SIMカードのサイズはどうやって調べる? – 確認方法や注意点を解説
2022.08.05
最近、格安SIMでスマホを利用するユーザーが増えてきています。
格安SIMでスマホを使うことにはさまざまなメリットがありますが、なかでも特に大きなメリットは、大手キャリアに比べて月額料金が安いことでしょう。
これらのメリットに惹かれ、大手キャリアから格安SIMへの乗り換えを検討している人は多いかも知れません。しかし、格安SIMへの乗り換えには戸惑ったり不安を感じたりしてしまう点もあるでしょう。
「SIMカードのサイズ」もその1つかも知れません。本記事では、格安SIMの乗り換えで必要な、SIMカードのサイズの調べ方やその注意点を詳しくご紹介します。
SIMカードとは何か?
そもそもSIMカードとは一体何でしょうか。
SIMカードは、通信サービスに加入した人の契約情報などが記録された小さなカードです。契約者情報(識別番号や電話番号、メールアドレスなど)が記録されており、個人が特定されることで、通話やインターネットといった通信サービスが利用可能になるのです。
つまりSIMカードは、スマホなどの端末で通信サービスを利用する際に必要となる、大切なカードだということです。
SIMカードのサイズは3種類
「SIMカード」と一言でいいますが、実はサイズによって次の3種類に分類できます。
・標準SIM(miniSIM)
・microSIM
・nanoSIM
ここからは、SIMカードのサイズについて1つずつ確認していきましょう。
標準SIM(miniSIM)
標準SIM(miniSIM)縦25mm 横15mm 厚み0.76mm
標準SIMは、3Gのスマホで使われていた、3種類のなかでは最もサイズが大きなSIMカードです。2022年現在は、4Gスマホが主流であり、5Gへの移行も進んできています。
そのため、標準SIMカードを利用する機会はほとんどないでしょう。
このサイズのSIMカードを「標準SIM」と呼ぶのは日本独自です。海外では「miniSIM」と呼ばれます。海外で「標準SIM」というと、クレジットカード大のよりサイズの大きなSIMカードを指します。
microSIM
microSIM縦15mm 横12mm 厚み0.76mm
標準SIM(miniSIM)の後に登場し、普及したのがmicroSIMです。やはり、3Gのスマホに利用されました。
普及したのは2010年前後からであり、現在は主流ではありません。ただし、標準SIMに比べると新しいSIMカードであり、中古市場で出回っている少し型の古いスマホなどで使われている可能性があります。
nanoSIM
nanoSIM縦12.3mm 横8.8mm 厚み0.67mm
nanoSIMは3種類のなかで最も新しく、また最もサイズが小さいSIMカードです。2022年現在、主流となっているSIMカードです。
SIMカードは、情報を記録した小さなICチップと、その周囲のプラスチック部分から成り立っています。nanoSIMでは、このプラスチック部分が大幅に削られ、ICチップそのものとほとんど変わらない大きさまで小型化されました。
現在出回っているスマホのほとんどは、nanoSIMを使っています。格安SIMへの乗り換えなどでSIMカードを交換する場合、このnanoSIMを入れ替える可能性が最も高いでしょう。
そのほかのSIM
実は、ここまでに紹介した3種類以外にも、SIMカードの種類は存在します。ここでは、それらのSIMカードについて見ていくことにしましょう。
・3種類のサイズに変えられるマルチSIM
・挿入不要なeSIM
3種類のサイズに変えられるマルチSIM
最近多く出回っているのが、「マルチSIM」です。このSIMカードは、一見すると標準SIMと同じように見えますが、ICチップの周囲に「microSIM」「nanoSIM」のサイズの切り込みが入っています。
ユーザーは、自分に必要なサイズに合った切り込みで台紙から切り離し、スマホに挿入します。つまりマルチSIMは、全てのサイズに対応できるということです。
ただし、注意点があります。それは、間違って小さいサイズで切り離さないようにすることです。必要なサイズよりも小さいサイズで台紙から切り離してしまった場合、そのSIMカードは使えなくなってしまい、再発行が必要になってしまいます。
挿入不要なeSIM
eSIMは、「Embedded SIM(組み込まれたSIM)」を略したことばです。これまで紹介したSIMカードは、スマホなどの端末に挿して使うものでした。しかし、eSIMは違います。
eSIMは、部品としてスマホの中に既に組み込まれているものを言います。つまり、最初からスマホと一体化しているということです。
従来のSIMと違い、交換する手数がかからないので便利です。ただし。eSIMに対応しているスマホやサービスは、現状ではまだあまり多くありません。
必要なSIMカードのサイズを確認する方法は?
格安SIMに乗り換える際などに、SIMカードのサイズを選択する必要があります。しかし、「自分の持っているスマホに必要なSIMカードのサイズがわからない」という人も多いでしょう。ここではその確認方法を紹介します。
確認方法は、以下の3つです。
・メーカーやキャリアの公式サイトで調べる
・説明書で確認する
・実際に自分のスマホから取り出して確認する
メーカーやキャリアの公式サイトで調べる
最も簡単で確実な方法は、スマホのメーカーの公式サイトで調べることでしょう。自分のスマホの機種名で検索し、SIMカードのサイズを確認してください。
また、購入元キャリアの公式サイトや公式ショップなどでも、SIMカードのサイズを調べられる場合があります。
ほかにも各スマホのSIMカードのサイズを掲載しているサイトはあるかも知れませんが、情報の信憑性を考えると、メーカーやキャリアの公式サイトで調べるのが最も安全でしょう。
説明書で確認する
スマホを購入した際に受け取った説明書でも確認できます。説明書が手元にあれば、スマホの仕様が一覧になっているページを開きましょう。
そこに、「対応SIM」や「SIMカードスロット」という欄があり、対応するSIMカードのサイズが記載されているはずです。
実際に自分のスマホから取り出して確認する
インターネットや説明書で調べられない場合、実際に自分のスマホから取り出して確認するのも1つの手段です。
直接実物を自分の目で確認できれば安心ですし、間違う可能性は低くなるはずです。
スマホからSIMカードを取り出す際の注意点7つ
自分のスマホからSIMカードを取り出してサイズを確認する方法もありますが、その際に注意すべき点が7つあります。
大切なスマホやSIMカードが破損などしないよう、以下の点に気を付けてください。
・スマホの電源を切ってから取り出す
・スマホによってスロットの位置が違う
・静電気や水・汚れに気を付ける
・付属のSIMピンもしくは代用品を使って取り出す
・SIMカードのIC部分には触らないようにする
・SIMカードの紛失に気を付ける
・SIMスロットも丁寧に扱う
スマホの電源を切ってから取り出す
スマホからSIMカードを取り出す際には、必ずスマホの電源を切ってください。スマホの電源が入ったままの状態でSIMカードを取り出すと、データが失われたり、スマホに異常が発生したりする可能性があります。
多くのスマホは、SIMカードを取り出そうとすると自動的に電源が切れるように設計されています。しかし、なかにはそうでないスマホもありますし、うまく電源が切れない可能性もないわけではありません。
SIMカードを取り出す際には、必ず手動で電源を切るようにしてください。
スマホによってスロットの位置が違う
スマホによって、SIMカードのスロットの位置が異なります。SIMカードを取り外す前に、自分のスマホのスロットの位置を確認しておきましょう。
スロットのタイプは、基本的に以下の3つのうちのいずれかです。
・側面から取り出すタイプ
・裏蓋を外して取り出すタイプ
・裏蓋を外したあと、バッテリーを外してから取り出すタイプ
スロットの位置を間違え、無理に取り出そうとしてスマホを傷つけないように注意してください。
静電気や水・汚れに気を付ける
SIMカードを取り外す際は、静電気や水、汚れなどにも十分に注意してください。
データが保存されているICチップはとても小さいです。静電気や水、汚れなどにより破損してしまう可能性があるからです。
SIMカードを取り出す前には手を洗い、水分をきちんと拭き取ってください。また、汚れやホコリがない場所で作業をしましょう。
また静電気を防ぐため、金属のドアノブなどに触れ、自分の手を帯電していない状態にしてください。
付属のSIMピンもしくは代用品を使って取り出す
SIMカードの取り出しは、基本的に付属のSIMピンを使っておこないましょう。SIMピンは、スマホを購入した際に同梱されています。あるいは、SIMカードのみを購入した場合にも付属してくることがあります。
しかし、中には紛失してしまった人もいるかも知れません。その場合は、似たような形状の細い金属で代用しましょう。以下のものが代用品として利用できます。
・安全ピン
・ペーパークリップ
・画鋲など
SIMカードのIC部分には触らないようにする
SIMカードを取り出した際、IC部分には指で触れないように気を付けてください。必ずプラスチック部分、できるだけ側面を持つようにしてください。
既述のとおり、SIMカードはIC部分に大切なデータが記録されています。この部分に汚れや指紋が付いてしまうと、正常にデータが読み取れなくなり、スマホの誤作動などを引き起こす可能性があるからです。
SIMカードの紛失に気を付ける
SIMカードの紛失に気を付けましょう。現在主流となっているnanoSIMは、ICチップとほぼ同じ大きさで、とても小さいです。
散らかった部屋などで作業をして落としてしまうと、見つからなくなる可能性があります。キャリアや格安SIMによっては、SIMカードを紛失することで費用が請求される場合もあります。
SIMカードの取り扱いは慎重におこなってください。
SIMスロットも丁寧に扱う
SIMカードを取り出す際は、SIMカードだけでなく、SIMスロットも丁寧に扱うようにしてください。
SIMカードがうまく取り出せなかったとしても、強引に引っ張ったりするのは危険です。SIMスロットが破損してしまう可能性があるからです。
また、破損しなかったとしても、SIMスロットが変形してしまう可能性もあります。変形したSIMスロットを使うと、スマホ本体の故障に繋がります。
SIMカードの取り出しの際はSIMスロットの扱いにも十分気を付けましょう。
SIMカードのサイズを物理的に変えることは可能?
SIMカードのサイズは3種類ですが、あるサイズのSIMカードを別のサイズのSIMカードに変えることは可能なのでしょうか。
ここでは、SIMカードのサイズ変更が必要になるシチュエーションと、サイズ変更の方法を紹介します。
サイズ変更が必要なシチュエーションとは
SIMカードのサイズ変更が必要となるシチュエーションは、主に以下のような場合です。
・マルチSIMで、誤って小さいサイズでSIMカードを切り取ってしまった
・別のサイズのSIMカードに対応しているスマホに機種変更する いずれの場合も、SIMカードのサイズ変更方法は以下の3つです。
・キャリアに申し込んで別のサイズのSIMカードを発行してもらう
・SIMカッターで小さくする
・SIM変換アダプタで大きくする
1つずつ見ていきましょう。
キャリアに申し込んで変更するのがベスト
1つ目は、SIMカードの発行元キャリアに申し込む方法です。3,300円の手数料が発生しますが、最も安全で確実な方法です。
SIMカードのサイズを変える必要があるときには、SIMカードの発行元のキャリアに申し込んで変更してください。
SIMカッターで小さくできる ※おすすめしません
大きいサイスのSIMカードを小さくしたいときには、「SIMカッター」で切って小さくすることもできます。
SIMカッターは、SIMカードを小さくするための専用の道具です。Amazonなどで簡単に入手できます。
ただし、SIMカッターを使ったサイズ変更は完全に自己責任でおこなうことになります。カットしすぎたり、破損したりしてしまうなど、失敗する可能性があることに注意してください。
可能であれば、SIMカード発行元に申し込んでサイズ変更することをおすすめします。
SIM変換アダプタで大きくできる ※おすすめしません
SIMカッターとは逆に、SIMカードのサイズを大きくするためのアイテムが「SIMアダプタ」です。
SIMアダプタは、利用中の小さいSIMカードをセットすることで、大きなSIMカードとして利用可能にします。SIMカッターと同じく、Amazonなどで簡単に入手できます。
ただし、SIMアダプタを使ったサイズ変更も自己責任でおこなうことになります。SIMアダプタにSIMカードを一度セットすると、外せなくなることがほとんどです。ずれてセットしてしまった場合など、無理に外そうとして破損してしまう可能性もあります。
そのため、SIMカッターの利用同様、SIMアダプタの利用もおすすめできません。
SIMカードを入れ替える際の注意点3つ
SIMカードのサイズがわかったら、乗り換え先などから新しいSIMカードを入手し、入れ替える手順に進みます。
ここでは、新しいSIMカードに入れ替える際の注意点を3つ紹介します。
・スマホのSIMロック解除が必要な場合がある
・キャリアによってはSIMカードの紛失などで費用が請求される場合がある
・SIMカードは時間に余裕を持って申し込む 1つずつ確認してみましょう。
スマホのSIMロック解除が必要な場合がある
以前、3大キャリアで購入したスマホにはSIMロックがかかっていることが一般的でした。SIMロックは、購入元キャリアの回線以外でそのスマホを使えなくする機能です。
現在は、このようなSIMロックは廃止されています。しかし、SIMロック廃止前に購入したスマホや中古などで入手したスマホの場合、SIMロックがかかっている場合があります。
SIMロックがかかっている場合、購入元のキャリアの回線しか利用できません。
例えばNTTドコモで購入したSIMロック済みのスマホをHISモバイルに乗り換えて使う場合、NTTドコモ回線のプランであれば利用できますが、ソフトバンク回線のプランでは利用できません。
自分が利用したい回線とは違う種類の回線のSIMロックがかかってしまっている場合、SIMロック解除の手続きをしてSIMフリーの状態にする必要があります。
詳しい手順はこちらの記事をご覧ください。
キャリアによってはSIMカードの紛失などで費用が請求される場合がある
SIMカードはお金を払って購入するので「自分のもの」と思いがちですが、実は多くのキャリアで「貸与」という扱いになっています。
なかには、不要になったSIMカードは返却しなくてはならず、期限内に返却しない場合には損害金が請求される可能性もあります。
返却しなくても特に問題が生じないキャリアもありますが、自分がこれまで使っていたSIMカードの場合はどうなのか、確認しておくことをおすすめします。
SIMカードは時間に余裕をもって申し込む
格安SIMへの乗り換えは、インターネット上で申し込みをする人が多いでしょう。その場合に注意すべき点は、時間に余裕を持って申し込むことです。
実店舗の場合、申し込みをしてすぐにSIMカードが交換され、新しいキャリア・格安SIMでスマホを使い始めることができます。しかし、インターネットでの申し込みの場合、申し込んでからSIMカードが手元に届くまでに1日〜1週間ほどかかってしまいます。
その間、新しいキャリアに申し込んだとしても、実際に利用することはできません。新しいキャリアを使い始めたいタイミングが決まっているなら、余裕を持って早めに申し込んでおくのがおすすめです。
SIMカードのサイズに関するよくある質問
最後に、SIMカードのサイズに関するよくある質問と回答をご紹介します。
・同じサイズのSIMカードであれば、複数枚を入れ替えて使うことも可能?
・SIMカードのサイズ変更は、行きつけでないショップでも対応してもらえる?
・「デュアルSIM」って何?
同じサイズのSIMカードであれば、複数枚を入れ替えて使うことも可能?
回答:可能です。
サイズの同じSIMカードであれば、複数枚を入れ替えて使うこともできます。ただし、SIMカードを頻繁に入れ替えることにはリスクもあります。
SIMカードの紛失や破損、SIMスロットが変形してスマホに不具合が生じるなどの可能性が高まるからです。
複数枚のSIMカードを入れ替えて使う場合は、本記事で紹介した注意点を参考にし、注意しておこなってください。
SIMカードのサイズ変更は、行きつけでないショップでも対応してもらえる?
回答:はい。対応してもらえます。
SIMカードのサイズ変更は、行きつけの店舗や、現在使っているSIMカードを発行してもらった店舗でなくても可能です。
自分に都合の良い店舗で申し込みましょう。
「デュアルSIM」って何?
回答:2枚のSIMカードを同時に挿入し、使えるようにする機能です。
デュアルSIMは、1台のスマホに2枚のSIMカードを挿入して使う機能です。1台のスマホで2つの電話番号、2つのプランが利用できます。
「1台のスマホで仕事用の電話番号とプライベート用の電話番号を使いたい」「2つの異なったプランのいいとこ取りをしてフレキシブルに使いたい」といった場合に便利です。
ただし、スマホがデュアルSIMに対応していなくてはなりません。
まとめ
本記事では、SIMカードのサイズの種類や調べる方法、SIMカードを取り出す際の注意点などを紹介しました。
SIMカードのサイズは以下の3種類です。
・標準SIM(miniSIM)
・microSIM
・nanoSIM
自分のスマホのSIMカードのサイズを調べるには、直接取り出すという方法もあります。ただし、その場合は以下の点に気を付けてください。
・スマホの電源を切ってから取り出す
・スマホによってスロットの位置が違う
・静電気や水・汚れに気を付ける
・付属のSIMピンもしくは代用品を使って取り出す
・SIMカードのIC部分には触らないようにする
・SIMカードの紛失に気を付ける
・SIMスロットも丁寧に扱う
SIMカードは電話番号など、大切なデータが記憶されたカードです。汚れたり破損したりしてしまうと、スマホが正常に動作しなくなる危険がありますし、キャリアによっては費用が請求されることもあります。
本記事を参考にSIMカードは慎重に取り扱い、サイズを確認してみてください。
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