SIM用VPNサービスとは?VPNの4種類と代表サービスを詳しく解説

2022.08.01

「SIM用VPNサービスって何?どういうときに使うの?」
「セキュリティやテレワークとどういう関係があるの?」

そんな疑問を感じていませんか。

本記事では、
● SIM用VPNサービスとは
● VPNの種類は主に4つ
● SIM用VPNサービスが役立つシーン
● 代表的なSIM用VPNサービス

という流れで法人向けのSIM用VPNサービスについて詳しく解説していきます。

この記事を読めば、SIM用VPNサービスの役割や導入すべきシーンがわかり、あなたの環境に必要なものなのかが判断できるでしょう。

「テレワークのネットワーク環境のセキュリティを高めたい」と考えている方が知っておきたい情報なので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。

SIM用VPNサービスとは

SIM用VPNサービス(閉域SIM)は、通信事業者が提供する閉域のモバイルネットワークにより、インターネットを通さずに複数のSIMカード同士での通信等が可能な法人向けサービスです。

VPNとは「Virtual Private Network(仮想専用回線)」の頭文字を取った略語で、アクセスが許可された拠点間だけが利用できる専用回線を仮想的に構築する技術のこと。 VPNは以下の3つの技術を用いて、第三者からの侵入を防いでいます。

● トンネリング:データの送信者と受信者との間を直通するトンネルを仮想的に構築して第三者を遮断する技術
● 認証:伝送する情報にカギをかける技術。パスワードによる認証方法が一般的
● 暗号化:伝送する情報を暗号化する技術

VPNは特定の拠点間でのアクセスに限られるため、不正アクセスや情報漏洩・ウイルス感染を避けながら安全な通信を保てる利点があります。

これまでは企業の秘密や個人情報の流出、外部からの攻撃といったリスクを避けるために専用回線が用いられてきましたが、非常に高額でコストが高いという欠点がありました。

そこで、比較的低コストで導入できるVPNに注目が集まり、2000年代からシェアが伸びてきています。このような仕組みをSIMカードで活用できるようにしたものが、SIM用VPNサービスです。

VPNの種類は主に4つ

VPNについてさらに詳しく見ていきましょう。

VPNには、主に4つの種類があります。


インターネットVPN IP-VPN エントリーVPN 広域イーサネット
使用する回線 インターネット回線 閉域網 閉域網 閉域網
通信品質 不安定(帯域保証なし) 安定(帯域確保) 不安定(帯域保証なし) 安定(帯域確保)
セキュリティ ややリスクあり 高い やや高い 非常に高い
費用 安価 高額 安価 高額


特に「インターネットVPN」と「IP-VPN」が主流ですが、それぞれ導入コストやセキュリティ性、通信品質に違いがあり、用途によって使い分けられます。

順番に解説します。

1.インターネットVPN

インターネットVPNは、すでにあるインターネット回線を用いるVPNです。

一般のインターネット上に仮想のネットワーク環境(VPN)を構築することで、拠点間通信を可能にします。

インターネット環境があればVPN機器(ルーター)に接続するだけで自社構築できるため、小規模オフィスをはじめとする幅広い現場で導入されている主流のVPNです。

● 手軽に始めたい
● 拠点数が少ない
● 自社構築で費用を抑えたい というケースに適しています。

不特定多数の人が利用できるインターネット回線を用いているため、暗号化によってセキュリティを強化しています。

導入コスト セキュリティ 通信品質
・インターネット環境があればVPN機器(ルーター)に接続するだけ
・IP-VPNや広域イーサネットと比較して安価(10分の1程度の費用)
・各拠点にVPN機器の設置、固定IPの接続が必要
・オープンなインターネット回線を利用するため、外部からの不正アクセスのリスクがある ・ベストエフォート型で、品質は保証されていない)
・トラフィックの混雑状況によって通信速度が遅くなる可能性がある)
・インターネット環境に左右されやすい


2.IP-VPN

IP-VPNは、通信事業者が独自に保有する専用ネットワーク「閉域IPネットワーク」を用いるVPNです。

「閉域IPネットワーク」は通信事業者と契約者のみがアクセスでき、第三者は接続できない仕組みとなっています。MPLSと呼ばれる転送技術を利用しており、より専用線に近く安全性の高い環境です。

● VPN接続のセキュリティを強化したい
● 多数の拠点間で安定した通信をしたい

というケースで導入されている主流のVPNです。

VPN機器の導入や設定、保守転換などを通信事業者に依頼できるため、拠点数が多く自社構築が難しい企業に適しています。

導入コスト セキュリティ 通信品質
・通信事業者とのサービス契約で導入できる
・自社側でVPN機器の購入や設定が不要
・インターネットVPNより費用が高い
・閉域ネットワークを利用するためインターネットVPNより高いセキュリティ性
・データ盗難やウイルス感染に対するセキュリティが強い
・品質保証により安定した通信
・複数拠点や大容量データの通信にも対応


3.エントリーVPN

エントリーVPNは、光回線や携帯回線を用いるVPNです。

インターネットVPNに近いですが、より安全性が高く、費用も抑えられるという利点があります。いいとこ取りができるVPNといえるでしょう。

● 通信速度や品質にこだわりがない
● インターネット回線を避けてセキュリティを高めたい
● コストを抑えたい というケースに適しています。

拠点数に限りがあるため、多数の拠点での導入には向かない点に注意が必要です。

導入コスト セキュリティ 通信品質
・通信事業者とのサービス契約で導入できる
・費用が安い(インターネットVPNと同等かそれ以下)
・インターネットVPNより安全性が高い
・不正アクセスなどの脅威を低減
・インターネットVPNと同等


4.広域イーサネット

広域イーサネットは、IP以外の通信規格で通信事業者の閉域ネットワークを用いるVPNです。

基本的にはIP-VPNと同じですが、広域イーサネットでは多様な通信規格(RIP、OSPFなど)に対応しています。幅広いデータ形式やパケット構成を使用でき、安全で自由度の高いネットワークを設計可能です。

● 高度なセキュリティや回線品質を求めている
● カスタマイズで柔軟なネットワーク設計をしたい
● IP以外の通信規格を使用したい というケースに適しているVPNです。

主に金融機関やメディアなどネットワークの重要性が高い企業、IP以外のプロトコルを使用している企業に利用されています。

導入コスト セキュリティ 通信品質
・インターネットVPNより費用が高い(IP-VPNと同等)
・カスタマイズ性が高い分、設定が複雑
・導入から保守までの運用負担が大きい
・専用線に近い高いセキュリティ ・高い通信品質を保証(IP-VPNと同等)
・IP-VPNよりも高速通信(最大1Gbps)
・多様なプロトコルを利用でき、安定的に通信できる


SIM用VPNサービスが役立つシーン

SIM用VPNサービスは実際にどのようなシーンで役立つのでしょうか。

SIM用VPNサービスが役立つシーンとしては以下の4つがあります。

1. リモートワークの導入
2. IoT機器の利用
3. ISDNネットワークからの移転(マイグレーション)
4. 災害発生時の非常用回線

詳しくご説明します。

1.リモートワークの導入

SIM用VPNサービスを導入すれば、リモートワークの安全性を高めることができます。

インターネットを通さずに複数のSIMカード同士での通信が可能になるため、セキュリティを保ちながら出張先や在宅でのリモートワークを行うことができます。

ゲートウェイを設置してSIM用VPNと社内のVPNネットワークを接続することも可能です。

2.IoT機器の利用

SIMを使用するネットワークカメラやコインパーキングの精算機など、IoT機器のセキュリティを高めることができます。

IoT機器により収集された機密情報を保護する上で、SIM用VPNサービスの導入は有効です。

3.ISDNネットワークからの移行(マイグレーション)

従来のインターネット接続方法であるISDNから、より安全なネットワークへの移転に役立ちます。

SIM用VPNサービスを用いれば、有線のような回線敷設工事を必要とせず、社内ネットワークやシステムのセキュリティをより強化することが可能です。

4.災害発生時の非常用回線

通信事業社の安定した回線を利用しているため、災害発生時の非常用回線としても役立ちます。

SIM用VPNサービスによってはトラフィックの混雑を回避することも可能で、災害発生時でも安定した通信を利用できます。

SIM用VPNサービスの例

SIM用VPNサービスの例として以下の5つをご紹介します。

1. mineo | 閉域網との接続サービス(SIM用VPNサービス)
2. BIGLOBEモバイル | SIM対応VPNサービス
3. NTTコミュニケーションズ | SIM付きテレワーク用パソコン
4. 日本通信株式会社 | 閉域SIM間通信サービス
5. SORAシム株式会社 | 完全閉域網SIMサービス(MPN)

なお、HISモバイルでもSIM用VPNサービスを提供しています。
詳しくはこちらからお問い合わせください。

1.mineo | 閉域網との接続サービス(VPN-SIM)

mineo(マイネオ)では、閉域網との接続サービス(VPN-SIM)を提供しています。 大手キャリアである、

● au
● NTTドコモ

から選択可能なので、社員の住む地域に応じてつながりやすい回線を選べることが特徴です。
また、データ通信容量は社員ごとに設定できます。余ったデータ量は翌月に繰り越し、社員でシェアすることも可能です。キャリアを超えてシェアできるので無駄がありません。

SIMごとの使用状況やデータ容量は管理画面からまとめて確認できます。 テレワーク時の管理コストを削減でき、便利です。

初期費用(税別)
mineo接続回線 設定工事費 一時金50,000円
VPN-SIM 新規契約/追加 契約事務手数料 3,400円/回線
SIMカード変更・再発行 SIMカード再発行事務手数料 2,400円/回線
月額利用料金(税別)
mineo接続回線 通常タイプ 25,000円/回線
一部帯域確保タイプ お問い合わせ
auプラン(Aプラン) シングルタイプ 1,700円~6,900円/回線
デュアルタイプ 2,310円~7,510円/回線
ドコモプラン(Dプラン)
シングルタイプ(SMSなし) 1,700円~6,900円/回線
シングルタイプ(SMSあり) 1,820円~7,020円/回線
デュアルタイプ 2,400円~7,600円/回線

参照:公式サイト

2.BIGLOBEモバイル | SIM対応VPNサービス

BIGLOBEモバイルの法人向け格安SIMでは、2種類のVPN(閉域網)を提供しています。

● ソフトウェア型インターネットVPN:外出先でもVPN接続したい、初期費用を抑えたいとき
● 拠点間インターネットVPN:各営業拠点をVPNでつなげたい、月額費用を抑えたいとき

さらに、モバイル網を閉じてインターネットに接続させないSIM間通信もあります。インターネットから隔離されたネットワークを構築したいときに便利です。


購入タイプ(初期設定、運用保守サービスあり) レンタルタイプ(初期設定、運用保守サービスあり)
初期費用(税込) VPNルータ 107,800円 PNルータ 5,500円
月額費用(税込) VPNルータ 2,695円/月
VPNソフトウェア 550円/ライセンス
VPNルータ 8, 800円/月
VPNソフトウェア 550円/ライセンス
モバイル回線 タイプD(ドコモ回線)
タイプA(au回線)
申し込み回線数 30回線以上から申込可
サポート ・端末にソフトウェアをインストールして初期設定すればVPN接続が可能
・設定変更や障害対応はサポートセンターで専任エンジニアが対応
・端末にソフトウェアをインストールして初期設定すればVPN接続が可能
・設定変更や障害対応はサポートセンターで専任エンジニアが対応

参照:公式サイト

3.NTTコミュニケーションズ | テレワーク用PCセット

NTTコミュニケーションズのテレワーク用PCセットは、パソコン・通信回線・セキュリティをセットで提供しています。

VPN接続のモバイル通信ができるテレワークに適したノートパソコンで、携帯電話網から企業に直接接続できる閉域網「Arcstar Universal One」のSIMカードが内蔵されています。

パソコンが到着してすぐにテレワークを開始できるよう、初期設定済みの状態で提供されるため、1台からスムーズに導入可能です。実際に開封してから10分でテレワークを始められるとしています。

SIMはパソコンと紐付けて認証する仕組みで、SIMカードの差し替えによる不正アクセスを防止。さらに、万が一パソコンを紛失した場合でもデータ漏洩を防げるよう、指紋認証と暗号化の機能が備わっています。

初期費用(税込) 端末費用 VAIO Pro PA 184,800円
NEC製 VersaPro UltraLite
タイプVB <VB-3>
159,280円
開通事務手数料 3,300円/セット
月額費用(税込) ECO 500MBコース(SMS) 682円
ECO 3GBコース(SMS) 1,540円
ECO 7GBコース(SMS) 2,310円
ECO 15GBコース(SMS) 4,510円

参照:公式サイト

4.日本通信株式会社 | 閉域SIM間通信サービス

日本通信株式会社の閉域SIM間通信サービスは、インターネットに接続しない閉域のモバイルネットワークによりSIMカード同士での通信ができるサービスです。

SIMカードには固定のプライベートIPアドレスが割り当てられます。

初期費用(税込) ネットワーク設定費用 33,000円
月額費用(税込) 月額基本料(データ通信使用量36GBを含む) 39,600円
36GBを超過した場合の1GBあたりの料金 1,100円/GB
仕様 SIM枚数 12枚
インターネットへのアクセス 不可

参照:公式サイト

5.SORAシム株式会社 | 完全閉域網SIMサービス(MPN)

MPN(Mobile Private Network)は、SIM同士による完全閉域網のモバイル通信サービスです。

SIM間は通信事業者のネットワークとシステムのみで構成され、インターネットには一切関係しないプライベートな接続となっています。

● 完全な閉域網により万全のセキュリティネットワーク
● 工事不要で即日利用可能
● 月額利用料がSIMの料金のみでリーズナブル

上記のようなメリットがあります。
SIMの管理はクラウド上で行えるので運用の手間も省けます。

スタンダード帯域サービスの料金は個別見積もりとなるため、公開されていません。

参照:公式サイト

SIM用VPNサービスは本当に安全?

SIM用VPNサービスは安全性が高いですが、100%安全であるわけではありません。

例えばSIM用VPNサービスを使用していても、そこで得たデータをスマホやPC・タブレットの端末内に保存した状態で、端末を紛失したり盗難されたりした場合、機密情報が漏洩する可能性があります。

また、設定方法が間違っていたり、脆弱性がある状態のままで接続した場合などにトラブルを引き起こしてしまうこともあります。

安全性が高くても、利用方法によっては情報漏洩などのリスクがあることを覚えておきましょう。

日頃からセキュリティに配慮した取り扱いを心がけることが大切です。

まとめ

今回は、SIM用VPNサービスについてお伝えしました。

SIM用VPNサービスは、リモート環境を整えるために多くの企業で導入が進んでいます。

セキュリティの強度を保ちながら社内システムにアクセスできるネットワークがあれば、出張先や在宅でのリモートワークでも安心です。

HISモバイルでもSIM用VPNサービスを提供しています。
詳しくはこちらからお問い合わせください。

この記事を参考に、SIM用VPNサービスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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