モデム・ONU・ルーターの違いがひと目でわかる!機能や役割の違いとは?

2025.04.28

モデムやONUは「回線の信号を変換してネット接続する役割」、ルーターは「複数の端末を同時に接続する役割」を担っていて、役割は全く違います。光回線では「モデム」ではなく「ONU」を使用し、機器ごとに接続端子や通信状態を確認できるランプ名も違います。

インターネットは、現代社会において空気のように私たちの生活に欠かせない存在になりました。スマートフォンでSNSや話題のお店をチェックしたり、パソコンで調べ物をしたり、自宅で映画やドラマを楽しんだり。その快適なインターネット接続を実現するために、活躍している2つの重要な機器があるのをご存知でしょうか?それが「ルーター」と「モデム(ONU)」です。

でも、「ルーターとモデムって何が違うの?」「どうやって繋げばいいの?」「一体型ってどうなの?」と、これらの言葉を聞いただけで頭が混乱してしまう方も少なくないかもしれません。特に、初めてインターネット回線を契約する方にとっては、その違いが分かりにくくて幾らか不安に感じるでしょう。

そこでこの記事では、「ルーターとモデムの違い」についてわかりやすく解説します。それぞれの基本的な役割から、見た目や端子の違い、簡単な配線図までご紹介します。この記事を読めば、もうルーターとモデムで迷うことはありません。インターネットを利用するための基礎知識を身につけましょう!

基本概要:それぞれの役割をザックリ理解しよう

ルーターとモデム(ONU)は、どちらもインターネット接続に不可欠な機器ですが、その役割は大きく異なります。例えるなら、モデムは「インターネット回線とあなたの家を結ぶ入口」、そしてルーターは「複数の機器がスムーズにインターネットを利用できるように交通整理をする係」のようなものです。それぞれの役割を詳しく見ていきましょう。

モデムとは?

モデムは、アナログ信号とデジタル信号の間で相互に変換を行う通信装置です。ケーブルテレビ(CATV)やADSLは、アナログ方式を用いたインターネット回線です。家庭内のパソコンやスマート機器はデジタル信号を使用しているため、モデムが信号を変換してアナログ回線との橋渡し役を果たします。

モデムとは?|インターネット回線とデジタル機器をつなぐ橋渡し役

モデム(MODEM)は、「Modulator(変調器)」と「Demodulator(復調器)」という2つの言葉を組み合わせた略語です。その名前が示すように、モデムには下記に示す2つの主な役割があります。

モデムの2つの役割

①インターネット回線から送られてくるアナログ信号を、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器が認知できるデジタル信号に変換(復調)する。

②逆にデジタル機器からデータをアップロードする際のデジタル信号を、アナログ信号に変換(変調)する。

回線の種類に対応したモデムがある

私たちが普段利用しているインターネット回線には、光回線・ケーブルテレビ回線など、様々な種類があります。それぞれの回線で使用される信号の形式が異なるため、契約している回線の種類に対応したモデムを使用しています。

例えば、光回線の場合は、基本的に光信号をデジタル信号に変換する「ONU(光回線終端装置)」と呼ばれる機器がモデムの役割を担います。ADSL回線には、電話回線のアナログ信号をデジタル信号に変換するADSLモデムがありましたが、現在はサービス終了のため使用されていません。ケーブルテレビ回線の場合は、ケーブルテレビの信号をデジタル信号に変換するケーブルモデムが使用されます。

つまり、モデムはインターネットという外界と、普段使っているデジタル機器との間で、通訳のような役割を果たしているのです。モデムがなければ、スマホやパソコンはインターネット通信ができません。

参考情報:光回線では「モデム」ではなく「ONU」を使用

モデムと混同されやすい機器に「ONU(回線終端装置)」があります。ONUは光回線専用の機器で、光ファイバーを通して送られてくる光信号をデジタル信号へと変換して、家庭内で使うデジタル機器で利用できるようにします。

つまり、モデムがアナログ回線用なのに対し、ONUは光回線用の変換装置という違いがあります。2つとも家庭にあるデジタル機器で使用できるようにデジタル信号に変換する点は共通していますが、使用される回線が違うのです。以下に簡単に整理します。

モデム:ADSLやCATVなどのアナログ回線向けの信号変換装置

ONU:光回線向けのデジタル信号変換装置

ONUとは?光回線用の信号変換装置

「ONU(Optical Network Unit)」は、光ファイバーを通じて送受信される光信号を、家庭内のデジタル機器で使用できる電気信号へと変換する装置です。

光回線ではデータが「光信号」で送られてくるため、アナログ用のモデムでは対応できません。そのため、光回線専用のONUが必要です。機能的にはモデムの役割と似ていますが、対象となる通信方式が異なり、光回線専用の技術が使われています。

おすすめの光回線、HIS光セット割について詳しく知りたい方は、「ドコモ光セット割よりもおすすめの光セット割って?https://his-mobile.com/column/2024_09_02」に掲載されている、「HIS光セット割がおすすめの7つの理由!」のセクションをご参照ください。

ルーターとは?複数の機器をインターネットに接続する装置

一言でいうと、ルーターは「1本のインターネット回線を複数の端末に接続するための装置」です。ネット社会の現代では、パソコンやスマートフォンだけでなくあらゆるスマート家電をインターネットに接続します。こうした複数の機器を1つの回線でネットにつなぐためには、ルーターが不可欠なのです。

仮にルーターがなければ、モデムやONUから出ている1本のケーブルを1台の端末にしか接続できず、複数の機器を同時にネット接続できません。スマートホーム向けのルーター選びは下記の記事を参考になさってください。

関連記事:スマートホームに最適なWi-Fi環境とは?ルーター選びのポイント 

ルーターの2つの役割と3つの機能

ルーターの2つの役割

ルーター(Router)の主な役割は2つあります。

1つ目は、家庭内にある複数のデジタル機器(スマホ・パソコン・スマート家電など)を同時にインターネットに接続することです。

2つ目は、それぞれの機器がスムーズに通信できるように交通整理をすることです。データを転送するルートを選択する機能を有しているため、「ルーター」と呼ばれています。

ルーターの3つの機能

ルーターには、主に以下の3つの重要な機能があります。

  • IPアドレスの割り振り(DHCPサーバー機能)
    インターネットに接続するすべてのデバイスは、ネットワーク上の「住所」となるIPアドレスの割り当てが不可欠です。ルーターは、このIPアドレスを各デバイスに自動的に割り振る役割(DHCPサーバー機能)を担っています。これにより、ユーザーは手動で複雑な設定を行う必要がなく、簡単に複数のデバイスをインターネットに接続できます。
  • データ通信の経路制御(ルーティング機能)
    複数のデバイスが同時にインターネットを利用する際、ルーターはそれぞれのデバイスからの要求に応じて最適な通信経路を選択し、データを正しい宛先へ届けます。この経路制御機能が、ルーターの名前の由来です。
  • セキュリティ機能(通信の暗号化・不正アクセス検知など)
    ルーターには、一般的に外部からの不正なアクセスを防ぐために、通信の暗号化や各種フィルターなどのセキュリティ機能が搭載されています。これにより、あなたの家庭内ネットワークを外部の脅威から守る役割も担っています。

「無線ルーター」と「有線ルーター」の違い

ルーターは、1つのインターネット回線を家庭内の複数のデバイスに分配する装置です。ルーターには主に2つの種類があります。無線(Wi-Fi)に対応していれば「無線ルーター」と呼ばれ、Wi-Fi非対応でLANケーブルのみで接続するタイプは「有線ルーター」と呼ばれます。

  • 無線ルーター(Wi-Fiルーター):主にWi-Fiで機器をネット接続できる
  • 有線ルーター:接続はLANケーブルのみ可能で、Wi-Fi機能がない

現在は無線ルーターが主流となっており、スマートフォンやノートパソコンなどをケーブルなしで接続するスタイルが一般的です。「無線ルーター」とはいっても、LANポートは幾つかついています。一方で、有線ルーターにはWi-Fi機能がありません。

モデム・ONU・ルーターの違いとは?それぞれの役割を正しく理解しよう

モデムとONUは、どちらもインターネット回線からの信号を変換する役割がありますが、接続する回線の種類が異なります。一方、ルーターの機能的な役割は全く異なり、インターネット回線を複数の端末に接続する役割を担っています。モデムやONUとは違い、信号の変換は行いません。

モデム・ONU・ルーターの役割の違い

モデム:CATVなどのアナログ回線でアナログとデジタルの信号を双方向に変換する

ONU:光回線の光信号とデジタル信号を双方向に変換する

ルーター:複数の端末をネットにつなげるための分配装置

一体型ルーターモデムとは?|メリットとデメリット

モデムとルーターの機能が1つになった「一体型ルーターモデム」も提供されています。これには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 設置スペースの削減:2つの機器を別々に設置する必要がないため、省スペースで済みます。
  • 配線がシンプル:機器間の接続が減るため配線がスッキリ

デメリット

  • 故障時の影響範囲が大きい:一体型のため、どちらかの機能が故障すると、インターネット接続全体に影響します。
  • 機能拡張の柔軟性が低い:個別のルーターに比べて、高度な機能や最新の規格に対応していない場合があります。例えば、より高速なWi-Fi規格に対応したルーターに後から買い替えるといった柔軟な対応ができません。

提供されるモデムにルーター機能が内蔵されているかどうかは回線事業者やプランによって決まっていますので、通常は利用者の都合で選べません。

一体型ルーターモデムはどんな人におすすめ?
一体型ルーターモデムは、ネット初心者の方や、設置スペースをできるだけ抑えたい方などにおすすめです。一方、複数のデバイスを高性能な無線LANで接続したい方や、将来的な機能拡張を考えている方には、個別にルーターとモデムを組み合わせる方が適しています。

ひと目でわかる!モデム・ONU・ルーターの見分け方

以下のポイントで、それぞれの機器を見分けることができます。

ケーブルモデムの見分け方:背面にCABLEコネクタがある

ケーブルテレビ用のケーブルモデムの背面には、同軸ケーブルを接続するためのCABLEコネクタがあります。

ADSLモデムの見分け方:背面にモジュラージャックがある

ADSL用のモデムには、電話線などを接続するための「モジュラージャック」が搭載されています。これはアナログ回線特有の「凸」のような形状の端子で、一般的なLANポートとは形状が異なります。現在はサービス終了しているため、まだネット接続できるのであればADSLモデムではありません。

ONUの見分け方:光ファイバーケーブルで接続、LANポートは1つだけ

一般的なONUはLANポートが1つしかないシンプルな構造で、光コンセントと光ファイバーケーブルで接続されており、家庭用機器と直接Wi-Fi接続できません。例外として、レンタル機器が1台だけなのに無線にもつながっている場合は、ルーター一体型のONUです。

ルーターの見分け方:背面または側面にSSIDが記載、LANポートが複数ある

ルーターの特徴は、複数のLANポートがあることです。これは、パソコンやテレビ、ゲーム機など複数の端末と有線接続するためのものです。無線ルーターであればアンテナやWi-Fiマークがついている場合もあります。背面や側面に、SSID(ネットワーク名)や暗号化キーが記載されていればルーターです。

画像引用元:ケーブルモデムの接続方法|株式会社八戸テレビ放送

ネットワーク名(SSID)と暗号化キーの記載場所|NEC Platforms

見た目と接続端子の違い:見分けるためのポイント

ルーターとモデムは、見た目や搭載されている接続端子にも幾つかの違いがあります。これらを知っておくと、何の機器なのかを簡単に見分けられます。

一般的にモデムは比較的シンプルな形状をしており、ランプの数も少ない傾向があります。一方、ルーターは複数のアンテナが付いているものや、多くのLANポートを搭載しているものなど、多彩なデザインで多機能な印象を与える見た目をしています。

搭載されている主な接続端子

搭載されている主な接続端子にも注目してみましょう。

  • モデム
    • 回線接続端子:光回線であれば光ファイバーケーブルの接続口があり、壁に光コンセントがある場合があります。ケーブルテレビ回線であれば同軸ケーブルの接続口、ADSL回線であれば電話線(モジュラージャック)の接続口があります。
    • LANポート:通常1つのLANポートが搭載されており、ここからルーターやパソコンなどの機器と有線接続します。NURO光のONUにはLANポートが3つついています。
    • 電源ポート:電源アダプターを接続するためのポートです。
  • ルーター
    • WANポート(インターネットポート):モデムと接続するためのポートです。青色などに色分けされているケースが多いです。
    • LANポート:複数のLANポートが搭載されており、パソコンやゲーム機などの有線LAN対応機器を接続します。
    • 電源ポート:電源アダプターを接続するためのポートです。
    • USBポート:外付けHDDやUSBメモリを接続するためのポートが搭載されている機種もあります。

画像引用元

フレッツ光各種機器|NTT西日本公式

Aterm WG1200HS4(NE)|NEC

ランプ名で見分ける

ランプ名も機器を見分ける手がかりになります。モデムには、電源(POWER)ランプ・回線接続ランプ・データ送受信ランプなどがあります。

ルーターには、電源(POWER)ランプ・インターネット接続ランプ(WANランプ)・各LANポートの接続ランプ・各周波数帯の状態表示ランプ・無線LAN(Wi-Fi)ランプなどがあります。

これらのランプ状態を確認すると、機器が正常に動作しているか、どこに問題があるのかを直感的に判断できます。

接続される順番

壁から出ている線がモデムまたはONUを経由してルーターに接続されます。それで、複数の機器がある場合、壁から一番遠い機器がルーターです。

光回線の接続例

モデム・ONU・ルーターの違い早見表

モデム・ONU・ルーター、各機器の役割や利用回線を一覧でまとめた比較表をご覧ください。

機器名主な役割利用回線複数端末の接続Wi-Fi対応
モデムアナログ信号とデジタル信号の変換ケーブルテレビ/ADSL非対応(※)非対応(別途必要※)
ONU光信号とデジタル信号の変換光回線非対応(※)非対応(別途必要※)
有線ルーター複数端末への有線接続・データ中継全回線に対応対応非対応
無線ルーター有線ルーター+Wi-Fi機能全回線に対応非対応非対応

※ 一部「一体型ルーターモデム」あり

まとめ:モデム・ONU・ルーターの違いは意外と簡単

モデム/ONUはインターネット回線の信号を変換する機器で、接続する回線によって使い分けます。ルーターは複数の端末をネット接続するための装置です。それぞれの役割と特徴を正しく理解しておけば、モデム・ONU・ルーターの違いは意外と簡単に見分けられます。配線や設定の際にも戸惑わずに作業できるでしょう。

Wi-Fiルーターの選び方やWi-Fi 6/6E/7の違いやおすすめルーターについては、下記の記事を参考になさってくださいね。

【関連記事】

Wi-Fiルーターとは?選び方やおすすめ9選を徹底紹介

【最新】Wi-Fi 7リリース!Wi-Fi 6/6Eも狙い目?おすすめルーター6選!

※本記事は2025年4月19日時点の情報を基に執筆しています。

関連の記事

当サイトでは、サイトの利便性向上のため、クッキー(Cookie)を使用しています。サイトのクッキー(Cookie)の使用に関しては、「プライバシーポリシー」をお読みください。

同意する