Wi-Fiの買い替え時期はいつ?寿命と設定の引き継ぎ方法を解説
2022.12.01
「Wi-Fiルーターの買い替えどきはいつ?」
「Wi-Fiルーターを買い替えるときのポイントは?」
そのような疑問を感じていませんか。
本記事では、
・Wi-Fiルーターの寿命の目安
・Wi-Fiルーターの買い替えを検討すべきタイミング
・Wi-Fiルーターを買い替える前に試したいこと
・Wi-Fiルーターを買い替えるときに知っておくべきポイント
という流れでWi-Fiルーターの買い替え時期について詳しく解説していきます。
この記事を読めば、モバイルWi-Fiを買い替えるべきタイミングがわかり、あなたがいま新しいWi-Fiルーターを購入すべきかが判断できるようになるでしょう。
Wi-Fiルーターの設定引き継ぎ方法や買い替えない場合のリスクについても紹介するので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
Wi-Fiルーターの寿命の目安
そもそも、Wi-Fiルーターには快適かつ安全に使用できる状態の寿命があります。
1.本体寿命:4〜5年
2.規格寿命:2〜6年
寿命はWi-Fiルーターを買い替えるひとつの目安になりますので、それぞれ知っておきましょう。
1. 本体寿命:4〜5年
本体寿命とは、Wi-Fiルーター本体の耐久性を意味します。何年ほど問題なく利用できるかの目安です。
一般的なWi-Fiルーターの本体寿命は4〜5年となっています。状態がよければ5年以上利用できる場合もありますが、ひとつの目安として覚えておきましょう。
利用を始めてから4〜5年以上経過すると、Wi-Fiルーター本体の劣化が起こり、通信の速度や安定性が低下するといった問題が発生しやすくなります。
2. 規格寿命:2〜6年
規格寿命とは、Wi-Fiルーターの性能の寿命を意味します。時代に合った性能がなければ安全かつ快適に利用できません。そのためWi-Fiルーターは規格が変化してきています。
2022年10月時点、Wi-Fiルーターには以下の規格があります。
世代 | 名称 | 規格 | 最大通信速度 | 周波数 |
第1世代(1997年) | – | IEEE 802.11 |
2Mbps | 2.4GHz帯 |
第2世代(1999年) |
– | IEEE 802.11a |
54Mbps | 5GHz |
– | IEEE 802.11b |
11Mbps | 2.4GHz帯 | |
第3世代(2003年) | – | IEEE 802.11g |
54Mbps | 2.4GHz |
第4世代(2009年) | Wi-Fi 4 | IEEE 802.11n |
600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
第5世代(2013年) | Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac |
6.9Gbps | 5GHz |
第6世代(2019年) | Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax |
9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz |
2〜6年で新しい規格が生まれています。現在最も新しい規格は第6世代、「Wi-Fi 6」と呼ばれる規格です。
今後新しい規格が生まれたとき、現在の規格は寿命を迎えることになります。
Wi-Fiルーターの買い替えを検討すべきタイミング6つ
Wi-Fiルーターの買い替えを検討すべきタイミングは以下の6つです。
1.Wi-Fiの速度が遅い・通信が安定しない
2.動画視聴やオンラインゲームをすることが増えた
3.Wi-Fiに接続するデバイスが増えた
4.インターネット回線を変更した
5.新しいスマホやタブレットに買い替えた
6.引っ越して間取りが変わった
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. Wi-Fiの速度が遅い・通信が安定しない
買い替えを検討すべきタイミングの1つ目は、Wi-Fiの速度が遅い・通信が安定しないときです。
Wi-Fiの本体寿命が近づくと、本体の劣化により通信速度や安定性の低下といった問題が起こるようになります。
また、規格寿命を迎えている場合も、十分な性能がないために機器が必要とする通信速度や安定性が保てません。
「Wi-Fiに接続しているスマホやパソコンの動きが重い」「ときどき接続が切れている」などがあれば、Wi-Fiの買い替えを検討するといいでしょう。
2. 動画視聴やオンラインゲームをすることが増えた
買い替えを検討すべきタイミングとして、動画視聴やオンラインゲームをすることが増えたときがあります。
動画視聴やオンラインゲームの利用には、通信速度や安定性における高い性能が求められます。
Wi-Fiルーターを見直すことで性能が上がれば、より快適に動画やオンラインゲームを楽しめるでしょう。
3. Wi-Fiに接続するデバイスが増えた
Wi-Fiに接続するデバイスが増えたときは、Wi-Fiルーターの買い替えを検討しましょう。
Wi-Fiルーターには性能に応じた同時接続可能台数が決められています。
一般的に、性能が高いほど一度により多くのデバイスを利用することが可能です。
接続するデバイスが増えたとき、現在使用しているWi-Fiルーターの性能が不十分だと、利便性が低下するおそれがあります。
もしこれまで必要十分なWi-Fiルーターを利用していたなら、買い替えのチャンスと言えるでしょう。
4. インターネット回線を変更した
Wi-Fiルーターの買い替えを検討すべきタイミングとして、インターネット回線を変更したときがあります。
インターネット回線を乗り換えると最大通信速度が変わるため、それに対応したWi-Fiルーターでなければ回線の性能を十分に引き出せません。
たとえば、最大通信速度1Gbpsの回線に変更したとしても、Wi-Fiルーターの対応規格が第4世代(最大通信速度600Mbps)のままでは、実際に利用できる速度は600Mbpsに引き下げられてしまいます。
またIPv6接続が利用できる回線に変更した場合でも、IPv6対応のWi-FiルーターでなければIPv6接続を利用できません。
5. 新しいスマホやタブレットに買い替えた
新しいスマホやタブレットに買い換えたときは、同時にWi-Fiルーターの買い替えも検討しましょう。
スマホやタブレットなどのデバイスは、新しい世代の機種になるほど最大通信速度が速くなります。
しかし、Wi-Fiルーターの性能が対応していなければ、せっかくの高性能なデバイスでも十分な速度を出せません。
新しいデバイスの性能に見合っているかを確認し、買い替えを検討しましょう。
6. 引っ越して間取りが変わった
引っ越して間取りが変わったときは、Wi-Fiルーターの買い替えを検討すべきです。
Wi-Fiルーターは、性能によってWi-Fiを届けられる範囲が変わります。
たとえば、ワンルームから2階建ての戸建に引っ越した場合、これまで使っていたWi-Fiルーターでは電波が家全体に届かない可能性が出てくるのです。
引っ越しにより間取りが変わったときは、Wi-Fiルーターの電波が届く範囲に着目して、買い替えを検討してください。
Wi-Fiルーターを買い替える前に試したいこと3つ
Wi-Fiルーターの買い替えを検討すべきタイミングについてお伝えしましたが、必ずしも買い替えが必要ではないことがあります。
Wi-Fiルーターは数千円から数万円するものなので、不用意に購入して「実は買い替える必要がなかった!」ということは避けたいですよね。
ここでは、Wi-Fiルーターを買い替える前に試したいことを3つ紹介します。
1. Wi-Fiルーターを再起動する
2.中継機を設置する
3.インターネット回線を見直す
「Wi-Fiの通信速度や安定性が低い」「Wi-Fiが十分に届かない」というときは、ぜひ試してみましょう。
それでは順番に解説します。
1. Wi-Fiルーターを再起動する
1つ目は、Wi-Fiルーターの再起動です。
一時的な不具合でWi-Fiの通信速度や安定性が低下している場合、Wi-Fiルーターを再起動することで改善できることがあります。
「速度が遅いから」「接続が切れるから」とすぐに買い替える前に、一度再起動を試して改善するかどうかを確認しましょう。
2. 中継機を設置する
2つ目は、中継機を設置することです。
Wi-Fiルーターからの距離が遠くて電波が十分に届かない場合、中継機を設置することで電波が届く範囲が広がり、安定した通信を得られるようになります。
中継機で状況を改善できれば、Wi-Fiの買い替えや再設定をする必要がないので、出費や手間を抑えられますよ。
3. インターネット回線を見直す
3つ目は、インターネット回線を見直すことです。
「Wi-Fiの速度が遅いと思っていたけど、実はインターネット回線そのものの速度が遅いせいだった」ということは少なくありません。
インターネット回線の速度が遅い場合、新たに高性能なWi-Fiルーターに買い替えても意味がありません。
通信速度の遅さに悩んでいるなら、まずは契約しているインターネット回線の最大通信速度がどれくらいかをチェックしましょう。
Wi-Fiルーターの買い替えを検討するのは、インターネット回線を見直してからが望ましいです。
Wi-Fiルーターを買い替えるときに知っておくべきポイント3つ
Wi-Fiルーターを買い替えるときに以下のポイントを知っておくと、失敗や後悔を避けられます。
1.新しいWi-Fiルーターは高速通信規格「Wi-Fi 6」を選ぶ
2.新しいWi-Fiルーターと各デバイスとの再接続が必要になる
3. 新しいWi-Fiルーターは同じ型番か無線引っ越し機能対応だと引き継ぎできる
詳しく解説します。
1. 新しいWi-Fiルーターは高速通信規格「Wi-Fi 6」を選ぶ
新しいルーターは、高速通信規格「Wi-Fi 6」を選びましょう。この規格は2022年10月時点での最新規格です。
「Wi-Fi 6」規格のWi-Fiルーターを選べば、性能については申し分ありません。Wi-Fiルーターのなかで最大通信速度が最も速く、「2.4GHz/5GHz」のいずれの周波数帯にも対応しています。
また、「Wi-Fi 6」規格のWi-Fiルーターの多くは「IPv6」にも対応しています。セキュリティ面から考えてもおすすめです。
2. 新しいWi-Fiルーターと各デバイスとの再接続が必要になる
Wi-Fiルーターを買い替えると、接続するWi-Fiやパスワードが変わるため、新しいWi-Fiルーターと各デバイスの再接続が必要になります。
スマホやパソコンだけでなく、テレビのビデオオンデマンドサービスやIoT機器など、意外と再接続が必要なものは多いです。
デバイスごとに再接続の手間がかかることを覚えておきましょう。
ただしiPhoneとMacなどデバイスによってはほかのデバイスで接続しているWi-Fi情報を共有でき、再接続の手間を減らせます。
3. 新しいWi-Fiルーターは同じ型番か無線引っ越し機能対応だと引き継ぎできる
新しいWi-Fiルーターはこれまで使用していたWi-Fiルーターと同じ型番か、無線引っ越し機能に対応している場合、設定を引き継げます。
設定を引き継げるメリットは、Wi-Fi情報やパスワードをそのまま使い続けられるため、各デバイスとの再接続の手間が省けることです。
Wi-Fiに接続しているデバイスが多い場合は、設定の引き継ぎができるWi-Fiルーターを選ぶことをおすすめします。
【ケース別】Wi-Fiルーターの設定引き継ぎの方法
Wi-Fiルーターの設定引き継ぎ方法を2種類紹介します。
1.同じ型番のWi-Fiルーターへの引き継ぎ
2.無線引っ越し機能に対応しているWi-Fiルーターへの引き継ぎ
詳しく見ていきましょう。
1. 同じ型番のWi-Fiルーターへの引き継ぎ
同じ型番のWi-Fiルーターへの引き継ぎは、基本的にこれまで使用していたWi-Fiルーターの設定ファイルを保存し、新しいWi-Fiルーターに取り込むことで可能となります。
この方法では設定ファイルを一時的に保存するため、パソコンが必要です。
やり方は、これまで使用していたWi-Fiルーターとパソコンを接続し、設定ファイルをパソコンに保存。その後、Wi-Fiルーターを新しいものに交換し、パソコン内にある設定ファイルを新しいWi-Fiルーターで復元します。
パソコンとの接続は有線・無線のどちらでも問題ありません。
2. 無線引っ越し機能に対応しているWi-Fiルーターへの引き継ぎ
無線引っ越し機能に対応しているWi-Fiルーターへの引き継ぎは、基本的にWi-Fiルーター本体を操作することで行います。
具体的な操作手順は機種により異なるため、説明書を確認しながら進めましょう。
Wi-Fiルーターを買い替えないリスク3つ
Wi-Fiルーターを買い替えないリスクとして以下の3つがあります。
1.速度が遅く不安定な通信となる
2.セキュリティが脆弱になる
3.メーカーの修理保証から外れる
1. 速度が遅く不安定な通信となる
Wi-Fiルーターを買い替えないリスクとして、寿命を迎えた場合に速度が遅く不安定な通信となることがあります。
お伝えした通り、Wi-Fiルーターには本体寿命や規格寿命があり、快適で安全に利用するには寿命を守って使用することが大切です。
5〜6年以上利用している場合は、寿命を迎えている可能性が高いので、通信の速度や安定性が低下するリスクが高くなります。
2. セキュリティが脆弱になる
Wi-Fiルーターを買い替えないリスクとして、セキュリティが脆弱になることがあります。
Wi-Fiルーターには外部のサイバー攻撃を防ぐための機能が備わっていますが、古くなるほど攻略されやすくなり、セキュリティが危機にさらされるリスクが高まります。
新しい規格のWi-Fiルーターほど、最新のサイバー攻撃にも対応できるセキュリティがあるため、最新のものに買い替えた方が安全です。
3. メーカーの修理保証から外れる
Wi-Fiルーターを買い替えないリスクに、メーカーの修理保証から外れることがあります。
一般的に、Wi-Fiルーターを購入すると1〜3年程度の修理保証を受けることができ、保証期間内であれば無料で修理を受けることが可能です。
しかし、Wi-Fiルーターを買い替えずにいると、保証期間を過ぎてしまい、不具合などの問題が生じたときに無料修理をしてもらえません。
まとめ:Wi-Fiルーターは定期的に買い替えたほうが快適に利用できる!
今回は、Wi-Fiルーターの買い替え時期についてお伝えしました。
最近では多くの家庭でWi-Fiルーターを設置しています。買い替えを検討すべきタイミングを知り、定期的に新しいものに変えることで、Wi-Fiを快適に利用できるでしょう。
この記事が、Wi-Fiルーターの買い替え時期に悩む方のお役に立てれば幸いです。
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