
IoTとは?ビジネスでの活用事例やおすすめサービスなどを紹介
2025.05.29
IoTとはあらゆるモノをインターネットに接続する技術のことです。IoTをビジネスに活用する方法や導入事例、IoT向けのおすすめ通信サービスなどを紹介しています。自社にIoTの導入を考えている方はHISモバイルまでお問い合わせください。
「IoTという言葉をよく聞くけれど、具体的にどのようなものかわからない」
「自社のビジネスにIoTを導入したいが、何からはじめれば良いのだろうか?」
「IoT導入にあたって、通信環境はどうすれば良いのだろう?」
このような疑問やお悩みをお持ちではないでしょうか。
IoTは、私たちの生活をより便利にするだけでなく、ビジネスにおいても生産性向上や人手不足解消といったメリットがある技術です。
本記事では、IoTの概要からビジネスで活用しやすい機能、ビジネスでの活用事例、導入するメリット、注意点などを解説しています。自社のビジネスへどうIoTを活かせるか、参考になるはずなのでぜひ最後までお読みください。
自社ビジネスにIoTを活用しようか検討しており、かつ通信環境に課題を抱えている方は、ぜひHISモバイルまでご相談ください。 HISモバイルでは、お客様の多様なニーズに応えるIoT機器向けの法人専用通信プランをご用意しております。サービスの詳細はこちら(https://his-mobile.com/business/iot )をご確認ください。
IoTとは

IoTとは「Internet of Things」の略で、日本語では「モノのインターネット」と呼ばれます。IoTは、従来インターネットに接続されていなかった様々なモノ(家電製品、自動車、産業機械、センサーなど)をインターネットに接続し、相互に情報交換を行う技術や仕組みのことです。
- スマートフォンから外出先で自宅のエアコンを操作する
- 帰宅時間に合わせてお風呂を沸かす
- スマートスピーカーに話しかけてカーテンを開閉する
上記は、日常生活でのIoT活用事例です。IoTは個人の生活をより豊かに、便利にするだけでなく、様々なデータを活用できることから、企業からも注目を集めています。
IoTが企業からも注目されている理由
日本企業は近年、労働人口の減少に伴う人手不足への対応や、市場での競争激化による生産性向上などが課題となっています。IoTはこれらの課題を解決する、有効な手段の1つとして期待されている技術です。
IoTを活用することで、従来は人手に頼らざるを得なかった作業の自動化や省力化、業務プロセスの効率化を実現しやすくなります。
たとえば、工場や倉庫にカメラや各種センサーを設置すれば、遠隔地からでも現場の状況をリアルタイムかつ正確に把握しやすいです。これにより、異常発生時の早期検知や迅速な対応が可能となり、ダウンタイムの削減や品質向上につながります。
また、収集したデータを分析することで、より効率的な人員配置や設備稼働計画を立案しやすくなるはずです。このような理由から、IoTは業務効率化やコスト削減などに役立つ技術として、企業から注目されています。
【関連記事:IoTセンサーとは?基本から活用事例まで徹底解説】
IoTの今後
IoTは、今後ますます私たちの社会に浸透していくことが予想されています。
総務省が発表した「令和3年版 情報通信白書」を見てみましょう。スマートフォンやパソコンなどが分類される「通信」分野のIoTデバイス数は既に飽和状態に近く、今後の需要は横ばいで推移すると予測されています。

一方で、「医療」「産業用途」「自動車・宇宙航空」といった分野では、IoTデバイスの数が今後急速に増加していることがわかります。
上記の分野においては効率化や新たなサービス創出など、IoT活用による業務改革が行われる可能性が高いです。今後も様々な産業でIoT導入が進み、私たちの生活に大きな変化を与えるかもしれません。
IoTに備わっている機能

IoTを活用することで、具体的にどのようなことが可能になるのでしょうか。IoTに備わっている主な機能を4つ解説します。
異常の検知
IoTデバイスに搭載されたセンサーは、温度、湿度、振動、音、光など、様々な変化を検知できます。
たとえば工場の生産ラインに設置された機械に対して、異常な振動や温度上昇が発生した場合を考えてみましょう。この場合、IoTセンサーが異常を即座に検知し、管理者へアラート通知を送信できます。これにより重大な故障や事故が発生する前に対処しやすくなり、設備の安定稼働と安全性の向上につながります。
【関連記事:異常検知におけるIoTの役割と効果的な活用事例】
遠くにあるモノの操作
IoTの特徴の一つに、遠隔地にあるモノを操作できる点が挙げられます。インターネットに接続された機器であれば、スマートフォンやパソコンを使って、場所を選ばずに操作指示を送ることが可能です。
たとえば遠隔地の監視カメラの向きを変えたり、画面をズームすることで現地の状況を詳細に確認したり、といったことができます。
モノの状態確認
遠隔操作だけでなく、遠くにあるモノの状態をリアルタイムで確認できる点も、IoTの強みです。カメラ映像はもちろん、センサーから送られてくる温度、湿度、圧力、位置情報などのデータを通じて、モノがどのような状態にあるか把握できます。
たとえば倉庫内に保管している商品の温度管理が必要な場合、倉庫内に温度センサーを取り付ければ、温度変化を継続的に監視できます。万が一異常な室温になった場合は、すぐに対処しやすいです。
モノ同士の通信
IoTは、単にモノと人がつながるだけでなく、モノとモノが相互に通信し、自律的に動作することも可能にします。これはM2M(Machine to Machine)通信と呼ばれます。
たとえば倉庫内の温度センサーが設定値以上の温度を検知した場合、自動的に空調設備に信号を送り、温度を下げるように指示を出すといった連携が可能です。また自動運転技術の場合、車両に搭載されたカメラやセンサーが周囲の状況を認識し、その情報を基にアクセルやブレーキ、ハンドルを自動で制御します。
M2M通信は、人間が介在せずシステムが自律的に判断・動作することを可能にし、より高度な自動化を実現する技術といえます。
【関連記事:M2Mとは?IoTとの違いやメリット・デメリットを紹介】
日常生活でIoTを活用できる場所

IoTはビジネス分野だけでなく、私たちの日常生活にも様々な利便性をもたらしてくれます。日常生活におけるIoTの活用シーンをいくつか紹介します。
スマートホーム
スマートホームとは、IoT技術を活用して、家電製品や住宅設備をインターネットに接続した住宅のことです。スマートフォンやスマートスピーカーから遠隔操作したり、自動制御したりできます。
他にも、人感センサーが人の動きを検知して自動で照明を点灯・消灯させたり、スマートフォンを通じて帰宅時間に合わせてエアコンのスイッチを入れるよう遠隔地から指示を出したりできます。
健康管理
ウェアラブルデバイスと呼ばれる、身につけて使用するIoT機器を活用することで、日々の健康管理をより効率的に行えます。
たとえばスマートウォッチやスマートリングを装着していれば、歩数、消費カロリー、心拍数、睡眠時間を自動的に記録可能です。またスマート体重計を使えば、体重や体脂肪率、BMIなどの測定データが自動的にスマートフォンやクラウドに保存され、健康状態の変化を記録してくれます。
これらのデータを活用することで、生活習慣の改善や健康維持・増進に役立てられます。
コネクテッドカー
コネクテッドカーとは、車両自体に通信機能を搭載し、インターネットに常時接続されている自動車のことです。これにより、様々な便利機能を利用できます。
たとえば万が一事故に遭遇した場合、車両が衝撃を検知して緊急通報センターに自動で通報してくれます。また車両盗難の被害を受けた場合も、GPS機能によってリアルタイムで車両の位置情報を追跡可能です。
ビジネスにおけるIoTの活用例

IoTは、様々な業種・業界でビジネスの課題解決や競争力強化に貢献しています。ここでは、ビジネスにおけるIoTの活用例をいくつか見ていきましょう。
物流の最適化
物流業界では、配送用のトラックにGPSセンサーや通信機能を搭載することで、車両の現在位置や走行状況をリアルタイムで正確に把握できます。
これにより最適な配送ルートを指示したり到着時間をより正確に予測したり、ドライバーの運転状況を管理しやすくなったり、といったメリットがあります。これにより、配送効率の向上やムダ削減によるコストの低減といった効果も期待できるでしょう。
また倉庫内にカメラや重量センサーを設置すれば、遠隔地からでも在庫状況をリアルタイムで確認できるため、棚卸作業の効率化や欠品防止に役立ちます。さらにカメラ映像を通じて遠隔地からも現場の状況を確認できるため、倉庫内の不審者検知や不正行為の抑止といったセキュリティ強化にも貢献します。
在庫の最適化
IoTを活用すれば、商品や部品に取り付けたRFIDタグや重量センサーなどから、在庫状況をリアルタイムで把握できます。
小売業や製造業において、在庫管理は重要な業務の一つです。在庫を抱えすぎてしまうと売れ残りや廃棄といったリスクが高まり、逆に在庫が少なすぎると販売機会の損失リスクが高まります。
しかしIoTを活用すれば、手間を削減できるだけでなく上記のリスクを低減できるのです。
また近年では、AI(人工知能)を活用した需要予測技術も進化しており[1] 、過去の販売データや天候情報、イベント情報などを組み合わせることで、より高い精度で将来の需要を予測し、最適な発注量を算出することも可能になりつつあります。
機器のモニタリング
製造業の工場ではIoTを活用することで、生産設備に各種センサーを取り付け、稼働状況の常時モニタリングを実現できます。これにより各機器が正常に稼働しているか、どれくらいの稼働率か、異常な振動や温度変化はないか、といったデータをリアルタイムで把握できます。
収集したデータを活用することで、工場全体の稼働状況や製品ごとの製造原価をより正確に把握しやすくなるでしょう。また作業のムダ・ムラを発見しやすくなり、業務効率の改善にもつながります。
ビジネスにIoTを活用するメリット

IoTをビジネスに導入することは、企業に多くのメリットをもたらします。ここでは、主なメリットを4つご紹介します。
少ない人手でより多くの成果を得られる
ビジネスにIoTを導入・活用することで業務の自動化や省力化を実現しやすくなり、生産性の向上に貢献します。
たとえば従来は人が行っていた設備の点検作業を、センサーによる常時監視と遠隔確認に置き換えられます。また収集されたデータを分析することで、機器のメンテナンスが必要なタイミングを予測したり故障しそうな前兆を予期して事前に修理・交換を行ったりしやすくなるでしょう。
このようにIoTをビジネスへ活用することで、限られた人員でより多くの業務をこなし、高い成果を上げやすくなります。人手不足に悩む多くの企業にとって、IoTの活用は大きなメリットがあるといえます。
【関連記事:ホテル業界の人手不足とDXによる解決策】
問題へ迅速に対応しやすくなる
IoTシステムを活用すれば、機器の異常や危険な状況をリアルタイムで検知し、即座に管理者へ通知できます。問題が発生した場合でも早期に状況を把握し、迅速な対応をとりやすくなります。
たとえば工場の機械に異常が発生した場合、遠隔からでもカメラ映像やセンサーデータで状況を確認可能です。また必要であれば遠隔操作で応急処置を行ったり、適切な担当者へ指示を出したりできます。このように被害の拡大を防ぎ、復旧までの時間を短縮するのにIoTは役立ちます。
少ない人数で幅広いエリアをカバーできる
従来、複数の拠点や広範囲なエリアを管理・監視するには、それぞれの場所に相応の人員を配置する必要がありました。しかしIoTを活用すれば、遠隔地にいながら現地の状況把握や機器の操作が可能になるため、少ない人数で広範囲をカバーしやすくなります。
たとえば複数の店舗や倉庫の監視業務は、各地に設置したカメラ映像を活用すれば少人数でモニタリングでき、業務の効率化が可能です。遠隔操作で対応できる機械設備やトラブルであれば、わざわざ現地に出向かなくても対応できる場合もあります。
さらにM2Mを活用すれば、人間が介在しなくても状況に応じた対応が可能となり、作業の省人化を実現できます。
より良い顧客体験を提供しやすくなる
IoTは、顧客体験の向上にも役立ちます。
たとえば製品の利用データを収集・分析することで、顧客がどのように機器やサービスを使用しているのか把握でき、改善を行いやすくなります。結果的に、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
IoTのビジネス活用例

ここでは、実際にHISモバイルの通信サービスをご利用いただいている企業様のIoT活用事例をいくつかご紹介します。
高齢者見守りシステム
電池交換不要の無線センサー「アーミン®」を開発した、アイテック株式会社様での導入事例です。
無線センサーを活用した高齢者見守りシステムでは、自宅の扉の開閉をセンサーで検知したり、照明の点灯/消灯を検知した結果をメールで配信し、ご家族の方がご高齢者の安否をチェックすることができます。
【関連記事:「高齢者見守りシステム みまも郎®」で離れて暮らす家族を見守る】
報告書のICT化
九州産交バス株式会社様では報告書の作成をタブレット端末で行っており、その端末にHISモバイルのSIMを導入していただいています。
タブレット導入前は紙ベースで報告書を作成していましたが、タブレット導入後は、業務量の大幅削減を実現。また報告書の即時確認も可能となり、意思決定を迅速に行えるようになりました。
【関連記事:乗務実績報告書のICT化で営業判断を加速化】
スマート農業
HISモバイルの「データ従量プラン for Biz」を活用し、スマート農業を実践しているお客様の事例もあります。
「スマホのテザリングではデータ量を圧迫するうえ、毎回の設定が手間だったので助かった」
「位置情報など、SIMを挿すだけで使えるため便利」
「一度設定するだけで使い続けられるため、手間がかからない」
このようなお声をお客様からいただいています。月額198円から利用できる点も、HISモバイルがお客様から選ばれているポイントです。
【関連記事:自動操舵システムでのデータ通信ご利用事例】
【関連記事:IoT農業で変わる!次世代スマート農業の仕組みと導入効果とは】
IoTの導入時に注意すべき点

IoT導入は多くのメリットをもたらしますが、成功させるためには事前に検討しておくべき注意点もいくつかあります。
導入する目的を明確にする必要がある
最も重要なのは、「何のためにIoTを導入するのか」という目的を明確にすることです。
「流行っているから」「他社がやっているから」といった曖昧な理由で導入を進めてしまうと、自社の課題解決につながらないシステムを選んでしまったり、導入効果を正しく評価できなかったりするリスクがあります。
どのような課題を解決したいのか、IoT導入によってどのような状態を目指すのかを具体的に定義し、社内で共通の目的・認識を持つことが重要です。
目的が明確であれば必要な機能や適切なサービスを選定しやすくなり、IoT導入計画に対して上司や経営層からの承認も得やすくなるでしょう。
費用対効果を予測する必要がある
IoTシステムの導入には、デバイスの購入費用や通信費用、保守費用など、様々なコストがかかります。
導入を決める前に、初期費用および継続費用を見積もり、それに対してどれくらいの効果(生産性向上、コスト削減、売上増加など)が見込めるのか、費用対効果を慎重に検討しましょう。
試算の結果、期待される効果に対してコストが見合わないと判断される場合もあるでしょう。その場合は導入を見送る、あるいは想定よりも小規模でIoTの導入・活用をはじめる、といった判断も必要になります。
運用体制を構築する必要がある
IoTは、導入すればそれで終わり、というものではありません。
導入した機器・システムを安定的に稼働させ、収集したデータを活用していくための運用体制を構築する必要があります。具体的には、誰がシステムや機器の監視・保守を担当するのか、収集されたデータを誰がどのように分析し、業務改善につなげていくのか、といった役割分担や業務フローを明確に定めておく必要があります。
担当者が変更になった場合でも業務の質を維持できるよう、操作方法やFAQをまとめたマニュアルを作成しておくことも有効です。
通信環境を構築する必要がある
IoTを活用するには、インターネットへの接続が必要です。そのため、導入する場所や導入目的に応じた、適切な通信機器の選定および環境構築が必要になります。
- 通信エリアの広さ
- 必要な通信速度
- 求められるデータ容量
- セキュリティ要件
- 毎月の通信費 など
上記の点に注意しましょう。特に通信費用は継続的に発生するため、自社の利用状況に合わせて無駄のないプランを選択することが重要です。
IoT機器は、必ずしも大容量の通信を必要としない場合もあります。そのため、IoT機器向けの専用通信サービスやSIMプランを選ぶことで、利用実態に合った費用で、安定した通信環境を構築できます。
【関連記事:IoTゲートウェイとは?ビジネス活用のメリットや方法をわかりやすく解説】
IoTのビジネス活用ならHISモバイルにご相談ください

IoTをビジネスで活用するには、安定した通信環境の構築が不可欠です。しかし「どの通信サービスを選べば良いかわからない」「自社の利用状況に合った最適なプランはどれか」といったお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
IoT導入における通信環境の構築やコストにお悩みでしたら、ぜひHISモバイルにご相談ください。
HISモバイルでは、通信事業で培ったノウハウを活かし、法人のお客様向けに多様なIoT機器のレンタルや、用途に対応できる専用の通信プランをご用意しております。
- IoT基本プラン:定額から従量課金、複数SIMのシェアなど、多様なニーズに対応できる通信プラン
- グローバルアレンジプラン:海外の事情に合わせたプラン設計が可能。低容量特化型のIoT向け通信プランもあり
- プリペイドSIMプラン:使用できるデータ量や期間が決まっている、使い切り型の通信プラン。農業など期間限定でIoT機器に利用したい場合に便利
このように、お客様のビジネスニーズに合わせた通信プランをご提案いたします。
「まずは話を聞いてみたい」「自社のケースに合うプランがあるか知りたい」といったご要望も大歓迎です。ぜひお気軽にお問い合わせ(https://his-mobile.com/business/iot )ください。
【関連記事:IoT向けのSIMはどこがいい?選び方やおすすめサービスを紹介 】
IoTをビジネスに活用して生産性を向上させよう

本記事では、IoTの概要や主な機能、ビジネスでの活用事例、導入するメリット、活用時の注意点などについて解説しました。
ビジネスにIoTを活用することで、遠隔監視や機器の操作、データ収集・分析などを効率的に実現できます。その結果、生産性の向上や人手不足の解消、コスト削減、顧客体験の向上など、様々なメリットを得られるチャンスが広がります。
IoTの導入およびビジネス活用を成功させるためには、導入目的の明確化や費用対効果の検証、運用体制の構築、自社の利用目的に合った通信環境の整備が重要です。
HISモバイルでは、お客様のIoTビジネス活用を通信面から強力にサポートいたします。 低コストで安定したIoT向け通信プランをお探しなら、ぜひこちら(https://his-mobile.com/business/iot )からHISモバイルにご相談ください。
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