「0円」終了!楽天モバイルからの乗り換え先候補3社と比較

2022.08.01

楽天モバイルが「0円プラン」の廃止を2022年5月13日に発表してから、携帯業界に大波乱が起きています。

大手キャリアがオンライン専用の格安プランを提供開始して1年以上が経過しましたが、全体的に見てどのプランがお得なのでしょうか?他の格安SIMと比較するとどうでしょうか?また、楽天モバイルから乗り換えるならどの携帯会社がいいでしょうか?

この記事では、楽天モバイル・LINEMO・povo・HISモバイルを比較します。ぜひ乗り換え先選びの参考にしてくださいね。

総務省による主な携帯電話料金プランの比較

2022年4月25日の会合で、総務省によって主な携帯電話料金プランが比較されているので、楽天モバイルからの乗り換え先の参考にしてみましょう。



引用元:携帯電話料金と接続料等の関係の検証に関する検討に係る論点整理案|総務省

四角形の赤枠と下線は筆者追記

上記のグラフを見ると、MNO(※1)大手3社(NTTドコモ・au・ソフトバンク)は、値下げをしてもやはり縦軸の同じ容量の格安SIMと比較すると、2倍程度の料金設定です。新たな格安プランを提供している、LINEMO・povo・ahamoは他の格安SIMと競り合っています。

※1 自社回線で回線設備を所有している通信事業者のこと

また、このグラフでは全体的に5分かけ放題、10分かけ放題のプランを比較しているのがわかります。この中でも最安なのは5分かけ放題が付いていて790円で利用可能なHISモバイルの新プラン、「自由自在290プラン」です。(100MB未満の場合) では、このグラフの中から特に20GB以下の「5分かけ放題プラン」を提供しているHISモバイル・LINEMO・povoを比較してみましょう。

LINEMO・povo・HISモバイルを比較

この項目では、楽天モバイルからの乗り換え先候補としてドコモ回線・ソフトバンク回線・au回線から、それぞれLINEMO・povo・HISモバイルをピックアップして比較します。

5分かけ放題プラン比較一覧|LINEMO・povo・HISモバイル

LINEMO・povo・HISモバイルの5分かけ放題プランを比較してみましょう。5分かけ放題プランは5分以内の短い通話が多い方におすすめのオプションです。5分を超過すると、LINEMO・povoは30秒あたり22円、HISモバイルは30秒あたり9円の通話料がかかります。

20GB以下の音声通話+5分かけ放題プラン比較(税込み)
  LINEMO povo HISモバイル
通信回線 ソフトバンク回線 au回線 NTTドコモ回線
100MB 390円/1GB
(有効期間7日間)
+5分かけ放題550円
(※1)
【100MB未満】
790円
【1GB】
1,050円
1GB
3GB 1,540円 1,540円(有効期間30日間) 1,270円
7GB 1,490円
20GB 3,278円 3,250円(有効期間30日間) 2,690円
SMS
キャリアメール × × ×
データ追加 550円/1GB 390円/1GBなど
(有効期間7日間)
200円/1GB
(業界最安)
速度制限時の通信速度 3GB:300kbps
20GB:1Mbps
最大128kbps 最大200kbps
5分超過後の通話料 22円/30秒 22円/30秒 9円/30秒

注)一部無料対象外通話あり。
※1 上記の表は基本的にそれぞれ5分かけ放題のオプション料金を含めた金額ですが、povoの1GBプランは7日間有効のため別々に表記しています。仮に1GBプランを4週間利用した場合、390円×4週間+550円=4GBで2,110円です。

LINEMO
LINEMOの特徴はLINEのデータ通信量がかからないことで、LINEアプリでのトークや音声通話、ビデオ通話はデータ消費としてカウントされません。LINEの利用量が多い方には魅力的かもしれませんね。

povo
3GBの低容量プランでは、LINEMO・povoはほぼ同額で1,540円です。「ほぼ」というのは、povoの3GBプランは1カ月単位の料金ではなく30日間の料金だからです。

povoは0GBの状態に、必要に合わせて自由にデータをトッピングして利用できるのが魅力です。しかし、24時間限定使い放題や、1GBの有効期限が7日間など非常に細かく分かれているため、同じ条件で比較するのは困難です。料金体系が非常に複雑なので、シンプルな料金体系を希望している方には向かないかもしれません。

povo2.0の基本料金は0円ですが、下記のような条件があるため完全に0円では運用できません

「180日間以上有料トッピングの購入等がない場合、利用停止、契約解除となることがあります。0円0GB時は、送受信最大128kbpsとなります。」
引用元:料金プラン詳細|povo2.0

HISモバイル
3社の中で、HISモバイルはどの契約容量でも最安値となっています。さらに契約容量を超過してしまっても1GBあたり200円でデータ追加ができて、ユーザーの財布に優しいプランです。
物価が上がっている中で、HISモバイルの新プラン「自由自在290プラン」はさらに値下げされています。料金重視なら、楽天モバイルからの乗り換えはHISモバイルが有力候補ですね。

音声通話プラン比較一覧|LINEMO・povo・HISモバイル

5分かけ放題が必要ない方のために、通常の音声通話プランで比較してみましょう。

20GB以下の音声通話プラン比較(税込み)
  LINEMO povo HISモバイル
通信回線 ソフトバンク回線 au回線 NTTドコモ回線
100MB 390円/1GB(※1)
(有効期間7日間)
【100MB未満】
290円
【1GB】
550円
1GB
3GB 990円 990円
(有効期間30日間)
770円
7GB 990円
20GB 2,728円 2,700円
(有効期間30日間)
2,190円
SMS
キャリアメール × × ×
データ追加 550円/1GB 390円/1GBなど
(有効期間7日間)
200円/1GB
(業界最安)
速度制限時の通信速度 3GB:300kbps
20GB:1Mbps
最大128kbps 最大200kbps
通話料 22円/30秒 22円/30秒 9円/30秒

※1 仮にpovoの1GBプランを4週間利用した場合、390円×4週間=4GBで1,560円です。

お気付きかもしれませんが、同じ990円で利用できるデータ容量がLINEMO・povoは3GBなのに対し、HISモバイルは2倍以上の7GB使えます。楽天モバイルは3GBで1,078円ですから、LINEMOやpovoで3GBプランを契約してもそれほど大きな差額ではありません。

せっかく乗り換えるなら、HISモバイルの最安プランで検討してみてくださいね。

楽天モバイルとHISモバイルを比較

第4のキャリアである楽天モバイルは、月1GB以下の場合に「0円」だった「Rakuten UN-LIMIT VI」を2022年6月末で終了します。7月からの新プラン、「Rakuten UN-LIMIT VII」は3GB以下の場合でも月額1,078円かかるようになります。

今まで1GBで十分だった方は、急に3GBの料金に引き上げられてしまうので、多くの方が楽天モバイルからの乗り換えを検討しているようです。そこで楽天モバイルからの乗り換え先におすすめなのがHISモバイルです。

楽天モバイルで月額1,078円かかるはずのユーザーが、HISモバイルの1GBで利用すると約半額の550円で利用できます。単純計算では年間6,336円の差額になるので、浮いたお金でランチを何度も楽しめますね。

HISモバイルは月々の通信料が7GB未満の場合は月額990円ですから、通話をそれほどしない方や、楽天モバイルの繋がりが悪い方はぜひ乗り換え先として検討してみてくださいね。

ちなみに、「4~6GBは必要」という方は7GBで契約した方がお得です。下記のHISモバイルの料金を見るとわかる通り、データ追加して使うより割安だからです。同様に2GB必要な方も3GBで契約した方が割安ですよ。

データ追加利用例
3GB+データ追加1GB
770+200=970円

楽天モバイルとHISモバイルの比較(税込み)
  HISモバイル自由自在290プラン(音声通話プラン)
ドコモ回線最安
Rakuten UN-LIMIT VII
(2022年7月以降)
100MB 【100MB未満】290円【1GB】550円 1,078円
1GB
3GB 770円
7GB 990円 2,178円
20GB 2,190円
50GB 5,990円 3,278円(楽天回線エリアなら無制限)
SMS
通話料 9円/30秒 22円/30秒(楽天エリアでRakuten Linkアプリを利用する場合は無料)
通話オプション 5分かけ放題500円 15分かけ放題1,100円
データチャージ 200円/1GB(業界最安) 660円/1GB(パートナー回線エリアで5GBを超過した場合)

参考情報:7月1日よりRakuten UN-LIMIT VII」へ自動移行|楽天モバイル

楽天モバイル・LINEMO・povo・HISモバイルを比較

楽天モバイル・LINEMO・povo・HISモバイルの通信速度とエリアを比較していきましょう。

通信速度を比較|楽天モバイル・LINEMO・povo・HISモバイル

楽天モバイル・LINEMO・povo・HISモバイルの通信速度を比較してみましょう。全国の一般ユーザーが実際に「みんなのネット回線速度」という速度測定サイトを利用した実測の数値を基にしているので、信頼できる数値です。

通信速度比較
  ダウンロード アップロード 速度制限時の速度
楽天モバイル 40.64Mbps 21.85Mbps 1Mbps
LINEMO 83.46Mbps 16.95Mbps 3GB:300kbps
20GB:1Mbps
povo 103.13Mbps 16.17Mbps 128kbps
HISモバイル 54.29Mbps 16.31Mbps 200kbps

※ 直近3ヶ月に計測された測定結果から平均値を算出しています。(2022年5月20日現在)
引用元:みんなのネット回線速度(みんそく)|格安SIMの通信速度レポート

どの回線も実測のダウンロード速度が40Mbpsを超えているので、これだけの速度が安定して出れば快適に利用でき、高画質の動画でも問題なく見られます。ただし平均なので、場所や時間帯によって速度が低下することは考えられます。通信速度に関して、詳しくは下記の記事を参考にしてくださいね。

関連記事:格安SIMの速度って本当に遅い?安定して使える通信速度って何Mbps?

エリアを比較|楽天モバイルは繋がらない?

楽天モバイル・LINEMO・povo・HISモバイルは、それぞれ楽天モバイル・ソフトバンク・au・NTTドコモの4大キャリアの回線を利用しています。2021年度の4大キャリアの基地局数をまとめた最新の資料があるので確認してみましょう。

4大キャリアの基地局数(2021年度)
  通信回線 4G/LTE 5G
(楽天モバイル) 楽天モバイル(エリア外はau回線) 18,413 1,448
(LINEMO) ソフトバンク 177,111 6,580
(povo) au 190,469 5,935
(HISモバイル) NTTドコモ 259,584 7,135

総務省の発表データを基に作成
参考情報:令和3年度携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の評価結果(案)|総務省

上記の基地局の数を見ていただくと、ソフトバンク・au・NTTドコモに関しては全国エリアで自社回線を利用できますが、楽天モバイルはまだ基地局の数が少ないことがわかります。楽天モバイルは、自社の基地局を設置できていない地域をau回線で提供しています。
「楽天モバイルは繋がらない」とよく耳にしますが、2022年3月末時点で楽天モバイルは人口カバー率97%を突破しているのに、なぜそのようなことが起こるのでしょうか?答えは下記の周波数帯をご覧ください。

周波数帯
引用元:携帯電話端末が対応する周波数の現状について|総務省
赤枠は筆者追記

赤枠で囲まれた700MHz〜900MHz帯は、簡単にいうと、実感として屋内での繋がりやすさに直結する「プラチナバンド」といいます。3大キャリアはそのいずれかを割り当てられていますが、楽天モバイルはプラチナバンドを利用できないため繋がりにくく感じるのです。

ですから、楽天モバイルがエリア内であっても、地下鉄や屋内では繋がりにくい場合があるため、繋がりやすさで判断するなら、ソフトバンク・au・ドコモ回線を使用している事業者が無難です。

LINEMO・povo・HISモバイルの共通点

LINEMO・povo・HISモバイルの共通点は次の5つです。

・月々の基本料金が安い
・5分かけ放題オプションがある
・最低利用期間や違約金がない
・回線は3大キャリアだから全国エリアで使える
・2022年5月計測時点の平均ダウンロード速度が40Mbps以上(みんそく)

とりわけHISモバイルは、ドコモ回線最安のプランを提供しているので、乗り換え先としておすすめです。下記に新プランの一覧表を掲載しておきますので参考にしてくださいね。

HISモバイルの新プラン料金表(税込み)
  データ定額440プラン(データ専用)
自由自在290プラン(音声通話)
  基本プラン
ドコモ回線最安
+5分かけ放題オプション +完全かけ放題オプション
100MB 【100MB未満】
290円
【1GB】
550円
【100MB未満】
790円
【1GB】
1,050円
【100MB未満】
1,770円
【1GB】
2,030円
1GB 440円
3GB 580円 770円 1,270円 2,250円
7GB 880円 990円 1,490円 2,470円
20GB 2,080円 2,190円 2,690円 3,670円
50GB 5,880円 5,990円 6,490円 7,470円
SMS +50円
音声通話 ×
データチャージ 200円/1GB(業界最安)

※一部無料通話対象外。詳しくは「基本仕様」欄の「有料オプションサービスの内容」をご確認ください。

まとめ:楽天モバイルからの乗り換えはHISモバイルがおすすめ

楽天モバイルからの乗り換え先としてLINEMO・povo・HISモバイルを比較してきました。LINEに特化したLINEMOや、サービスをトッピングして利用するpovoなど、それぞれに特徴がありますが、どの契約容量でも最安なのはHISモバイルでおすすめです。

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