マンションでWi-Fiを使うなら?通信速度が遅い3つの根本的な原因

2023.04.28

マンションでWi-Fiを利用するために光回線を契約するのが主流ですが、「光回線なのに遅い」という不満をよく耳にするのではないでしょうか。インターネット環境は快適な暮らしの要素ですから、マンションを選ぶ際にはチェックしておきたいポイントです。

この記事では、マンションの光回線の通信が遅い根本的な原因を解説します。また、マンションの光回線とモバイルルーターの2つの違いを比較しながら、あなたに合ったWi-Fi環境を見つけるためのポイントを説明するので、ぜひ参考にしてください。

マンションの「インターネット・Wi-Fi完備」「光ファイバー対応」の違い

分譲マンションや賃貸マンションの物件情報には、インターネット環境についても書かれています。「光ファイバー対応」「インターネット・Wi-Fi完備」という表示には、それぞれどんな違いがあるのでしょうか?実はどれを選ぶかによって、通信速度に大きな差が生じます

インターネット環境も快適な暮らしに欠かせない要素ですので、マンションを選ぶ際には確認しておきたいポイントです。また、インターネット環境がなく、回線やプロバイダ契約をすべて自身で行う必要があるマンションもあります。

インターネット・Wi-Fi完備

「インターネット完備のマンション」とは、入居次第すぐにインターネットを利用できる物件のことです。ネットを利用するための物理的な回線が既に引き込まれていて、実際にネットに繋げるためのサービスを提供している接続事業者(プロバイダ)とも契約済みの状態です。

そのため、自身で回線工事の手配やプロバイダ契約をする手間がかからず、Wi-Fiルーターさえ自分で用意すればネット環境が整います。Wi-Fiを完備しているマンションの場合はWi-Fiルーターも標準装備されているので、ホテルなどと同じようにWi-Fi設定するだけですぐに利用できます。

マンション全体で契約しているため、ネット料金については一般的に管理費や共益費に含まれています。(インターネット使用料が別途請求される場合もあります。)ただし、回線が遅くて個別に契約をする方も珍しくありません。

光ファイバー対応

「光ファイバー対応」とは、入居者が希望すれば光ファイバーを利用可能な物件のことです。マンションの共用設備までは光ファイバーの回線工事が完了していますが、共用設備から部屋まで接続する工事やプロバイダ契約を別途手配する必要があります。キャンペーン割引が適応される場合もありますが、工事費や月額料金は入居者の負担です。

申し込みから工事完了までの期間は基本的に戸建てよりも短いですが、光回線事業者によって大きく異なり、最短1週間から2カ月程度かかる場合がありますので注意が必要です。

マンションの光回線とモバイルルーターならどっちがいい?

全戸一括型の契約の場合は、個別に別の回線を引き込めないケースがほとんどです。それで集合住宅のネット環境に満足できない場合の選択肢に挙がるのが、工事不要なモバイルルーターです。マンションの光回線とモバイルルーターのどちらを選ぶべきか迷っている人もおられるでしょう。

光回線は安定した通信環境が必要な場合や、家庭などに利用する場所が限定されている場合に適しています。一方、モバイルルーターなら、外出先でインターネット接続が必要な場合に適しています。あなたにぴったりなインターネット・Wi-Fi環境を見つけるためには、それぞれの違いを把握し、自分に合ったサービスを選ぶことが重要です。

ただし、マンションタイプの光回線には次の項目で説明する注意点もあります。

マンションの通信速度が遅い3つの根本的な原因

「光回線が使えるマンションなのにWi-Fiが遅い」と感じる方がいるのはなぜでしょうか?ネット接続の経路上にある様々な要素(※1)が関係してきますが、根本的な回線の問題・原因としては次の3つの点が考えられます。

1.接続方式によって最大速度に大きな違いがある
2.旧式のLANケーブルが敷設されている可能性がある
3.回線を共有しているため同時接続数によって速度が低下する

※1 無線LANやパソコンの性能、電波干渉など。

1.接続方式によって最大速度に大きな違いがある

光ファイバーのインターネットを完備しているマンションでも、接続方式によって最大速度に大きな違いがあります。基本的な接続方式は下記の3種類です。

光配線方式:1Gbps~10Gbps
LAN配線方式:100Mbps~1Gbps
VDSL方式:100Mbps

VDSL方式では最大100Mbpsですが、一般的な光配線方式の最大速度は1Gbpsです。最新のネット設備を導入している一部の地域の光回線マンションタイプは10Gbpsに対応しています。
単純に考えると、その差は最大100倍もあります。ですから、光回線が使えるマンションのWi-Fiの中でも、実際の速度には大きな差があるのです。

2.旧式のLANケーブルが敷設されている可能性がある

LAN配線方式は使用されているLANケーブルの性能に左右され、最大速度100Mbps~1Gbpsです。古いマンションには旧式のLANケーブル(※1)が敷設されている可能性が高く、速度が遅くなる根本的な原因となります。LAN配線方式のほとんどは最大速度が100Mbpsです。

※1 カテゴリ5以前:最大速度100Mbps

LANケーブルが古いと通信速度が遅くなる!?~「カテゴリ」の見分け方
通信速度はパソコンやWi-Fiルーターに繋げるLANケーブルの性能も関係しています。契約している回線の速度に応じて、使用しているLANケーブルがカテゴリ5e、または6A(1Gbps、または10Gbps)以上の速度に対応しているかどうかを確認しておくといいでしょう。

LANケーブルの「カテゴリ」の見分け方については、LANケーブルメーカー:「サンワサプライ株式会社」が下記の記事で解説しているので参考にしてください。

参考情報:LANケーブルの「カテゴリ」の見分け方|サンワサプライ株式会社

3.回線を共有しているため同時接続数によって速度が低下する

カテゴリ5e以降(※1)(最大1Gbps~)のLANケーブルを敷設している場合でも、マンションタイプは光ファイバーを共有しているため、同時に接続している回線の数により速度が低下してしまいます。時間帯や曜日によってマンションタイプの通信速度に大きな違いが出るのはこのためです。特にインターネット・Wi-Fi完備の物件は棟内での利用者が多く、共有の影響を強く受けるでしょう。

※1 2023年3月現在の最新の規格はカテゴリ8。
参考情報:CAT8(カテゴリ8) LANケーブル|サンワサプライ株式会社

参考情報
カテゴリ5e LANケーブル|サンワサプライ株式会社
10ギガビット対応 カテゴリ7 LANケーブル|サンワサプライ株式会社
ドコモ光 10ギガ

Wi-Fi環境を整える|マンションに最適なWi-Fi規格は?

マンションに最適なWi-Fi規格は「Wi-Fi5(IEEE802.11ac)」以上です。Wi-Fi5の最大通信速度は6.9Gbpsで十分な性能ですが、次のような場合には、現時点で最新の通信規格「Wi-Fi6(IEEE802.11ax)」のWi-Fiルーターを選んだ方がいいでしょう。

Wi-Fi6がおすすめなケース
・障害物などの影響で電波が途切れやすい
・複数の端末を同時接続して快適に利用したい場合
・高画質動画やオンラインゲームを最高のWi-Fi環境で楽しみたい場合

Wi-Fiが繋がりにくいときの対処法やWi-Fiルーターの選び方については、下記の記事を参考にしてください。

【関連記事】
【総まとめ】Wi-Fiが繋がりにくいときの対処法と主な原因を徹底解説!
Wi-Fiルーターとは?選び方やおすすめ9選を徹底紹介

参考情報:無線LAN規格の違い | IODATA光回線が使えるマンションのメリット・デメリット

光回線が使えるマンションのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

●光配線方式やカテゴリ5e以降のLAN配線方式は比較的安定して速い
●データ通信が基本的には無制限(※1)

デメリット

●月額料金が少し高め
●光ファイバー対応マンションでは開通工事が必要
●開通までに時間がかかる場合がある
●旧式のLANケーブルが敷設されていると通信速度が遅い
●回線を共有するため同時接続数によって速度が低下する
●VDSL方式は最大100Mbpsを共有
●自宅など契約した場所でしか使えない
●解約時に違約金や初期費用残債を請求されるケースがある(※2)
●新たに光回線を引き込んだ場合は退去時に撤去工事が必要な可能性がある

※1 光回線事業者によって異なりますが、例えば「auひかり」などは、継続的に1日あたり30GB以上の送信を行う場合に送信制限が実施される可能性があります。
参考情報:「auひかり」における大量データ送信制限について | KDDI

※2 電気通信事業法改正により、2022年7月1日以降の契約の違約金については、サービスの月額料金までが上限となっています。
参考情報:電気通信事業法改正について – 2022年7月1日施行|総務省
光配線方式やカテゴリ5e以降のLANケーブル方式は比較的安定して速く、データ通信が基本的に無制限なのは非常に魅力的なポイントです。しかしその反面、速度が遅くてストレスを感じるケースもあります。そのような場合は、モバイルルーターをおすすめします。次の項目でモバイルルーターのメリット・デメリットについて考えてみましょう。

モバイルルーターのメリット・デメリット

モバイルルーターのメリットは、工事不要で外出先でも利用でき、移転手続きも住所変更だけで済むことです。デメリットは契約したデータ容量を超えると通信速度が低下する点と、通信が不安定なエリアがある点です。

多くの端末を同時利用すると速度が低下しますが、最大同時接続台数の半分以下に抑えればそれほど気にならないでしょう。それぞれにメリット・デメリットがあるので、ライフスタイルに合わせて選んでください。

メリット

•工事不要
•即日開通(届き次第)
•外出先でも利用できる
•移転先でもエリア内ならそのまま利用できる

デメリット

•通信速度が不安定なエリアがある
•契約したデータ容量を超えると速度制限がある
•端末を持ち歩く必要がある
•多くの端末を同時利用すると速度が低下する

モバイルルーターがおすすめな人

モバイルルーターのメリットを踏まえて、モバイルルーターがおすすめなのは次の条件に当てはまる人です。

•1人暮らし
•引越しが多い
•既存のマンションの通信速度が遅い
•外出先でネットを利用する頻度が高い
•料金をできる限り安く抑えたい
•無制限プランは必要ない
•回線の引き込み工事不可物件

マンションタイプの光回線を使いたくても必ず使えるわけではありません。マンションがインターネット非対応の場合には、工事が不要で外出先でも利用できるモバイルルーターがおすすめです。Wi-Fi完備のマンションや回線の引き込み工事不可の物件でも、モバイルルーターの契約は問題なくできます。

ちなみに、WiMAX2+でハイスピードエリアプラスモード(※1)を利用する場合にはプラチナバンドを利用できます。しかし通常は、高速通信ができる2.4GHz帯/5GHz帯を使用しているため、分厚い鉄筋の壁があるマンションなどでは繋がりにくいです。

※1 au4GLTE

他方、HISモバイルのモバイルルーターは、基本的に障害物に強いプラチナバンドを利用可能なため、マンション向きのモバイルルーターといえます。ただし、電波状況は複雑な周囲の環境にも左右されるため、「お試しSIM」で確認するようおすすめします。

お試しSIMの詳細はこちら

1人暮らしで使うWi-Fiの選び方については、下記の記事を参考にしてください。

関連記事:一人暮らしにちょうどいいWi-Fiは?スマホと50GBのWi-Fiを3,280円で利用する方法

モバイルルーターをおすすめできない人

モバイルルーターのデメリットを考慮して、逆におすすめできないのは、テレビに接続して高画質で動画をたくさん見たい方や、オンラインゲームやビデオ会議など、常に安定した通信が必要な方です。


•光回線並みの速度と安定性を求める方
•使い放題の通信容量が必要な方

モバイルルーターは「HIS Wi-Fi PLUS+」がおすすめ!

HISモバイルの「HIS Wi-Fi PLUS+」は、モバイルルーターの中でも最安級で利用できるのでおすすめです。下記の図に示すように月々の通信量に応じて段階的に料金が変動します。

「HIS Wi-Fi PLUS+」の初月料金は無料(※1)です。10GBまでの利用が1,078円と、使用した通信量が少ないほど月額料金を安く抑えられます。

※1 ご契約月の日本国内料金は無料となり、翌月1日より課金開始されます。3カ月以上の利用が条件です。また、海外での利用分は初月無料の対象外です。

HISモバイルのモバイルルーター:「HIS Wi-Fi PLUS+」
10GBまで月額1,078円
30GBまで月額2,178円
100GBまで月額3,278円
契約事務手数料0円(ご利用開始の翌月から3カ月後の月末まで継続した場合。それまでに解約の場合は3,300円)
レンタル機器
レンタル料金:0円
最大稼働時間:12時間
Wi-Fiの最大同時接続台数:10台
下り最大通信速度150Mbps
上り最大通信速度50Mbps
エリアau・NTTドコモ・ソフトバンクの提供エリア。国内複数キャリアから最適な回線を自動で選んでつながります。
海外利用可能(詳細はこちら

10GB~100GBの通信はHIS Wi-Fi PLUS+との併用がおすすめ

スマホなどの月間通信量の合計が、Wi-Fi通信を含めて10GB~100GBで収まる場合は「HIS Wi-Fi PLUS+」との併用がおすすめです。「HIS Wi-Fi PLUS+」と「自由自在290プラン」を併用した場合の合計金額を下記の表に示します。

月間通信量の合計が10GB~100GBの場合
HIS Wi-Fi PLUS+(データ専用SIM)自由自在290プランと併用した場合
(100MB未満:290円)
データ使用量月額料金合計金額
~10GB月額1,078円1,368円
~30GB月額2,178円2,468円
~100GB月額3,278円3,568円
データ追加200円/1GB(業界最安)

※税込み

スマホを「自由自在290プラン」の1GBで契約して、データ通信量を100MB未満に抑えれば月額290円で使用できます。それで、基本的に「HIS Wi-Fi PLUS+」のモバイルルーターで通信して、「自由自在290プランでの通信を100MB未満に抑えた」という条件で合計金額を考えてみましょう。

月間通信量の合計が10GB以内の場合
「HIS Wi-Fi PLUS+」の月間通信量が10GB以内の場合、スマホと合計しても1,368円で利用できます。

月間通信量の合計が30GB以内の場合
「HIS Wi-Fi PLUS+」の1カ月のデータ通信量が30GB以内で収まる場合は、スマホと合計しても2,468円です。

月間通信量の合計が100GB以内の場合
「HIS Wi-Fi PLUS+」で100GB利用すると、1GBあたりの料金がHISモバイルの中で最安です。(100GBの場合:1GBあたり32.7円)それで、HIS Wi-Fi PLUS+で100GB通信する場合が最も割安です。(合計3,568円)

100GBを使い切った場合
HIS Wi-Fi PLUS+で100GBを使い切ると低速通信に切り替わりますが、自由自在290プランはデータ追加可能です。データ追加料金も最安で、1GBあたり200円で追加できるので安心して利用できます。(ただし、100MBと1GBの差額は260円です。)

まとめ:ライフスタイルに合わせてWi-Fi環境を整える

マンションで利用できる光回線とモバイルルーターの2つの違いについて解説してきました。光回線といっても接続方式によって速度が大きく異なり、100Mbps~10Gbpsを共有するため、Wi-Fiを快適に使える場合とそうでない場合があります。

一方、モバイルルーターは工事不要で外出先でもインターネットを利用できるのが特徴です。速度や安定性は環境次第で変わってきますが、通信環境が悪い場合の光マンションタイプより速いケースも多々あります。

マンションの光回線:接続方式によって速度が大きく異なり、100Mbps~10Gbpsを共有するネット回線
モバイルルーター:工事不要で外出先でも利用できるのが魅力

ですから、マンションの回線が実際にどれ程の速度を期待できるのかを確認し、インターネットを利用する場所やライフスタイルに合わせてWi-Fi環境を整えるといいでしょう。

※掲載金額は基本的に税込みです。
※本記事は2023年3月31日時点の情報を基に執筆しています。

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