MNP転出手数料が無料?手続き方法などMNPに関する情報を徹底解説!
2022.08.05
他社へ乗り換えを検討する際、「MNP」という言葉をよく目にしますよね。
そもそもMNPとはどのような意味があるのでしょうか。
他にも以下のようなMNPに関する疑問があるかもしれません。
「MNPを転出するには手数料がかかるの?」
「MNPの手続き方法を知りたい」
格安SIMの普及により、大手キャリアから格安SIMへ月額料金を節約するために乗り換える人が増えてきました。
MNPについて知っておくと乗り換えがスムーズになりますし、現在乗り換えを検討していない人にとってもMNPの知識は役に立ちますよ。
「今よりも月額料金を安くしたいけど、乗り換えが不安…」という人や乗り換えを検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。
MNPとは?
MNPとは「Mobile Number Portability」が正式名称で、日本語に訳すと「携帯電話番号ポータビリティ」という意味です。
MNPによって、電話番号はそのままで移転先の携帯電話会社のサービスを利用できます。
「MNPする」=「乗り換えをする」と捉えてもいいでしょう。
MNPは2006年から開始され、大手キャリア間の移転だけではなく、大手キャリアから格安SIMの移転にも利用できる制度です。
また、MNPには電話番号をそのまま引き継ぐために「MNP転出」と「MNP転入」が必要です。
MNPを転出とは、現在利用している携帯会社から「MNP予約番号」を取得することを指します。
MNPを転入とは、現在利用している携帯会社から取得した「MNP予約番号」を次の利用先の携帯会社へ伝えて、携帯番号の情報を引き継ぐことです。
MNP予約番号は、「ショップの窓口で相談」「予約番号発行の専用番号へ連絡」「ウェブページ上で手続き」などを通して取得できますよ。
乗り換える(=MNPする)ためには、MNP予約番号の取得だけではなく、乗り換えるために必要なものがあったり、注意すべき点があるのでしっかり後述する項を読んでおいてください。
MNP転出手数料は無料
結論からいうと、MNP転出手数料は「無料」です!
2021年4月1日から総務省が改正した「MNPガイドライン」の適用により、MNP転出手数料(3,300円税込)が廃止されて「無料」になりました。
これから乗り換えを検討されている人にとっては、「3,300円」の費用が発生しないため嬉しい制度改正ですね。
一方で、MNP転出を店舗や電話対応で行うと1,100円の費用が発生したり、MNP転入には事務手数料として費用が発生するので注意しましょう。
Web | 店舗・電話 | |
MNP転出 | 0円 | 1,100円 |
MNP転入 | 3,300円 | 3,300円 |
総務省が改正した「MNPガイドライン」の適用により、Web上でのMNP転出手数料は0円ですが、店舗や電話対応で行うと1,100円の費用が発生することもあります。
たとえば、ドコモ・au・ソフトバンクの大手キャリアは一律「0円」ですが、QTモバイルでは電話で手続きする際には「1,100円」かかるようです。(参考:QTモバイル公式)
MNP転出では基本的に「0円」ですが、MNP転入では「契約事務手数料」として「3,300円」かかります。
携帯会社によってはMNP転入も元から「0円」だったり、キャンペーンによって「0円」になることもあるので、その都度確認しておくといいでしょう。
MNPの回線が切り替わるタイミングについて
MNPの回線が切り替わるタイミングは現在の携帯会社でMNP予約番号を取得して、次の携帯会社で新規契約をして回線を開通してからです。
MNP予約番号を取得するだけでは、現在利用しているキャリアを解約したことにはなりません。
また、「MNP回線切り替え」と同時に契約していた携帯会社との契約が自動的に解約となり、新たに次の利用先の携帯会社と契約されます。
MNP予約番号の有効期間は15日間で、有効期間内であれば希望のタイミングで「MNP回線切り替え」が可能です。
乗り換えには用意するものやデータのバックアップが必要となるため、期間に余裕を持たせてからMNPしましょう。
MNP転入する前の準備と注意点
これまでMNPの意味やMNP転出手数料についてお伝えしてきました。
次にMNP転入(=乗り換える)前に準備したり、注意すべきポイントがあるので紹介します。
MNP転入する際に必要なもの
MNP転入する際に必要なものは大きく分けると以下の4つです。
● MNP予約番号
● 本人確認書類
● クレジットカードまたはキャッシュカード
● 連絡の取れるメールアドレス
補足として毎月の支払い方法は「銀行引き落とし」「クレジットカード」になるのですが、クレジットカードしか対応していない携帯会社もあるので、クレジットカードであればどの携帯会社にも対応できますよ。
また、「@docomo.ne.jp」や「@softbank.ne.jp」などの携帯電話会社のメールアドレスは解約の際に利用できなくなるので、「Gmail」や「Yahooメール」などのフリーメールアドレスを用意しておくといいでしょう。
データのバックアップをしておく
乗り換え(MNP)をためらう人にとって大きな原因の一つが「データのバックアップ」だと思います。
データのバックアップは気にするほど難しいものではないので安心してください。
以下、iPhoneとAndroidのバックアップ手順をまとめました。
データのバックアップ方法① | データのバックアップ方法② | |
iPhone | ■「iCloud」を使用した場合 1. 使用中のiPhoneで「iCloud」にログインする 2. “今すぐバックアップを作成”でバックアップを取る 3. 新しいiPhoneで「iCloud」にログインする 4. 「iCloudバックアップから復元」で復元する ※ただし、「iCloud」は無料版で5GBまでしかバックアップが取れません。 |
■「iTunes」を使用した場合 1. パソコンと使用中のiPhoneを「iTunes」で同期させる 2. 端末の管理画面から“今すぐバックアップ”でバックアップを取る 3. パソコンと新しいiPhoneを「iTunes」で同期させる 4. 端末の管理画面から“iPhoneを復元する”で復元する ※より多くのデータのバックアップを取りたいのなら「iTunes」がおすすめです。 |
Android | ■「バックアップ機能」を使用した場合 1. 使用中の端末から「Googleアカウント」にログインする 2. 設定画面から「バックアップとリセット」を選択する 3. 「データのバックアップ」からバックアップを取る 4. 新しい端末から「Googleアカウント」にログインする ※「バックアップ機能」はAndroid系の端末には標準装備されている機能です。 |
■「Move to iOS」を使用した場合 1. Android端末から「Move to iOS」を起動させる 2. 利用条件に問題がなければ、「コードを検索」を進める 3. iOS端末を初期起動させ「Appとデータ」を開く 4. 「Androidからデータを移行」を選択する 5. 表示されたコード(10桁)をAndroid端末に入力する 6. 移動させたいデータをチェックし、「次へ」を選択する ※「Move to iOS」はAndroid端末からiOS端末への引き継ぎのためのアプリです。 簡単に引き継ぎができ、Apple社公認のアプリなので安心して利用できます。 |
また、LINEやお財布ケータイなど個別にデータの引き継ぎが必要なアプリもあるので、自分が利用しているアプリの引き継ぎの取り扱いを確認しましょう。
格安SIMへ移行する際はキャリアメールに注意しよう
大手キャリアから格安SIMに移行する際、よく不満に挙がっていたのが「キャリアメール」です。
● xxxxx@docomo.ne.jp
● xxxxx@ezweb.ne.jp
● xxxxx@softbank.ne.jp
これらのメールアドレスは、携帯会社と契約している間だけ使えるものです。
今までキャリアメールを使用していた場合、格安SIMに乗り換えるとキャリアメールは利用ができなくなってしまいます。
しかし、2021年12月16日からNTTドコモを皮切りに「キャリアメールの持ち運び」がスタートしました。
● NTTドコモ|2021年12月16日〜「ドコモメール持ち運び」
● KDDI(au)|2021年12月20日〜「auメール持ち運び」
● ソフトバンク|2021年12月20日〜「ソフトバンク/ワイモバイルメール持ち運び」
各キャリア共に別途手続きが必要で、月額費用は330円となります。
ちなみに、ソフトバンクに関しては年間3,300円または、2022年夏頃以降は月払い330円も選択できるようになる模様です。
解約時期によっては契約解除料が発生
MNP転出手数料の他に、これまで大手キャリアでは「2年縛り」などと呼ばれる年間契約の縛りがあり、契約期間途中で解約すると、10,450円も契約解除料が発生することもありました(※1)。
※1 NTTドコモは2021年10月に撤廃。ソフトバンクは2022年2月、auは2022年3月末に撤廃する予定。
一方、格安SIMではそもそも契約期間の縛りは設けていないケースが多く、いつ解約しても0円で解約することが可能です。
料金プランや契約期間を確認してからMNPするといいでしょう。
他社へMNP転入する手順
MNP転入の準備が整ったら実際にMNP転入の手続きをしましょう。
大まかには以下のような手順が必要です。
● 契約している会社からMNP予約番号を取得する
● 希望の料金プランを決めて手続きをする
● SIMカードが届いたら転入先の回線へ切り替える
それぞれ詳しくみていきましょう。
契約している会社からMNP予約番号を取得する
MNP予約番号の取得は、現在契約している携帯電話会社に発行してもらえます。
以下、大手キャリアと格安SIMのMNP予約番号の取得方法です。
携帯電話 | 151にダイヤル (9:00~20:00) |
一般電話 | フリーダイヤル 0120-800-000 (9:00~20:00) |
店頭 | ドコモショップ |
PCサイト | dアカウント → ログイン → ドコモオンライン手続き (9:00~21:30) |
携帯電話 | *5533にダイヤル (9:00~20:00) |
一般電話 | フリーダイヤル 0800-100-5533 (9:00~20:00) |
店頭 | ソフトバンクショップ |
My SoftBank | (9:00~20:00) |
携帯電話/一般電話共通 | 0077-75470にダイヤル (9:00~20:00) |
店頭 | auショップ/トヨタ au取扱店 (一部除く) |
PCサイト | My au TOP → ログイン → MNPご予約(9:00~20:00) |
■格安SIM
各格安SIM会社に問い合わせてください。ほとんどの格安SIM会社では、Web上からMNP予約番号を取得する流れになります。
「格安SIMはWeb上だから不安…」という人でも電話対応があったり、大手キャリアと比較すると少ないですが店舗を運営している格安SIM業者もあるので大丈夫ですよ。
希望の料金プランを決めて手続きをする
乗り換えるには希望の料金プランを決める必要があります。
店舗での手続きは店員と相談しながら決定しましょう。
以下、Web上での大まかな手続き方法です。
1. お客様情報と配送先の入力
2. 料金プラン・サービスの選択
3. お支払情報の入力
4. ご注文内容のご確認
気をつけたいのは、MNP予約番号の有効期限が15日であること、本人確認書類やクレジットカードなどの準備するものに不備がないか確認しましょう。
SIMカードが届いたら転入先の回線へ切り替える
SIMカードや案内が届いたら、開通の手続きをしましょう。
開通の手続きは以下の通りです。
1. 各携帯会社のページにログイン
2. 「お申し込み状況一覧」を選択する
3. 「回線切替」を選択する
4. 「実行」を選択する
5. 回線への切り替え手続きが終わったら、端末にSIMカードを差し込みます。
6. SIMカードを差し込んだら発信テスト用の番号「111」(通話無料)に電話をかける。
電話が無事にかかったら開通手続きが完了です。
格安SIMへMNP転入する3つのメリット
現在、大手キャリアを契約している人は格安SIMがおすすめです!
格安SIMへMNP転入するメリットは以下の3つです。
● 月額料金が安い
● 料金プランが充実している
● 2台目以降もお得に!
それぞれ詳しくみていきましょう。
月額料金が安い
人によっては、月額料金が5,000円以上も安くなることもあり、年間60,000円も節約が可能!
もし月額料金が5,000円ほど安くなることはなくても、大手キャリアから格安SIMに乗り換えると、月額料金が1,000円以上安くなるのはよくある話です。
仮に月額料金が1,000円安くなったとすれば、年間12,000円も安くなります。10年間で見ると12万円も月額料金を節約できますね。
料金プランが充実している
格安SIMによって料金プランは違いますが、HISモバイルでは手頃な1GBから大容量の30GBまで、さまざまなプランに対応しています。
1. データ通信のみ月額198円~
2. 音声通話付き月額1,078円~
3. 月20GBの大容量で月額2,178円!70分の無料通話付き!
ユーザーにとって、利用するプランに合わせて数多くの選択肢があるのは嬉しいですね。
2台目以降もお得に!
1台目はもちろん格安SIMなら2台目以降もお得に利用できます。
「仕事とプライベートを分けたい」
「タブレットにもSIMを利用したい」
「家族みんなで使いたい」
2台目以降の利用の仕方は人それぞれですが、お得に利用できるのは間違いありません。
特に、格安SIMのデータSIM契約は「2台目スマホ」にぴったりです。
よくある質問
MNPに関してよくある質問をまとめました。
MNP予約番号のキャンセル・再発行はできる?
基本的に、MNP予約番号の有効期限である15日間の期限を過ぎた場合、自動的にキャンセル(解約)されます。
また、15日以内であれば各キャリアのショップやMNP窓口に電話すればキャンセル可能です。
月の途中で解約する場合、利用料金は日割りになる?
月途中でご解約の場合でも一か月分のご利用料金が発生します。(日割り計算は行いません)
MNP予約番号発行ができない条件はある?
以下のようなケースでは、MNP予約番号発行ができないので注意しましょう。
● 請求金額のお支払いが確認できていない場合
● 利用停止または利用中断中の場合
● 音声通話に関わるオプション変更を受付中の場合
● 契約元キャリアと契約名義が異なる
携帯の契約のときには、クレジットカードと同様に必ず審査が行われ、引っかかってしまうと「MNPできない」といった事態が発生します。
審査では、過去の携帯料金の支払い状況(滞納)、短期解約や強制解約など、携帯会社利用に関する実績情報を見ているようです。
日頃から普通に利用している人がほとんどなので、過剰に気にする必要はないでしょう。
格安SIMを検討しているけど通信環境が不安
格安SIMの利用にあたって「格安SIMの回線環境はどうなの?」という声がよくあります。
格安SIMよりも大手キャリアの方が回線環境が良いのは間違いないでしょう。
ただし、格安SIMでは以下のような一部の時間帯や場所においては通信速度が遅くなります。
● 平日の昼間、12時~13時頃
● プライベートでの通信が増える夕方から深夜
● 都市部の駅周辺のように人口が極端に集中する場所
格安SIM業者が回線を借りている事業者は大手キャリアからなので、つながりやすさやエリア対応については心配しなくてもいいでしょう。
また、「大手キャリアと同じ使い方をしてもストレスなく月額料金を節約できた!」という声が多くあるのも格安SIMの大きなポイントです。
MNPについてのまとめ
ここまで、MNPの意味やMNPの手続きに関する情報を紹介してきました。
いくつかポイントをまとめると以下の通りです。
● MNPとは「携帯電話番号ポータビリティ」という意味で、「MNPする」=「乗り換えをする」といえる。
● MNP転出手数料は2021年4月1日から「無料」になった。
● MNPの回線が切り替わるタイミングは現在の携帯会社でMNP予約番号を取得して、次の携帯会社で新規契約をして回線を開通してからとなる。
● MNP予約番号だけでは「乗り換え」はできず、準備するものやデータのバックアップが必要となる。
● 準備ができたら、乗り換え先で希望の料金プランを決めて、SIMカードが届いたら転入先の回線へ切り替える
● MNP(乗り換え)をするなら、格安SIMがおすすめ!月額料金が月額料金が5,000円以上も安くなることも。
● 格安SIMでは、一部の時間帯や場所においては通信速度が遅くなることもあるが「大手キャリアと同じ使い方をしてもストレスなく月額料金を節約できた!」という声もある。
記事を参考にして、前向きに乗り換えを検討してみてください。
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