付記しました。
ASUS主力スマートフォンZenFoneとは

Source video by Be!Tech, Extracted by 17jiangz1, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons
前述の通り、ZenFoneは「ZEN=禅」に由来しており、研ぎ済まされたシンプルで洗練された精神性を表すデザイン性といった意匠を盛り込んだ、ASUSの主力スマホです。
エントリークラス、ミドルクラス、アッパークラスなど幅広い機種構成を採っていましたが、最近ではZenFone 8シリーズなどアッパーミドルクラスに重点を置いた戦略のように見えます。
ZenFone現行機種全モデルを比較
【ミドル~アッパーミドルクラス】
【エントリー~ロアミドルクラス】
ZenFone 8 / ZenFone 8 Flip
ZenFone 8シリーズは、現在のASUSの最新モデルであり、主力機種でもあります。
CPUには現時点で世界最高クラスの最新CPU(Qualcomm Snapdragon 888 5G)を搭載しながら、2眼カメラに5.9インチ有機ELディスプレイを採用し、片手操作が可能なオーソドックスな高級機として開発されました。
また、ZenFone 8 Flipに搭載される「フリップカメラ」はASUSが独自に開発した回転するカメラで、アウト用カメラを回転させてインカメラとして利用するため、世界最強のセルフィーカメラとも言われています。
特にZenFone 8ではメインメモリに16GBモデルの設定がある点に注目です。シリーズ全体として決して格安ではありませんが、格安SIM各社で採用されており人気を博しています。
ZenFone 8シリーズは、MVNO各社で格安スマホとして販売されるだけでなく、ASUSの公式オンラインショップやAmazonなどのネット通販でも購入することが可能で、いずれも「SIMフリー端末」です。
ZenFone 7 / ZenFone 7 Pro
ZenFone 7/7 Proは、8シリーズが登場するまでのZenFoneの最上位モデルでした。
ZenFone 8シリーズは、メインモデルの「8」がフリップカメラを採用せず、あえて小型化され片手操作にこだわったモデルとなったため、フリップカメラを搭載したモデル名に「Flip」が付きますが、ZenFone 7/7Proはいずれも「Flip」の名がありませんがフリップカメラを採用しています。
CPUには現在でも高性能CPUとして数多くのスマートフォンに採用されている「Snapdragon 865」及び「同 865 Plus」が採用されています。
MVNOでは「8シリーズ」にラインナップが移行していますが、Amazonなどでは未だに人気があり、価格もあまり下降していないようです。
ZenFone MAX(M2) / ZenFone MAX Pro(M2)
ZenFoneのエントリークラス~ロアミドルクラスを支える普及モデルとして2019年3月15日に発売され、発売当時は大画面+大容量バッテリーが人気を博し、多くの格安SIMサービスで採用されました。
その後、ASUSは普及クラスのスマートフォン端末を積極的にリリースしなくなってしまったため、これ以降のエントリー~ロアミドルクラスのZenFoneは登場しておらず、ASUSが軸足をアッパーミドルクラスに移行したことがわかります。
ASUSのゲーミングスマホROG Phoneとは

Solomon203, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons
ASUSには、ZenFoneの他に「ROG Phone」というゲーム向けスマートフォンのブランドがあります。
ROG Phoneのキャラクターについては公式サイトの記載が最も端的に表しています。
▽以下引用▽
『常にゲーミングスマートフォンの最高峰に立ち続ける。 最強のハードウェアスペック、最新のテクノロジー、そして独自の拡張性。 全てはゲーマーの為に進化したスマートフォン。 ROG Phoneは他の追随を許さない。』
△引用ここまで△
ROG Phoneシリーズ
最高スペックを持つゲーミングスマホとしてデビューしたROG Phoneの現行機種は「5シリーズ」になります。
特にメモリとストレージに注目するとROG Phoneのスペックの高さがよく分かります。
ASUSスマートフォンまとめ
ASUSはパソコン向けマザーボードにおけるトップシェアを誇り、世界のパソコンの3台に1台はASUS製マザーボードを採用していることになります。
また、国際宇宙ステーション(MIR)に持ち込まれたASUSのノートパソコンが600日の任期中に不具合の発生がなかった、あるいは、北極・南極の極寒の中でも正常に動作したなどASUSのPCの話題にも事欠きません。
➡ https://www.asus.com/jp/About_ASUS/about_asus_history_MB/
➡ https://www.asus.com/jp/About_ASUS/about_asus_history_note/
そんなASUSが作り出すスマートフォンは価格以上の性能・機能に加え、日本の「禅」の意匠を取り入れたそのデザイン性も注目です。
HISモバイル編集部
格安SIMや格安スマホを、「お得に」「安心して」利用する上で知っておきたい情報を発信しています。ぜひ記事を参考にして、格安SIMのある生活を送りましょう!
喜田 宗彦(きた かずひこ)
2014年の某MVNOを皮切りに、これまで20社以上30プラン超を利用してきた格安SIM好きで、常に「安くて速いSIM」を探しています。
端末はiPhone 4s以降ずっとiPhone派で、タブレットはiPad、時計はApple WatchというAppleフリークでもあります。Androidスマホは数年に1台買い替える程度です。
趣味はキャンプや車中泊で、小型キャンピングカーを所有しています。
勝箆 孝道(かつの たかみち)
iPhone8・iPad Air・PCを駆使し、格安SIMを月に80GB以上使い倒す福岡在住のヘビーユーザー。世界中のビーチリゾートが大好物で、愛機のiPhone8で写真を撮るのが趣味。スマホ・写真・音楽が好きな、書いて・撮って・歌えるライター。コロナが収束したらインドネシアの秘境を撮影するために渡航予定だが、海外の海に夢中になってSIMフリースマホを2回水没させた経験から「決して海パンのポケットにiPhone8は入れない」と妻に誓った。MNO2社のコールセンターに計12年以上勤務し、通信サービスに精通。新人教育、ベテラン指導を経験。
小林 優太(こばやし ゆうた)
長野県在住のフリーランス・ライター。Apple製品好きで、使っているスマホはiPhone 8。iPhone歴10年以上。MacBook AirとiPadも愛用中。
さまざまなスマホや格安SIMにも興味があり、情報を集めてわかりやすくまとめるのが得意。
皆様のスマホライフがより豊かになる情報をお伝えしていきます!
国立 久吉(くにたち ひさよし)
フリーのライターとして活動している、国立 久吉と申します。格安SIMや光回線、その他企業向けのサービス紹介記事などを主に執筆しております。
真白 ほろ(ましろ ほろ)
Webライター。格安SIM歴は4年。シェアハウスで出会った彼と、民泊サービスを活用したノマドライフを楽しんでいます。暮らしに新しいテクノロジーを取り入れながら、日々をゆったりと過ごすのが好きです。本メディアでは、格安SIMの魅力をご紹介します。
前田 ひろし(まえだ ひろし)
これまでドコモ・auなどの大手キャリアから、Yモバイルや楽天モバイルなどの格安SIMの利用を経験。現在は、HISモバイルの格安弐拾プランをお得に利用中。ライターとしての執筆活動では、格安SIM・光回線・ポケットWiFiなど回線系のジャンルを得意としている。
山根 厚介(やまね こうすけ)
東北大学工学部中退。2002年~2017年、広島県警察。主に刑事部門で勤務。
現在はライティングなどを中心に活動中。得意ジャンルは教育、IT関係など。
【保有資格】情報セキュリティスペシャリスト、2級FP技能士、TOEIC830など