ahamo対抗の20GBプランは結局どこがいい?格安SIMライターが考察!

2024.02.07

2023年7月現在、格安SIMではahamoを意識した様々な通信サービスが各MVNOから発表されています。ただしサービス内容がやや分かりにくいのが難点です。

「格安SIMの20GBプランって結局どこが良いの?」
「月20GBは使えておトクな通信プランを契約したいけれど、格安SIMだとどこがおすすめなのだろう?」

このように悩まれている方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、格安SIMの記事を数多く執筆しているWebライター「国立久吉」が、主要なサービスの概要と契約をおすすめできる人の特徴について考察します。

「HISモバイルのメディアで掲載する記事だから~」といった忖度は一切なし。本音で各プランをおすすめできる人・できない人の特徴について記載していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
※本記事の内容は2023年7月時点の情報を元に記載しております。

この記事を書いた人:国立久吉
格安SIMや光回線の案件を中心にWeb記事制作のお仕事をしております。光回線はコミュファ光、スマホの通信回線はahamoを契約中です。出張先でWiMAX(3日間で合計10GB以上利用したら制限がかかるプラン)を利用したらすぐに速度制限がかかりそうになったので、ドコモの最上位プランかahamo大盛りを契約しようか検討しています。

ahamo対抗プランのサービス概要

まずは主な通信キャリアが提供する、ahamoに対抗した月20GBプランの概要を見てみましょう。

2023年7月頃に発表された、HISモバイルとUQモバイルの新プラン。それに対して大手通信キャリアであるドコモの「ahamo」や楽天モバイルの「最強プラン」も比較対象として記載しています。

 ahamoUQモバイル:コミコミプラン楽天モバイル:最強プランHISモバイル:自由自在スーパープラン
月額料金(税込)2,970円~3,278円~2,178円~
※3〜20GBほど利用した場合
2,190円~
音声通話1回5分以内の通話が無料1回10分以内の通話が無料Rakuten Link活用時は国内通話が無料5分までの音声通話は無料
その他の特徴混雑時間帯でも通信速度が比較的安定している電話きほんパック(V)を無料で利用できるSPUの倍率が+2〜3倍ほどアップする標準の電話アプリを使用しても通話かけ放題が適用される

※可能なかぎり平等に比較するため、ahamo大盛りなど、20GB以外の料金プラン・オプションは割愛しています。

意外にもUQモバイルはahamoより月額料金は高めです。しかし無料通話時間が長く、留守番電話オプションなどが含まれている「電話きほんパック(V)」を無料で利用できるなど、手厚い通話サービスが用意されている点が特徴です。

国内4番目のMNOとなった楽天モバイルは、従量課金制の料金体系や楽天市場のSPU倍率アップなどが魅力として挙げられます。しかし、通信品質で不安感があるのは否めません。実際、私の周りでも「電波が入ったり切れたりする」「通信速度が遅いときがある」といった声を見聞きします。

HISモバイルはahamoより月額料金が安くて5分間の無料電話オプションが標準搭載されているなど、ahamoを強く意識しているのが伺えます。ただしHISモバイルはMVNO、いわゆる格安SIMです。通信の安定性という観点では、どうしてもahamoに勝てません。

もう少し深掘りして解説するため、各プランの詳細をみていきましょう。

ahamo

まずは、筆者も契約しているahamoの魅力を紹介します。

・通信遅延が発生しにくくサービスが安定している
・1回5分までの国内無料通話がついてくる
・有料だがドコモショップでも契約できる

ahamoはNTTドコモが提供している、割安な通信プランです。プランが発表された当初はオンラインでのみ契約できましたが、2023年7月時点ではドコモショップ店頭でも(3,300円ほど手数料を取られますが)契約できるようになりました。

ahamoの魅力はなんといっても、大手通信キャリアであるNTTドコモがサービスを提供・運営していることです。

格安SIMの場合、通信回線の一部を大手通信キャリアから借りて通信サービスを提供・運用しているのが現状です。そのため、アクセスが集中すると通信回線が混雑しやすく、「インターネットにつながらない」「画像がなかなか表示されない」といった声を見聞きします。

一方でahamoはNTTドコモがサービスを運営しているため、混雑時間帯でも通信回線が混雑しにくく、快適にインターネットを利用しやすいです。

また1回5分までの国内通話であれば通話し放題なので「ちょっとだけ友達や家族と通話したい」といった場合でも気兼ねなく音声通話を利用できます。LINEなどの無料通話アプリもありますが、通話品質は基本的にモバイルデータ通信の状態に左右されます。つまりモバイルデータ通信が入りにくい場所だと通話品質も悪くなってしまうのです。

ahamoは通信品質も高くて1回5分間の音声通話かけ放題も付いているため「非常に安心感のあるコスパ最強のプラン」という印象です。HISモバイルの新プランの方が料金的には安いですが、NTTドコモという安心感や通信の安定性を重視するならahamoをおすすめします。

UQモバイル:コミコミプラン

UQモバイルが新しく発表したコミコミプラン。個人的に注目している見どころは下記のとおりです。

・余ったデータを翌月に繰り越せる
・無料通話は1回10分間までと長い
・留守番電話や迷惑電話撃退サービスが入っている「電話きほんパック(V)」を無料で契約できる(通常は月440円)

UQモバイルはau(KDDI)のサブブランドです。みんなのネット回線速度によると、平均ダウンロード速度が16あるサービスの中で1位と、通信速度が安定して早いのが魅力です。
※2023年7月時点の順位を記載しています。

個人的には、コミコミプランは「ahamoやHISモバイルより、もう少しだけ手厚いオプションが欲しい」という人向けのサービスかと思います。無料通話できる時間が長く、利用しなかったデータ通信量を翌月に繰り越せるのは魅力的です。

「お手頃価格で通信品質もそこそこ、電話を利用しやすい格安SIM」を求めている人にとてもおすすめできます。

ただしデータ通信をメインで利用する(音声通話をあまり利用しない)なら、au(KDDI)が提供している「povo」の方が安いです。povoの場合は20GBを30日利用で税込2,700円ですが、コミコミプランは税込3,278円と高くなってしまいます。

「データ通信をたくさん行い、かつ5分以上10分未満の国内通話を利用する機会が多い」という人なら、UQモバイルのコミコミプランはおすすめです。

楽天モバイル:最強プラン

続いて楽天モバイルの魅力を見てみましょう。

・従量課金制を採用しておりデータ通信を利用しなかった月は料金が安くなる
・アプリ「Rakuten Link」を使用すれば国内通話がかけ放題
・SPUアップ対象となっており、回線契約すれば楽天市場でポイントが貯まりやすくなる

新しく発表された「最強プラン」では、パートナー回線における通信制限が撤廃された点が特徴です。従来は楽天回線エリア以外で通信を行った場合はパートナー(au)回線を利用しており、一定以上のデータ通信を行うと速度制限がかかりました。

しかし最強プランでは上記の制限が撤廃され、楽天回線エリア外に住む人も通信容量を気にせずモバイルデータ通信を利用できます。楽天モバイルは従量課金制なので、モバイルデータ通信をあまり使わなかった月は月額料金が安いです。20GBを超えて通信した場合も、わずか3,278円で高速データ通信を利用し放題となります。
※利用環境によっては通信速度が低下する場合があります。

ただし楽天モバイルは、通信品質面で不安感が残るのが現状です。実際に筆者の周りでも「建物や地下鉄の中で急に通信が途切れたり復活したりする」といった感想を見聞きします。もし契約される方は、通信品質面でのリスクを理解したうえで契約した方が良いでしょう。

通信品質の不安はありますが、記載されているサービス内容は他キャリアのプランよりも圧倒的にお得です。通信が不安定になるリスクを許容できる人や楽天市場など楽天経済圏のサービスを利用する機会が多い人は、契約を考えてみても良いでしょう。

HISモバイル:自由自在スーパープラン

HISモバイルの新プラン「自由自在スーパープラン」の見どころを見てみましょう。

・月20GBで月額2,190円からと安い
・専用アプリ不要で1回5分までの無料通話に対応している
・かけ放題対象外の通話も9円/30秒と安い

個人的にHISモバイルで一番「いいな」と思っているポイントは、スマホに標準搭載されている通話アプリもかけ放題の対象になることです。

過去に、自分のスマホにかかってきた電話に折り返すと標準の電話アプリから発信されてしまう、という経験が何度かありました。しかしHISモバイルなら標準の電話アプリから発信しても1回5分まで無料の対象なので、かけ放題が適用されやすくて便利です。

おまけに無料通話の対象外になっても30秒あたり9円で通話できるのも嬉しいですね。なお一般的には、30秒あたり22円ほど通話料がかかります。

個人的にHISモバイルへの乗り換えを検討したことはあるのですが、フリーのライターとして仕事でも使うことを考えると、格安SIMなので時間帯によっては通信速度が遅くなってしまう点がネックになり、乗り換えは断念しました。

とはいえ「プライベートでモバイルデータ通信をたくさん利用する」「通話もそこそこ利用する」という人であれば、安価でサービス内容が充実しているHISモバイルはおすすめです。

https://his-mobile.com/domestic/planlp_jiyujizai_super

なおHISモバイルの通信速度は下記記事でも実際に検証しております。通信速度が遅くなる時間帯はありますが、以前よりも改善傾向が見受けられるため、参考までにご一読ください。
【2023年6月最新/公式】HISモバイルの通信速度は遅い?実際のところを検証 | 格安スマホ・格安SIMの基礎知識

どのような人にどのプランがおすすめか、勝手に考察!

ここまで20GBプランを提供している、主要な4つのサービスを紹介してきました。サービスの詳細を説明してきましたが「結局どのプランが良いのか分からない(決めきれない)」という方もいるかと思います。

そこで下記では、筆者が考える、各プランの契約がおすすめの人・おすすめできない人の特徴をご紹介します。どのプランを契約しようか悩んでいる方の参考になれば幸いです。

HISモバイル「自由自在スーパープラン」がおすすめの人

おすすめの人:安さと電話のしやすさを重視する人
おすすめできない人:特徴のあるサービスを探している人


HISモバイルの自由自在スーパープランは「シンプルに安くて使いやすい」という印象です。外出先でもたくさんモバイルデータ通信を利用したい!音声通話も頻繁に利用する!といった人は契約をおすすめします。

一方で「格安SIMならではの、きめ細やかな料金体系の中から選びたい」「独自のオプションなど特徴あるサービスを提供しているMVNOと契約したい」という人にはあまりおすすめできません。



UQモバイル「コミコミプラン」がおすすめの人

おすすめの人:通話オプションの豊富さを重視する人
おすすめできない人:安いプランを探している人


音声通話を利用する機会が多い人にコミコミプランはおすすめです。1回10分までの国内無料通話がついているのはもちろん「電話きほんパック(V)」を無料で利用できるため、留守番電話や迷惑電話のブロックなどが利用できます。

余ったデータ利用量は翌月に繰り越せるため、月によって使うデータ利用量が大きく変わる人も安心です。

ただし音声通話をあまり利用しない人にとっては、やや割高になるプランです。音声通話をあまり利用しない、単純に安いプランを探している方はあまりおすすめできません。

楽天モバイル「最強プラン」がおすすめの人

おすすめの人:楽天のサービスを利用する機会が多い人
おすすめできない人:通信の安定性に不安を感じる人


楽天市場や楽天経済圏のサービスを利用する機会が多い人は、楽天モバイルとの契約がおすすめです。楽天モバイルを契約すればSPUがアップするため、よりお得に楽天市場でお買い物ができます。

料金プランやサービス内容も魅力的ですが、ネックになるのは通信の安定性です。安定した通信を求める人には、楽天モバイルはおすすめしにくいです。

結局、格安SIMはどのような観点から選んだら良いの?

本記事では主要な20GBプランと格安SIMの新20GBプランを紹介しました。スマホ向けの通信サービスは様々なものが乱立しており「結局どこと契約した方が良いのだろうか」と悩んでいる方もいるかと思います。

20GBプランや格安SIMかどうかにかかわらず、通信プランを選ぶうえで大切なのが「自分はどのようなサービスを求めているのか」を明確にすることが大切だと筆者は考えています。

・平日のお昼時間帯に通信速度が低下するのは許容できるか
・音声通話は利用するか
・月にどれくらいモバイルデータ通信を利用するか

上記の点を明確にすることで、自分にはどのようなサービスが必要なのか判断しやすくなります。仮に通信プラン選びに失敗しても問題ありません。プラン変更はもちろん、通信キャリアの乗り換えもオンラインで手軽に手続きできます。

通信サービスにどのような要素を求めるのかは生活環境の変化によっても変わりますし、時間が経てば新しい通信プランも発表されるでしょう。その時、この記事内で紹介したサービスの紹介はきっと役に立たなくなるかと思われます。そうなった時でも大丈夫なよう、自分が通信サービスに求めるものを明確化するのがおすすめです。

参考までに、自分の場合は「お昼時間帯でも通信速度が遅くなりにくい」「たくさんモバイルデータ通信を利用できる」「5分間の無料通話し放題がある」という理由からahamoを利用しています。お仕事でもスマホを利用するため、通信の安定性やたくさんモバイルデータ通信できる点、5分間の通話かけ放題は捨てがたいです。

なお筆者の場合、これまでにいくつかの通信キャリアを乗り換えて今に至ります。

参考:筆者の格安SIM乗り換え歴

筆者の場合は、はじめは興味本位でNTTドコモからIIJmioという格安SIMを利用しました。ただし通信速度が遅くなる時間帯があることや端末を自分で購入する面倒くささから、すぐにドコモに戻りました。

その後iPhoneに乗り換えたことで自分でも端末を直接購入しやすくなり、再び格安SIM(今度はBIGLOBEモバイル)へ乗り換え。速度が不安定になる場合がたまにあることを除き、あまり不満はありませんでした。

しかしその後、NTTドコモがahamoを発表したため、再び乗り換えて今に至ります。

このように格安SIMをそこそこ乗り換えていますが、これまで特に困ったトラブルに遭遇したことはありません。最近は解約違約金(いわゆる2年縛り)もなくなってきたため、以前より手軽に通信キャリアを乗り換えやすくなっています。

自分が通信サービスに求めるものを考えてみよう!

本記事では主な20GBプランのサービス概要やおすすめできる人・できない人、通信プランの選び方を紹介してきました。

スマホ向けの通信サービスは移り変わりが激しく、新しいプランが発表されては古いプランの新規契約が受付終了になります。本記事で紹介した「格安SIMの選び方」を参考に、ぜひ自分にあったプランを契約してくださいね。

なお「何を重視した方が良いのか思い浮かばない」という人は、まずは一番安いプランに乗り換えてみるのがおすすめです。不満点があれば、今度はその不満点を解消できるサービスへ乗り換えることで、自分の理想に近い通信サービスと巡り合えるでしょう。

関連の記事

当サイトでは、サイトの利便性向上のため、クッキー(Cookie)を使用しています。サイトのクッキー(Cookie)の使用に関しては、「プライバシーポリシー」をお読みください。

同意する